主題は「糖尿病をあなたのスーパーパワー
にする方法」です。
 
この組織の主宰者の一人である
Cyrus Khambatta 博士の年頭演説
です。
 
冒頭では
 
Mastering Diabetesは、インスリン抵抗性を
逆転させ、理想的な体重にし、エネルギーを
増やし、A1cを最善にする方法を、
85年に渡るエビデンスに基づく研究から
指導していきます。
 
私たちのプログラムは、食べ物を薬として
2型糖尿病を逆転させ、1型糖尿病では
インスリン使用量を最少にして生活を
簡単にする方法を教えます。
 
私たちの強いミッションは百万人の人
のインスリン抵抗性を逆転させることです。
ということが書かれています。
 
それから、サイラス自身のヒストリーが
話されています。
 
彼は16年前、2002年に1型糖尿病と
診断された。
その時彼はスタンフォード大学の機械工学科
の最終学年だった。
 
その冬に、異常な喉の渇き、頻尿、体力低下
を感じ、医者である姉に電話して相談したら
お姉さんは泣きながら「とにかくすぐ病院
に行って!糖尿病だと思う。」と言った。
彼はこんな若さで糖尿病になるわけがない
と思いつつも病院に行く。
 
糖尿病のことは何一つ知らなかった。
 
病院に行って血液検査をしたら血糖値が
680だった。
その場で入院させられ、インスリンを点滴。
 
そして検査の結果、3種類の自己免疫性疾患
を発症していることが判明。
 
橋本病(甲状腺の疾患)、全身性脱毛症、
(全身の体毛が抜ける。だからサイラスには
眉毛も睫毛も今はない。)1型糖尿病。
 
医者たちは非常に珍しい症例だと言った。
 
サイラスは一人になるとベッドの中で泣いた。
 
22才の前途洋洋の幸せな青年は突然
インスリンと注射器と血糖測定機が
を持ち、病院に頻繁に通わなくては
いけない、病人となってしまった。
 
サイラスは悩み、混乱し、落ち込んだ。
何でこんなことになったんだ?
何が悪かったのか、と。
 
医者たちは彼に糖質制限を指示した。
 
彼は医者が言うんだから間違いないと
信じ、最初の一年間、厳密に従った。
徹底的に糖質を減らし、肉を増やし、
チーズを増やし、乳製品、油、卵、
ピーナツバター、を増やし、フルーツ、
米、パン、パスタを減らした。
 
しかし体調は悪くなる一方。
 
血糖値は45から345の間を乱高下し
安定しなかった。
 
エネルギーは低下する一方で、運動
することもできなくなる。
筋肉も関節も衰えていくのを感じる。
 
元々、運動中毒なぐらい運動好きだった
ので、運動ができないことで落ち込み
うつ病になる。
 
「まだ23才なのに、このままでは長生き
もできないし、生きている間ずっと苦しむ
ことになる、糖質制限でうまくいく人
もいるのかもしれないけど、自分は
全然よくならない。何か別の方法が
あるのではないか?」と調査を始め、
ダグ・グラハム医師を知る。
 
グラハム医師は「The 80/10/10」という
本を出していた。
 
それは非加熱のプラントベース食で
80%の炭水化物、10%の脂肪、10%の蛋白質
という食事で慢性疾患を治療するという
内容だった。
 
サイラスは博士の7日間の合宿治療に参加。
そこで他の様々な病気の患者とともに
プラントベース食の栄養やローフードの
理論について学び、食事指導を受ける。
 
サイラスは、炭水化物をたくさん食べていい
と言われたとき、血糖値が爆上がりするに
違いないと怯えたけど、医者がそこにいる
んだから、とにかくやってみようと思った。
 
結果は劇的だった。たくさんのフルーツを
食べながら、インスリンの量は減っていった。
すごく気分が良くなった。
 
家に帰ってからもその食事を続けた。
1年2年と続けるうちにどんどん気分が良くなる。
 
インスリンの量は40%減り、炭水化物の摂取量
は一日500から700g。
 
その後、もう一度大学に行こうと決意し、
カリフォルニア大学バークレイ校に入学。
 
そこで5年間インスリン抵抗性について学び
インスリン抵抗性の原因と影響、インスリン
抵抗性と糖尿病の治療、食事、ファスティング、
運動を用いてインスリン抵抗性を逆転させる
方法についての論文を書く。(博士号取得)
 
現在、血糖値はいつ測っても80-130の間。
糖尿病のコントロールが面白いとすら
感じている。
 
運動もたくさんできていて、糖尿病に
なる前よりも多く運動できている。
 
血中脂質の数値もすごく低くなり
現在は総コレステロールが120台、LDLが
60台、HDLが40台、中性脂肪が60台。
A1cは常に5.7から6をキープしている。
 
プラントベースホールフードの食事は
今まで経験したことがないくらいの健康を
与えてくれている。
 
サイラスは、世の中のほとんどの人がまだ
知らない秘密を知っているような気持ち
でいる。世界中の何百万人もの人の人生を
変えることができる情報を持っている
ようにも感じている。
 
しかしまだほとんどの人は、それは
間違った、あるいは危険な、あるいは
怪しげな代替療法のように思って
いるけれども。
 
サイラスは言う、糖尿病は自分の人生で
起こったことの中で最高の出来事だ、と。
 
糖尿病は彼の中でスーパーパワーとなった。
彼に情熱を与えるスーパーパワーに。
 
彼は細胞レベルでのインスリン抵抗性の
原因を理解することに情熱を燃やし
他の糖尿病患者の健康を食べ物を薬として
内面から改善することを助けるのに
情熱を燃やす。
 
他のすべてのタイプの糖尿病の人に、
短期的に血糖値をコントロールする食事と
短期的にも長期的にも全身の健康状態
を最大にする食事は根本的に違うと
いうことを知ってもらうことに情熱を燃やす。
 
