昔々、人も皆、本当に危険なものを察知することができた。
星を憶え、風を読み、豊かで鋭い感性が生きていた。
昔の人が持つ知恵には、どれも深く沁み入る理由があった。
野生動物たちとの距離も弁えていた。
他の種族に対する敬意もあった。
呪いの言葉とともに、要らない物ばかりが増えていく。
私の言葉が戯言だと思うなら、それもひとつの感性だ。
だけど私にとっては、今の社会こそが狂気そのものだ。
新しく形成されていく産業と文明と、それらに潰されていくものに敏感である者たちよ。
どうか消えてしまわないで。
私たちに必要なのは、病名でも番号でも仮面でもAIでもない。
繰り返される言葉に騙されるな。
魂を明け渡すな。
心を研ぎ澄ませ。
聴こえるか。
お前は 誰だ
君は 誰だ
私は 誰だ
想い出せ