冷蔵庫の残り物で焼きそばを作った。

何故焼きそばを買っておいたのかは

よく覚えていない。

「いいにおい」

風呂から出てきたエリコが

焼きそばを盛った皿をのぞきこみながら言った。

僕は冷蔵庫から缶ビールを出してエリコに渡した。

「ありがとう」

すぐに缶ビールの開く音がする。

「白ごはんある」

「朝炊いたのがまだ残ってると思う」

そうか、関西の人は焼きそばをおかずに

ごはん食べるんだよね。

エリコは焼きそばにたっぷり紅ショウガをのせている。

「めっちゃお腹空いてる」

エリコは相変わらずの食べっぷりに飲みっぷり。

それにしてもどうしてエリコはこっちに来たんだろう。

「仕事は順調」

「順調だよ」

「何で奥さんと住まへんの」

「ここでは絵は描けないみたい」

「そしたらここに住んであの部屋に通えばええやない。

あたしがどうこう言うべきことやないですけど」

そう言ってエリコは缶ビールを飲みほした。