今朝、日本の有名人の方の告知ニュースが目に入りました。
歯科医師の分野なので、ささッとその人のブログ記事などを読んでみると、
今の現状に至るまでの経過に、気になる点が幾つかあった為、記事に書かずにはいられなくなりました。
その人のブログによると、
全然治らなくて、そこから更に信じられないくらいの状態にまで悪化しているのがわかるけれど、
その経過の途中で何度もかかりつけの歯医者に駆け込んでいるにも拘らず、
数ヶ月?の間、痛みを軽減するだけの対処療法ばかりしかされてないとはどういう事なのでしょう?
しかも、悪性組織を余計に刺激しかねない、レーザー照射を数回も。
なかなか治らないタイプの粘膜異変の場合、
プロの歯医者なら誰でも、
これは通常の口内炎じゃないかもしれないから、
念の為に万が一の事考えて、専門機関で診てもらいましょう!
と、患者の為を思って、まずは早い段階でそう提案するものだと私は思うけどなぁ…。
でも、なぜそのかかりつけの歯医者は、こんなに酷くなるまで紹介精査するということを一切することなく、
対症療法としてのレーザー照射を続けたのでしょう??
まず、口の中に通常はない粘膜の異変やデキモノが出現し、
しかも、1週間~最大でも10日経っても消失しない場合には、
まずは専門機関での精密検査を念の為に視野に入れるべきです。
普通、口の中の通常の炎症なら、4〜7日も経てば大体自然治癒するから。
それ以上経っても治らないものは、何か別の理由があったり、別のモノだと考えるべきです。
こういう粘膜の異変に、心配性な患者もいれば、楽天的な患者さんもいる。
だからこそ、普通の街の開業歯医者さんが、
適切なアドバイスを患者に行い、どちらにせよ精査をする方向に患者を誘導しなきゃだと思うのだけどな。。。
検査は生検=外科処置だからもちろん痛みを伴う辛いもの・・・。
でも、もしそれで結果が陰性なら、それはそれでいいじゃない。
「痛いだけで、やった意味がなかった」じゃなくて、
問題なしと断定されたことは、それはそれで素晴らしい事じゃないですか!
街の普通の歯医者さんには、
大学を卒業し、ある程度の研修を経て歯科医師免許を取得していれば、正直誰でもなれます。
開業して(または開業していなくとも)、歯医者という白衣というベールに包まれてしまえば、
素人の患者さんにとっては、
その歯科医師が果たして、どんなレベルの歯医者かどうかなんて、正直全くわかりません。
どの程度の経験があって、
どの程度普段歯学を勉強していて、
どの分野に精通していて、
どの治療分野が上手であって、
どの分野は知識が乏しくて苦手か
…とか。
または、患者当たりは良いけど、
実は、まったく勉強してない、プロのふりしただけの悪徳歯医者かどうかだなんて…⁈(これは大げさかもしれないけれど)
全くわかりませんよね?
そして、歯医者の私から言わせてもらうと、
たとえ凄く勉強している歯医者であったとしても、
歯学全ての分野に精通している歯科医師は殆ど皆無だ
という事も書いておきたいです。
つまり、
単純な虫歯治療は得意だけど、予防には関心のない歯医者、
口腔外科専門医の経験は長いけど、インプラント経験は浅い歯医者、
根管治療は得意だけど、その上に被せれクラウンの治療は苦手な歯医者、
審美治療は素晴らしいけど、小児の治療はしない歯医者
・・・などなど。
殆どの歯医者はそれぞれ、得手不得手の分野があります。
歯科医業は狭いお口の中だけを扱うと言えども、所詮分野分業制ですから・・・。
また、街の通常の歯医者さんに限って言うと、
口腔内粘膜病変や顎骨内病変についての専門的な知識を有する歯医者は、
殆ど稀だと思います。
そうした知識は、日常の通常診療の上であまり必要とすることなくきているからです。
これらの分野の知識習得には、大学病院などである程度の期間の実地経験が必要になり、専門性が高くなります。
だから特に、大学卒業後すぐに街の開業医で働き始めたような一般歯科医だと、幾ら歯医者としての経験は長くても、
口腔外科分野の知識は大学での勉強レベルのみにとどまってしまっている人だって多いです。
私自身は、卒後大学病院の研修コースを履修した為、
口腔外科も含め、すべての分野を一通り網羅しましたが、
その時の口腔外科での研修期間は、他の歯科分野とは一線を画すものがありました。
これはその他の歯科医療分野とは全く違う!・・・と。
でも、その時の経験・・・、つまり、
大きな舌腫瘍摘出手術再建術や顎骨整形手術・・・などなどを身近に見学させて頂いたり、
また、そうした患者さんに直に触れ合う事が出来たり・・・。
私実は、口腔外科専門分野、結構好きだったんですよ、元々。
それに今でも外科処置好きな方だしね。
でもやっぱり、普通に歯をいじる歯医者になりたくて、、、口腔外科専門分野はそれ以上は追求しませんでしたけれど。
だから、街の開業歯医者が、患者の口のなかに少し様子のおかしい粘膜病変や顎骨病変を発見したら、
まずは大学病院などへの専門機関へすぐに紹介し精査を依頼することが普通なのです。
以上、私が歯医者自身が書く、歯医者業界の実際でした!
そう、皆さん知っておいて下さいね。
歯医者には個々に得意分野と不得意な分野があって、
歯医者ならどんな分野も全部知っているかというと、そうではない!
という事。。。
患者さんに何か質問された内容が、
それが自分の精通しない分野なのに、
プロのふりしてとか、プロの名誉の為にという理由で、
実証のないことや嘘を適当に患者さんに言っては、
もう犯罪レベル?!でしかありません。
だから、
「知らない事は知らない」、「自分の精通した分野じゃないから答えられない」などと、
正直にそう患者さんに言ってくれる歯医者の方が、より信用できるかも!!!
という話です。
だからこそ、
一人/一箇所のかかりつけに長年通ってしまう事の危険性
というものもあるんですね。
かかりつけ医を持つ事は重要だと、医科でも歯学でも言われますが、
もし万が一、そのかかりつけ医があまり良くなかったらどうします??
ここまで書いてご察しの通り、
歯医者は一旦白衣を着てしまえば、
信頼出来そうな歯医者に見えてしまいます。
だから、そのかかりつけ医の言う事を何でも信じ切ってしまうのはよくあることです。
ましてや、
かかりつけ医にしたくなるような、
優しそうで人当たりのよい歯科医は、特に、
患者さんには人気があるのでしょうけれど、
でもその人の良さは、
足りない技術や知識をカバーしなきゃならない為だけのものであって、
実は、集患の都合上そう繕っているだけ!
という場合だって実際多くあるかもしれないのですから~
歯科は技術職ですから、案外、
技術にこだわる腕の上手な歯医者はどちらかというと、
神経質そうでぶっきらぼうな感じの方が多いかも~??(特に男性は?)
ま、皆が皆そうじゃないけれどね!
かかりつけ医が本当に優れた腕の良い歯医者なら、
もちろんそれを信じ切るのがベストだと思います。
・・・が、もし何か疑う余地があっただとか、またご自身がそう望まれるなら、
一度、色々な歯医者にコソッと行ってみる事も、ご自身の為かもしれませんね!
患者さんは歯には素人ですから、
そこは慎重に進めるべきです。
世の中ほ~んとに、沢山のいろんな歯医者がいますから
ご自身の歯の健康を守るのは、あなたご自身次第だということを忘れずに
Love & Protect Your Teeth