救援物資とこんまりさんのこと | フィリピン・アラバンのななつことば

続々と全国から大量に送られてきた救援物資。

 

 

 

毎日たくさんのモノを先生は教室で配っていた。

 

 

 

見知らぬ土地の小学生からのお手紙も

 

教室の後ろの壁に貼られていた。

 

 

 

 

 

その時、

 

「かわいそうな被災地」の小学生だった私は

 

不思議な気持ちでその光景を見ていた。

 

 

 

 

使いかけのノート、

 

明らかに使い切れない数の鉛筆。

 

 


 

 

その気持ちは本当にうれしかった。

 

全国の方たちに心配してもらってるって思った。

 

遠くから心を寄せてもらってるって思った。

 

温かい気持ちを感じた。

 

 

 

 


 

 

 

でも、ほんまにごめんなさい。

 

 

私、

 


 

ノートには困ってなかった。

 

 

鉛筆にも困ってなかった。

 


 

 

 

だって、

 

家はつぶれなかったから

 

文房具は手元にあったんです。

 

 

 

 

 

水道は止まって水には困っていたけど、

 

勉強道具は変わりなく揃っていた。

 

 


 

 

変わらないものもあったんです。

 

 

 


 

 

こんなことを言うのは本当に忍びないんだけど、

 

 

 

正直、

 

 

 

 

 

大量の不要なモノの処分に困った。


 

 

 

 

送ってくれた人の気持ちを感じるだけに

 

 

 

とても、困った。

 

 


 

 

震災で大量に不要なものが生まれた。

 


 


 

 

水が止まったからトイレットペーパーは

 

流すものから捨てるものになった。

 

 

 


お風呂に入れなかったから

「水のいらないシャンプー」っていうのも使ってた。

 

頭にふりかけてティッシュで拭くの。

シュッワってするけど

全然スッキリしない。



 

 

 

多くの使い捨てを使わざるを得なかった。

 


 

 

ゴミが増えるのはうれしくなかったのだけれど。

 

 

 

 

 

まー緊急時ってそういうものですよね。

 

 

 

 

 

 

 

ゴミになってしまったものは

 

元々ゴミだったわけではない。

 

 

 

 

 

 

役割を果たしただけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

使いかけのノートは

 

「被災地に気持ちを届ける」

 

という役割を果たした。

 

 

 

しかし

 

「困っている小学生に使って欲しい」

 

という本来の役割は果たされることなく

 

 

 

若干の迷惑さを被災者に感じさせながら

 

静かに処分されていった。

 

 

 

 

 

 

でもあの時、

 

 

 

送ってくれた子は

 

そんなこと想像できなかったのだと思う。

 

 

 

周りの冷静な大人も

 

それを止めなかったのだと思う。

 

 

 


 

 

 

あの時

 

被災者で

 

それを受け取った私は

 

 

 

 

 

あの使いかけのノートを送ってくれた

 

どこかの小学生に

 

伝えたい。

 

 

 

 

 

あの時

 

心配してくれてありがとう。

 

私たちは励まされたよ。

 

気持ちは受け取りました。

 

 

 

でも、ごめんね、

 

正直ちょっと困った。

 

 

 

 

 

 

 

キレイなもの、

 

おいしいチョコレートなんかはうれしかったけど。

 


 


 

 

 

それから

 

 

 

どうせ贈るのなら

 

 

 

心ときめかせられるものを贈りたい

 

って思うようになりました。

 

 

 

 

 

何が相手の心をときめかせられるかって

 

それを見つけるのは

 

本当に難しいことだけれど。

 

 

 

でも、私はそのことに

 

ときめきを感じる。

 

 

 

そこに意味があるのだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

ときめきといえば、こんまりさん。

 

 

 

こんまりさんがNetflix でまたもブームになっているそうですね。

 

 

 

 

少し前にこちらフィリピンの本屋さんのレジ横の目立つところに並べられていて、

 

うれしくなりました。

 

 

 

店員さんも

 

「ウチで一番売れてる本でオススメですよ。私も読んで影響うけました」

 

って言ってた。

 

 

 

 

 

同じ日本人としてなんだか誇りに思う。

 

 

 

 

 

 

 

英語や中国語などの多くの言語で、

あんなところに住む人や、そんなところで生活する人たちに読まれてるって

 

想像すると私はときめく。

 

 

 

外国語だと日本語で読むのとは

また別の印象が持たれているかもしれないな。

 

 

 

だって装丁だって日本語の原書と

ずいぶんイメージ違うもの。

 

 

 

 

 

 

 

いずれにせよ

 

やっぱり

 

本ってすごい!

 

 

 

ことばって素敵。

 

 

 

ときめきを大事にしよう。

 

 

 

いつもの日常にときめきを。