それぞれのラート物語 高橋靖彦選手 | ラート中毒@吉川泰昭

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輪っか 改め ラートで世界を回ろっか。

次は、個人総合、そして、跳躍で金メダルを取った、

高橋靖彦選手。

今回の世界選手権では、日本代表チームリーダーとして日本選手を色々な面で支え、
リーダーとしても日本選手団をまとめてくれた。

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僕が彼を知ったのは、6年ほど前にチンマーマンという、ラート工場からの一つのメールがきっかけであった。

「日本から連絡があり、225センチのラートを作ってほしいと個人的に連絡があった。誰か知っているか?」




世界で、ラートを作っている工場は、数える程度しかない。

そのなかで、世界の大多数のラートを作っているのが、ドイツのチンマーマンという職人の工場だ。

ここのラートは、頑丈で、安定感があり、とても使いやすい。
一方日本のラートは、鉄がチンマーマン製より弱く、

大きな選手の大きなラートには向いていない。



僕の身長172㎝で215のラート

225と言えば、180㎝ぐらいの選手である。



その男が、高橋靖彦であった。

日本には大きなラートを作ってくれるところがなく、

彼はドイツまでわざわざオーダーしたのであった。


正直なところ、その当時まだ無名であった彼のことは、
僕は全く知らなかった。

今まで、小さめのラートで窮屈に練習していたが、
自分にあったサイズのラートを手に入れた事によって、メキメキと頭角を現すようになってきた。
そして、彼は、日本を牽引する選手へと成長していった。





僕がラスベガスで公演中に行われた世界選手権での、彼の演技の噂を聞き、日本に帰ったら一緒に練習したいと密かに思っていた。

そして、

2年前に僕がラスベガスから帰ってきた時、ようやく一緒に練習する機会を得た。


大きな体格を十分に生かしたダイナミックな演技、それでいて、繊細な演技をする彼が、

僕にこう言った。
『僕は、次の世界選手権で個人総合で金メダルを取りたいんです。』


僕は、正直なところ、心の中では(難しいんじゃないか??)
と思った。


それには、2つの理由があった。

一つは、今まで9回行われた世界選手権で、個人総合優勝は常にドイツの選手で、日本人だけでなく、他の国の選手も含め、ドイツとの圧倒的な差が見えていたからである。

そしてもう一つ、

世界だけでなく、実は彼には、強敵なライバルが、同じ筑波大学にいた。

その男が、今回斜転で金メダルを取った田村元延選手である。この選手は、2008年から2011年まで、4年連続で全日本総合優勝をしていて、更に、2007年の世界選手権では跳躍の部で金メダルを取っていた。


しかし、そんな僕の思っていた理由は彼には無いようなものだったのか、彼の目は透き通り、真っ直ぐに目標に向いていた。
もしかしたら、取ってくれるかな??
そう思わせる目をしていた。


そして、
この二つの壁を、高橋選手は克服した。

ルールをしっかりと把握し、点の出る傾向、そして最小限に減点を減らす方法を研究し、
そしてその中で、自分らしいダイナミックかつ繊細な演技を造り出し、

今回の世界選手権では
見事なまでに3種目とも完璧な演技をこなし、ラート世界初の歴史的快挙である、
ドイツ人以外の個人総合優勝という偉業を成し遂げた。

表彰台のてっぺんで見せたあの笑顔を僕は一生忘れない。

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写真提供:渡辺勝

個人総合の表彰台で銀メダルの田村選手とがっちり握手する高橋選手


本当におめでとうございます!!!


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