私は、これまで人生を根無草のように生きてきたが、それはおそらく、大学生くらいから、どうすれば良い研究テーマを見つけることができるのかと言う問いの答えを自分なりに求めていたからだと思っている。
特に、前職では、多くの研究者の方と交流する機会に恵まれ、それを通じて、どのような分野であっても、各個人の知識をフルに活用した研究テーマを設定したり、そこから得られた知見を成果として論文にまとめるために考えるプロセスとして以下のような提案をしている。
リンク:【まとめ】テキスト「研究マニュアル☆テーマの設定から成果の発信」の紹介
それは、そもそも、私がこだわってきた研究テーマなるものは、所詮は先生や先輩など他人のミッションの一部であり、それを通じて人生を賭して取り組むべき課題に出会う人はまれである。ならば、研究テーマではなく、そもそも人生のテーマと言ったものはどのように見つければ良いのか、それは一体どのようなものなのかと言った疑問である。
この問いに対しては、なかなか明確な答えは出ないと思う。しかし、それに通ずる何かを感じて、私の心をとらえたのが「不便益」と言う考え方であった。
当初は、多くの人にとっては「まぁ、考え方としては面白いかもね。」と言ってもらえる程度のものであり、それが実践的な価値創造の手法として広く認められるのは、まだまだ先のことだと思っていた。しかし、今回のコロナウィルス騒動のお陰!?で、まず間違いなく、それはかなり早まるはずだ。
それ程遠くない未来には、企業の新人研修で、カイゼン活動のように、付加価値を生み出すための考え方として取り上げられるようになるかもしれないと思っている。
そのようなタイミングで出版されることになったのが、私も著者の一人として名を連ねる以下の書籍である。
リンク:不便益の実装 バリュー・エンジニアリングにおける新しい価値
これからは、この「不便益」と言う考え方に関連しても積極的にこのブログで取り上げてみたい。