新型コロナ感染日記@ウズベキスタン その2 | 越境グローバルキャリア支援室|中央アジア支部

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日本に帰国するにあたり受けたPCR検査で要請を出してしまった翌日、体が妙に重だるく、喉が少し痛いことに気がついた。

 

最初は、日本に帰国できなかったショックからの気分的なものかなと思っていた。


しかし、どうやらそうでもない。


徐々に悪寒を感じるようになってきて、昼過ぎに熱を測ってみると38度。


前日は、運悪くコロナのウィルスのカスが鼻や喉にこびりついていて、そのせいで陽性反応が出ただけであり、おそらくは無症状で終わるかなと思っていた。


やはり、どう考えても、そうはいかなさそうなムードが我が全身を覆う。

 

そんなことを考えているうちに、30分ごとに体の調子が悪化の方向に更新されていく。


特に気になったのが喉の痛みから始まった胸全体に広がる息苦しさである。

 

最初は少し喉が痛いかなぁ、という程度だったのが、みるみるうちに年単位で定期的に発生する喘息のような感じになった。自分の弱点をピンポイントで疲れていることを実感する。


そうかと思うと、それとは違った胸全体の息苦しさのような感じが体全体に広がる不気味な感覚。


これを総括すると、通常、数週間を要するであろう体調の変化がたったの数時間で起きているのになんとも言えぬ恐怖を覚えた、といったところ。

 

そういえば、30年くらい前にかかったマイコプラズマ肺炎もこんな感じだったようなと、ずっと忘れていたあの恐怖の記憶が蘇る。


自分のことを心配してくれた周囲の複数の方から、コロナにかかったら肺炎になるかどうかがが瀬戸際で、肺炎になる前に処置ができれば損害がかなり最小限にとどまるというアドバイスを受け、大事をとって病院に行くことを決意する。

 

タシケントの関係者の協力により、受けさせてもらえたCT検査の結果は異常なしであったが、症状を医者に説明すると、放置すると数日のうちに悪化する可能性が高いという事で入院を勧められる。


もはやこれまでと諦め、自力での回復を諦めて入院を決意する。そして、ウズベクに持ち込んだほぼ全ての財産を一旦吸い上げられら条件を提示されるも、ウズベク最高の医療と自力による回復を天秤にかけた結果、ありがたくその条件をそれを飲む事にした。

 

コロナ病床が埋まっている中、関係者のご尽力により、特別に個室まで用意してもらうことができた。とりあえず、治療してもらえるという事実が、何よりも、本当にありがたかった。



 

どうやら、ここは。コロナ患者専用のフロアらしい。力尽きて、ベッドに倒れ込むと、すぐに医者が来て、息を楽にするために枕をいくつか並べ、うつ伏せの姿勢を取るように指示をされた。その姿勢をとると、胸の苦しみはかなり楽になった。やはり、自分が今をときめく新形コロナとやらにかかってしまったあことを実感した。


そして、たぶん、30分ほど気持ちよく眠ってしまって意識を失う。

 

いつの間にか、看護師さんが数名来て目を覚まし、PCR検査や血液検査や尿検査を行う。その後、点滴を刺すための器具が取り付けられ、ここから、良く分からない液体が次々と注入されていく。




かあればこのボタンを押してくれと言われる。なんか、それっぽい。




まずは、重症化を防ぐために、この薬を点滴をしているという説明を受ける。何無造作に置かれた薬品を見ると噂のレムデシビルが投与されているらしい。


実は、自分はこれがどういう薬なのかも良く分かっていなかったのだが、聞いたことがある名前の治療が施されそうな状況にかなりメンタル的に救われたのは確かである。

 


この間、熱は36.6から38.5の間を行ったり来たり。体調も、物凄く調子が悪くなったかと思うと、自力で歩くこともできるレベルまでに回復するといったことを数時間のサイクルで繰り返した。回復したタイミングを狙って病院に移動したのも事実である。


思えば、この10日間くらい、なんか妙に疲れやすく、良好な体調とそうでもない状態を繰り返していたような気もする。時に40度を超えるウズベクの環境のせいであると考えていたのだが、もしかしたら、コロナウィルスとやらが、自分の体を徐々に蝕んでいたのかもしれない。

 

これを踏まえると、PCR検査の陰性であっても、海外からの入国者が、二週間の隔離を求められたりするのは、このようなタイムラグをきちんとというか、既に考慮に入れたうえなのかもしれないと理解した。

 

薄れゆく意識の中、自分は、新型コロナウィルスとやらを舐めていたと反省した。


重症化するのは高齢者だけであり、若い人はかかっても無症状で終わることが多いと言った言説を自分は追随していた。そして、何より、日本人はファクターXによりそもそも感染する可能性が低い。だから日本人で、しかも、まだまだナウでヤングでイケイケな自分は、コロナウィルスなどは恐るるに足らず、ぶっちゃけ、それほど関係ない病気なのだと考えていた。

 

しかし、この苦しみを味わいながら冷静に考えてみると、ウズベキスタンで知り合った日本人の半分以上はすでに新型コロナウィルスに感染して、その少なくない人が肺炎にまで至っている。もちろん、ウズベキスタン人の知り合いも次々にコロナに倒れている。この勢いは、例年の日本のインフルエンザの流行以上である。


ウズベクで伝え聞くところによると、怪しい人も含めると、もしかしたら人口の半分以上くらいは感染していると言う。確かに、感覚的に、そう言った現実があったとしても驚かない。


一方で、日本に居住している私の日本人の知り合いで、実際にコロナにかかった人はまだ1人もいない。


素人の肌感覚ではあるが、少なくとも、ファクターXで日本人は桁違いに感染しにくいという話は、ちょっと違うかもしれないのかなと思う。自分を含めたウズベキスタン にいる日本人と、ウズベキスタン人を比較する限り、日本人が感染しにくい感じはしない。計算していないが、多分、結構な危険率でこれは棄却してようのではないかと。


まずは、重症化を防ぐために、この薬を点滴をしているという説明を受ける。


ということで、コロナに実際に感染して苦しんだ自分の中では、こいつは多分、条件さえ揃えばすぐに広がる病気なのだろうなと認識した。


そして、日本にいる人たちはどのように考えふのかはよく分からないが、自分としては、こんな病気を、まだまだ実に良く抑えていると素直に賞賛したい。何気に、今、日本人はら世界に類を見ないチームワークを発揮して、この病気が広がるのを抑えているのではないかと思う。


日本人は、なんだかんだ言って、政府からの要請に従って、不要不急の外出は控えているであろうし、手洗いうがいもちゃんとしているだろう。マスク着用の徹底具合もおそらく、世界の超トップレベル以上であることは間違いない。


ちなみにウズベクでは、最近は、市場やスーパーの検温の係の人はいつも居眠りをしているし、私のPCR検査をした人も皆んな顎マスクであった。誇れた事ではないが、ひょっとしたら、私から直接感染させてしまった人も何人かいる。


個人的に、このウズの緩い感じは嫌いではないのだが、やはり、この差こそが、日本とウズベクの感染拡大の差に大な影響を及ぼしているのかもしれないと、今回コロナに感染してみて骨身に染みたのであった。