糖質制限は、糖質摂取量をわずかにすれば
血糖値をきちんとコントロールできる、という
原則に基づいている。その時、その時だけ。
だから?それはその通りうまくいく。
しかし問題は糖質制限は時間とともに
慢性疾患のリスクを増やす。
 
だからそれは短期間の解決にはなるけれども
長期的解決という点では恐ろしい。
 
低脂肪PBWFの理論は、短期的にも長期的
にも全身の健康を高める戦略で、それに
よってインスリン感受性を、糖尿病では
なくなる状態にまで高められる可能性がある。
 
彼は、自分が10年以上前に学んだ、いわば
「秘密」を世界中の何千人もの人に分かつ
ことができる。
 
だから自分の糖尿病は彼にスーパーパワーを
もたらしていると言う。
そして毎日、信じられないような変化の
証人が現れている。
 
彼は今のこの仕事を最高の選択だと感じ、
このために自分は生まれてきた、とさえ
思っている。
 
こんなことは22才で糖尿病と診断された
ときには夢にも思わなかった。
 
今は、自分は地球上の何百万人もの人
を助けることができる知識を持っている
と感じている。
そして、その情報を人々に伝えることに
さらに燃えている。
 
彼の目標は、PBWFの栄養についての
メッセージを糖尿病業界に広めることだ。
 
彼はあなたに問いかける。
あなたにとって、あなたの糖尿病
という病気を、自分を励まし、興奮させ
やる気にさせるものへと変える物は
何ですか?
 
知識を増やしていくこと?
PBWFを実践して、確かな改善を見ること?
それとも体重を減らすこと?
もっとエネルギーを増やすこと?
もっと血糖値コントロールを良くすること?
 
あなたの糖尿病をあなたのスーパーパワー
にするために必要なことは何ですか?
 
サイラスは、グラハム博士の合宿治療に
参加して、何回か食事を食べて、血糖値が
急速に下がり始めた時のことを決して
忘れない。
 
あなたもすでにその瞬間を体験している
なら、それを忘れず、大切にしてほしいと
彼は言う。
 
それを何度も何度も思い出し、前に進む
ためのモチベーションにしてほしいと。
 
糖尿病をあなたの人生にとっても最善の
出来事にする。そうなって欲しい。
あなたはそうできる。それは可能だ。
そうするなら、あなたの人生は永遠に
変わる。
 
****************
 
こんな内容です。かなり省略しました。
 
キルスの言う「その瞬間」、私にもわかります。
 
去年の8月、手探りでPBWFなるものを始めて
みました。まったくの我流だし、時々は肉や
魚やヨーグルトを食べてたし。
しかしある時「何かが変わった」瞬間みたい
なのを体験したんです。
 
常にだるさと眠たさを体に与えていたものが
スーっと引いていく感じ。
 
なぜかしょっちゅうイライラし不安を感じて
いた心(更年期だと思ってた)の中から
雲が消えていくような感じ。
 
食べるものを変えただけで運動も
していないのに。
しかもたった1,2週間で!
 
何か自分はすごいことを知ってしまった
ような気がした(笑)
周りの人に「私ね、糖尿病が治るかも!」
と言いまくってた。

思い起こせば、ちょうど一年前です。
 
糖尿病が悪化してるとわかり内科に
行き始めた。
 
もう、素直に糖尿病を受け入れ、糖尿病
とともに生きていく覚悟を持とうと
決意した。
 
これからは薬を真面目に飲み、月に一度は
内科と眼科に行き、合併症が出ないよう
チェックを怠らず、バランス良く食べて
適度な運動もして・・・
そう心に決めようとしてた。
 
DPP4阻害剤とメトホルミンが処方された。
医者は、もっと痩せろ、もっと運動しろと
言う。
 
がんばらなきゃ、と思いつつもなぜか
やる気にならず、薬だけ飲んで、
ボーっと生きていた。
 
2月に記録的豪雪に見舞われ、心が
折れた。
雪が解けたら、50肩になり、夜も
激痛で眠れなかった。ますます心が
折れた。
 
血糖値を測るのも止め、美食と飲酒は
やめず、運動する気にもならず
(膝と腰もいつも痛い)
体重は増えていくばかり
(DPP4阻害剤って太る!)
 
それでもまだなんとかしたくって
見つけた光がPBWFだった。
 
そして今、半年後。
10キロ痩せた。
毎日走ってる。筋トレも始めた。
毎日「今日は何を食べようか」と
考えるのが楽しい。
ブログ書くのも楽しい。
お友達のブログにコメントするのも
楽しい。
毎晩ベットに入れば5分で寝落ちして
朝はすっきり起きられる。
最近抜け毛が少ない(笑)
血圧も低い。
 
私もたぶん、糖尿病をスーパーパワー
にできてます。
 
もし糖尿病にならなきゃ、私はきっと
今もグータラで食い意地の張ったデブで
膝と腰が痛くて走ることもできず
ダラダラと過ごして、そして別の
病気になっていたか、死んでたかも
しれない。
 
私にとっても、糖尿病は人生で最良の
出来事の一つなのかもしれない、と
今日もジョギングしながら思いました。

 
わたしが弱いとき,その時わたしには
力があるからです。

(聖書のコリント第二 12章10節。
パウロの言葉)