◎東京都交響楽団 第877回 定期演奏会Bシリーズ 2019年4月26日19:00@サントリーホール
指揮/大野和士
武満 徹:鳥は星形の庭に降りる(1977)
シベリウス:交響曲第6番 ニ短調 op.104
ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45
久々のダブルヘッダーのコンサート其ノ二。
昼間の演奏会があまりにも良かったので、
自分なりに気分転換をしながらサントリーホールに向かうことに。
水天宮前で下車。
本日昼間もさりながら、自分の不可抗力での些細なトラブルが絶えないので、厄除けへw
で、ここ1週間、白ビールを強烈に飲みたくなってたので、
近くで白ビール飲めるところ探して、一杯だけ…。
今回はゴールデンウィークは特に出かけないので、
大人しく東京で向こうにいる真似事をしときますww
一足先にゴールデンウィークの休日気分です。
ン年振りに食べた白アスパラ、美味かった〜。
フランチスカーナーは世界中どこでも飲めるからいいですよね!w
グルメ話はこれくらいに。
さて、サントリーに移動してちょっと変わったプログラムのコンサートへ。
大野×都響は、月半ばに、当日の他団体のコンサートの被り具合から
その演奏の完成度のあまりの低さに落胆し、後悔したグレの歌以来。
今回は曲目が地味そうで、しかしヲタには定番の、
作曲者の出身国がバラバラな構成。
前半は正直滅茶苦茶満足!
…そうそう、大野×都響と言えば、この目玉ひん剥くほどの高機能がウリだったんだよ!
前プロの「鳥は星型の庭に降りる」は、
古来からのヨナ抜き音階に繋がる、
ペンタトニークの究極完成形を提起した佳作だ。
正直ここまで、和製の音の融けあい方を、
オーケストラという、西洋芸術のキャンバスに描ききれる演奏はそう出ないだろう。
今回の、純粋に、ちょっと水墨画入ってるんじゃないかみたいな、
鄙びた、侘び寂びの質感は、大野さんの研究勝ちだろう。
能書きを色々垂れたが、本当に美しい…!
武満の演奏でここまでの美意識を感じたのは、正直初めて。
…こういうの海外公演で持っていけばいいんじゃないかなあ。
このコンビで、前半は武満の小品集だけで構成する、
コンサートやってもいいんじゃないかな?
グレの歌のとき
「このコンビにマーラー3番みたいな長い(スペクタルのある)曲は無理!」
って書いたけど、「大地の歌」とかはかえって面白そう!
…また、中プロのシベリウスがこれまた絶品で、
まさに深山幽谷の霧がかった情景。
特に4楽章が秀逸で、ドリア旋法がわかりやすく、
スッと自然な形で体に染み込んでくる。
終結部の弱音も、極めて自然体。
…本当に、月半ばに、あんなイモいグレの歌を披露したコンビとは思えない!www
後半、ラフマニノフの交響的舞曲。
この曲は高校から大学にかけて、
シューマンの2番と並んで聴き比べにハマった曲。
個人的には、この曲には「歌」と「狂気の連鎖」を
演奏に求めてしまうので、
ストライクゾーンが極めて狭い、聴くのが難しい曲だった。
案の定、滅茶苦茶優秀な演奏で、外面的には完璧な演奏なんだけど…。
正直、歌も狂気もほとんどないクリーンさが面白くない…
(似たようなことを、この前のチョンのマラ9の時にも感じたけど…)
第2楽章のワルツの展開はもっと狂ったように高弦を強調して欲しかった…。
ところが、第3楽章…。
最後の怒りの日のファンファーレをホルンのベルアップで、
ピタっとパートが一心同体になった瞬間から、
大野さん、コーダまで、狂気の大爆発!ww
もっと前からそれをメリハリつけてやって欲しかった!!www
う〜ん、ズルい!ズルすぎるでしょ!?w
これはブラボー!するしかないじゃん!😭😭😭
昼間に並んで、もはや大半の外来オケを討ち死にに追いやりそうな、驚異の技術水準…。
一方で、なんだか日本人的な演奏が抜けないいじらしいこのコンビの演奏は
それはそれで、アリなのかな?と素朴に思いました。
欲を言えばもっと思い切ったカタルシスが欲しくないわけではないが…。