聖ニコラス・タヴェリッチ
ニコラス・タヴェリッチは、クロアチアのフランシスコ会修道士、及び宣教師で、1391年11月14日にエルサレムで殉教しました。彼は、イタリアとフランスの修道士を含む仲間とともに列福されました。彼のグループの4人全員がカトリック教会によって聖人と宣言されており、タヴェリッチはクロアチアで最初に列聖された聖人です。
生涯
殆どの資料ではタヴェリッチの出生地はシベニクとされているが、スタンコヴツィ近くのヴェリムも考えられる。彼は貴族の出身であると考えられている。1365年、タヴェリッチはクロアチアの有力貴族シュビッチの居城であるブリビルで修道士になった。タヴェリッチは、ボスニアの守護者からの要請に応じたフランシスコ会各州の60人の修道士の1人だった。その動機は、1291年にニコラウス4世(自身も小さき修道士)が発布した教皇勅書「プラエ・クンティス」で、ボスニアで宣教師として働き、ボスニア教会の異端と戦った。タヴェリッチは12年間、ボスニア中にカトリックを広めた。 ボスニアの守護者は教皇への報告書の中で、宣教師たちがその教会の約5万人の信者を改宗させたと後に述べた。1383年、タヴェリッチは聖地管理区で奉仕する為に出向き、そこでロデーズのデオダトゥス・アリベルト、ナルボンヌのピーター、クーネオのステファンといった修道士たちと出会った。4人は、市内の小さき兄弟会が維持していた古い修道院であるシオン山の修道院に住み、そこで数年間アラビア語を学び、イエスの生涯にまつわる聖地で奉仕した。これらの聖地は小さき兄弟会の管理下におかれ、キリスト教ヨーロッパから巡礼者が集まっていた。キリスト教の聖地で静かに牧会活動を行った結果、市内のイスラム教徒の改宗者が殆どいなかった為、タヴェリックと彼の同僚は、創始者であるアッシジのフランチェスコの「生活の規則」で与えられた選択肢に従い、イスラム教徒の人々にキリスト教の信仰を公然と説く事を決意した。彼らはエルサレムのカディの前で定期的に集会を開き、説教を始めた。この事で逮捕された後、彼らはイスラム教に改宗するという選択肢を拒否し、投獄された。数日後、再び改宗を拒否した後、グループは全員死刑を宣告された。これらの宣教師は1391年11月14日にヤッファ門の近くで処刑され、遺体は完全に焼かれた。
崇拝
ジェラルド・シャルベット修道士はエルサレムの修道院の守護者であり、彼らの処刑を目撃しました。彼はシベニクのマルティン修道士と共に、教皇、ライプツィヒ、シベニクなどヨーロッパ各地に詳細な報告書を送りました。タヴェリッチとその仲間はすぐにヨーロッパ全土、特にシベニクのフランシスコ会によって殉教者として讃えられました。5世紀後の1880年、シベニク教区の司教アントゥン・ヨシップ・フォスコは、聖座に対してタヴェリッチの正式な列福手続きを開始しました。特別法令により、教皇レオ13世は1889年にシベニク教区で、1898年にはフランシスコ会全体で、彼の古い信仰を承認しました。2年後、同じ事が聖地でも行われました。修道士の信仰、特にタヴェリッチの信仰は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に成長しました。他の3人の殉教者の信仰は、1966年に教皇パウロ6世によって承認され、11月17日が別の祝日となりました。4人の修道士は、1970年6月21日にバチカン市国で2万人のクロアチア人の前で教皇パウロ6世によって一緒に列聖され、11月14日が彼らの共通の祝日となりました。
クロアチアのシベニクにあるフランシスコ会修道院と聖フランシス教会には、クロアチアの聖ニコラス・タヴェリッチ国立聖堂があります。クロアチア語で彼の祝日はタヴェリッチの日 として知られています。
教会
