糖尿病患者は人類史上かつてないほどの
速さで増加しています。
医者たちは患者に糖質制限を処方し
続けています。
この方法が糖尿病患者の健康のために
最も効果的なアプローチであると
見なされています。
 
表面的には、糖質制限は、素早い減量ができ、
A1cと血糖値を下げるので、いい方法に思えます。
しかし、85年以上に渡る研究結果は、糖質制限が
インスリン抵抗性の原因となり、すべてのタイプの
糖尿病の病態を水面下で複雑にし悪化させること
を示しています。

インスリン抵抗性の生化学を理解する。
 
低脂肪で、フルーツ、野菜、豆、全粒穀物の
未精製炭水化物を増やした食事は、1型糖尿病、
境界型糖尿病、2型糖尿病の患者のインスリン抵抗性
を逆転させるのに非常に効果的であることを示す
エビデンスは今も増え続けています。
 
インスリン抵抗性は、脂肪を貯蔵するよう
デザインされていない組織に脂肪が蓄積
した結果生じるものです。
それは主に肝臓と筋肉です。
 
低炭水化物で、高脂肪高蛋白質の食事を
食べると、脂肪酸をエネルギーとして
燃焼しますが、しかし同時に肝臓や
筋肉といった組織に脂肪が蓄積します。
 
筋肉と肝臓に脂肪が蓄積しはじめると
どちらの組織もこれ以上エネルギーを
取り込まないやめに、インスリンの作用を
拒絶しはじめます。
 
基本的に、脂肪の摂取量が増えるに従って
インスリンの効きは悪くなっていきます。

実験室と現実世界はまったく逆

低炭水化物食は、インスリン抵抗性を
増やすための簡単な方法です。
 
実験を行う際、研究者たちは実験動物
に低炭水化物高脂肪高蛋白質の餌を
与えることでインスリン抵抗性と糖尿病
を惹起させます。
 
それらの動物はわずか8週間で、体重を増やし
重度のインスリン抵抗性を生じさせ、糖尿病
の初期症状を現します。
 
読み間違いではありませんよ。
研究者たちが実験室においてインスリン抵抗性
を作り出すための低炭水化物食は現実世界
で糖尿病患者たちが食べるように勧められる
低炭水化物ダイエットととても似ているのです。
いったいどういうことなんでしょう?
 
医者たちはすぐに低炭水化物食を患者に
処方します。
なぜなら、それは素早く体重を落とし、
血糖値コントロールを良くし、コレステロール
を下げ、血圧も下げるからです。
 
しかし、長期的には、肉、乳製品、卵、魚、油
などで構成された低炭水化物で高脂肪高蛋白質な食事は
実は糖尿病の病態を悪化させ、癌のリスクを上げ、
コレステロールを増やし、動脈硬化を促進し、
血管を硬くし、すべての原因の死亡率を上げるのです。
 
研究者たちは85年以上前に糖尿病を
逆転させていた。
 
低脂肪のプラントベースホールフード食
の2型糖尿病に対する効果は85年以上前
に始まっていました。
 
1930年から1960年までの期間に、ラビノウイッチ博士は、
2型糖尿病患者に低脂肪で未精製炭水化物を増やした
プラントベースホールフード食を食べさせて、
糖尿病を逆転させることを初めて示しました。
 
ラビノウイッチ博士は、高脂肪なものを
食べると、高炭水化物なものを代謝する
能力が落ちることも示しました。
 
博士は低脂肪のプラントベースホールフード食
でインスリン感受性を大きく改善することを
証明することに成功しましたが、それは
単に低カロリーだったからだ、という批判を
受けました。
 
1970年代に、アンダーソン博士がこれらの
研究をフォローし、十分なカロリーを含み、
体重が落ちないようにして低脂肪のプラント
ベースホールフード食を2型糖尿病患者に
食べさせる実験を行いました。
 
この実験では、患者たちは体重を落とさないよう、
とても量の多いプラントベース食を食べさせら
れました。
 
その結果、患者たちは1ポンドも体重を
減らすことなく、高脂肪な食事を低脂肪の
プラントベース食に置き換えただけで
たった16日後には、インスリン注射を
やめることができたのです。
 
