Filosofi Kopi(インドネシアのカフェの歴史) | ジャカルタごはん

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2023年9月、ジャカルタに転居。
ジャカルタ生活の記録です。

インドネシアで一番老舗のカフェチェーン店は「EXCELSO(エクセルソ)」で1991年に創業、「Starbucks」は2002年にインドネシアに進出していますが、その頃はまだ欧米系の「カフェ」はそれほど人気ではなかったといいます。

「kopi bubuk」といって、粉上のコーヒー豆(それもロブスタ種)を直接カップにいれてお湯を注ぎ、粉が沈殿した後の上澄みを飲むという伝統的な飲み方もまだ一般的でした。

欧米へ海外留学してバリスタの経験もあるような若者がインドネシアに帰ってきて、「カフェがない、それなら始めよう」と思い立って開業するパターンもあったようです。
そんな若者の「カフェ・ドリーム」を鮮やかに描いたのが映画「Filosofi Kopi(邦題:珈琲哲學~恋と人生の味わい方~)」(2015年)です。

 

 

原作はインドネシア人作家ディー・レスタリ氏による同名の短編小説で、理想のカフェをオープンすべく若者が奮闘する模様を描き、インドネシア国内でヒット。
原作も2019年に日本語に翻訳されています。

 


そうして、伝統的なwarung(ワルン=個人経営店舗)とは一線を画す、「Kopi Kenangan(コピ・クナンガン)」(2017年創業)、「Kopi Kulo(コピ・クロ)」(2017年創業)、「Fore Coffee(フォレ・コーヒー)」(2018年創業)、「Janji Jiwa(ジャンジジワ)」(2019年創業)などのインドネシア発のカフェチェーンが次々と誕生していきました。

 

さて、前置きが長くなりましたが、「Filosofi Kopi」は実在するカフェです。
というより、映画の撮影のためのセットをスペースを借りて一から作り始めたのがきっかけで、スペースの賃料やコーヒーを淹れるための設備や機材を購入する資金を調達する意味も込め、実際にカフェを経営することになったようです(映画が売れなくても、カフェ事業で成功できれば、との思いもあった模様)。
現在では店舗数が増えていますが、実際に撮影に使われたのはこちらの店舗です。

 

 

映画の舞台になったカフェということで雰囲気がよく、コーヒーも美味しかったです。