何人かの患者は、10年以上インスリンを
打っていましたが、低脂肪のプラントベース
ホールフード食に切り替えてわずか16日後
にインスリン注射をやめることができた
のです。まったく体重は減らさずに。
 
もっと新しいエビデンスとして、責任ある
医療のための医療者委員会(PCRM)の
ニール・バーナード博士は、低脂肪の
プラントベースホールフード食は、
体重コントロール、血糖値改善、心臓血管
疾患のリスク低減、インスリン感受性の改善
に非常に効果的であることを示しました。
 
これらの研究結果は、脂肪の摂取を総カロリー
の15%以下に減らすなら、インスリンの効き
がとても良くなり、炭水化物代謝のギアを
高レベルに上げることを明らかに示して
います。

研究結果を実生活に当てはめる

私達MDは、1型、境界型、2型糖尿病
の人たちに食事療法と運動療法の
コーチングをしています。
 
インスリン抵抗性を逆転させる最も
効果的な方法は、脂肪の摂取をカロリー
比で15%以下にする食事、つまり肉や魚や
乳製品のような動物性食品を避け、
ヘルシーとみなされているオリーブ油
やココナツ油も避ける食事であること
を私達は見出しました。
 
私達はクライアントに、ホールフード
の炭水化物、すなわちフルーツ、野菜、
でんぷん質の多い植物(芋、かぼちゃ、
とうもろこし、玄米、キヌアなど)
豆類、アムラ(インディアングズベリー)
で食事を組み立て、精製された炭水化物
(パン、クラッカー、シリアル、パスタなど)
は避けるよう指導しています。
(訳注:アムラは血糖値を下げるハーブ
としてMDが勧めている)
 
クライアントたちは、努力なしで体重を
減らし、体のエネルギーを増やし、
何か月かのうちに、注射薬や経口薬を
最小限に減らすことができています。
 
私自身、22歳で1型糖尿病を発症しました。
診断された後の最初の一年は低炭水化物食
を食べていました。
 
その結果、体のエネルギーが減り、口臭が
ひどくなり、血糖値のコントロールが
難しくなりました。それで私は低脂肪の
プラントベースホールフードに切り替える
決心をしたのです。
 
切り替えて6か月もしないうちに、私の
インスリン注射の必要量は、炭水化物の
摂取量が一日900g以上になったにも
かかわらず40%減りました。
(一日の炭水化物量が多くの糖尿病
患者の摂取量の一か月分です。)

あなたの低脂肪食は本当に低脂肪ですか?

医者たちも糖尿病患者たちも、食事全体の
脂肪を減らさないで炭水化物を食べてみて、
その結果高血糖になり、体重も増える、と
訴えることがあまりに多すぎます。
 
そんなことをするから、高炭水化物な
食べ物は血糖値スパイクの原因だと
信じてしまうのです。
しかしそうなるのは食事の脂肪量も多い
からなのです。
 
以前の記事でも述べたように、高血糖の
隠れた真犯人は筋肉と肝臓の細胞の中
に詰まった脂肪によるインスリン抵抗性
なのです。
 
インスリン抵抗性があると、高炭水化物
なものを食べたあとに血糖値スパイク
が生じやすいです。
なぜなら、筋肉と肝臓が脂肪の過剰負荷に
あえいでいるからです。
 
最良の結果を出すためには、脂肪の摂取量を
減らし(総カロリーの10-15%に)、未加工の
ホールフードの炭水化物の摂取を増やし
血糖値の反応を見ていくことです。
 
エビデンスは明確です。
低炭水化物食も低脂肪食もどちらも
体重を減らし、インスリンの使用量
(必要量)も減らします。
短期的な減量効果を求めるなら
低炭水化物食が効果的かもしれ
ません。
 
しかし、糖尿病を悪化させるリスク、
癌や心臓血管疾患のリスク、すべての
原因の死亡リスクを増やすことは、
短期間の血糖値コントロールの改善
よりもずっと大きな問題です。
 
安定した長期に渡る減量、慢性疾患
リスクの減少、健康寿命を伸ばすこと
を求めるのなら、低脂肪のプラントベース
ホールフード食はエビデンスに基づく
ベストな選択です。
 


ランキングを楽しんでおります♪応援してね。

にほんブログ村


糖尿病ランキング