クロアチアでタヴェリッチに奉献された最初のカトリック教区と教区教会は、ザグレブのクストシヤ地区にありました。教区は1939年6月29日に設立され、教会の礎石は1941年11月16日にザグレブの補佐司教ヨシップ・ラチによって奉献されました。教会は1943年11月14日にアロイジエ・ステピナツ大司教によって奉献されました。クロアチア以外でタヴェリッチに奉献された最初の教会は、1971年11月14日にソンボル近くのベズダンスキに建てられたものでした。タヴェリッチに捧げられた教会の殆どはクロアチアにあります。それらの幾つかは、バニェヴツィ、チェロヴァツ、リシャニ、ペルコヴィッチ、スプリト、ヴィンジャニ、ザグレブ、リエカ、ジュパニャにあります。海外の教会は、アルゼンチンのハーリンガム、ブエノスアイレス、カナダのモントリオールとウィニペグ、オーストラリアのメルボルンとシドニー、ボスニア・ヘルツェゴビナのトミスラヴグラードにあります。
聖ニコラ・タベリッチへのロザリオ
ロザリオは14個の小珠で祈ります。
1. 幼い頃に神から来る真理と知恵を知った聖ニコラウス、私に真の知恵を主に懇願して下さい。その始まりは神への畏れです。アーメン。
「栄唱」
2. この世の楽しみを軽蔑し、修道院階級を選んだ聖ニコラウスは、この地上の罪深い喜びを軽蔑し、神にある喜びと神の戒めの成就を求める恵みを主に懇願して下さい。アーメン。
「栄唱」
3. 地上の財産を全て捨て、修道院階級の貧しい中で神に仕えた聖ニコラウスよ、地上の財産の為に天上の財産を失わない様に、主に慈悲を乞い願います。アーメン。
「栄唱」
4. 修道院の静寂の中に真の平和と幸福を見つけた聖ニコラウスは、清らかな心と明晰な良心をもって地上に平和と幸福を求める恵みを主イエズスに懇願します。アーメン。
「栄唱」
5. 神の戒めの道を堅実に歩んだ聖ニコラウス、神と聖教会の命じる事を良心的に行う恵みを主イエズスに懇願します。アーメン。
「栄唱」
6. 神の恵みの促し、長老たちのアドバイスや命令に完璧に耳を傾けた聖ニコラウスよ、常に神の霊感に応え、クラスの義務を誠実に遂行する恵みを主イエズスに懇願して下さい。アーメン。
「栄唱」
7. 聖ニコラ、貴方は悪魔の待ち伏せを全て克服しましたが、私も地獄の敵の全ての罠を克服できる様に主イエズスに慈悲を懇願します。アーメン。
「栄唱」
8. 聖ニコラ、貴方の隣人を罪から解放する為に貴方の全ての力、貴方の命さえも捧げたニコラ、永遠の破滅に繋がる罪に注意する恵みを主イエズスに懇願します。アーメン。
「栄唱」
9. 異端者を真理の道に改宗させた聖ニコラウスよ、滅びに繋がる誤った見解に気をつけて下さる様、主イエズスに慈悲を乞い願います。アーメン。
「栄唱」
10. 信仰の為に貴方の命を捧げた聖ニコラウスよ、私が信仰を堅く保ち、必要なら信仰の為に命を捧げる準備ができている様に恵みを主イエズスに懇願して下さい。アーメン。
「栄唱」
11. 神への愛から、隣人の救いの為に自らを致命的な危険に晒した聖ニコラウス、何よりも神を、自分自身の様に隣人を効果的に愛する恵みを主イエズスに懇願して下さい。アーメン。
「栄唱」
12. 神への愛から最も恐ろしい殉教を進んで受けた聖ニコラウスは、罪の償いとして人生の困難に忍耐強く耐える恵みを主イエズスに懇願して下さい。アーメン。
「栄唱」
13. 多くの人の健康を神に懇願してきた聖ニコラウスは、地上では喜んで神に仕え、天国では永遠の喜びを得る事ができる様に、私にも魂と体の健康を主イエズスに懇願して下さい。アーメン。
「栄唱」
14. 最も聖なる殉教者の死を遂げた聖ニコラウスは、私が死の際に聖なる秘跡を受け、純粋な心で永遠に入る事ができる様にと恵みを主イエズスに懇願して下さい。アーメン。
「栄唱」
R. 聖ニコラ、私たちの為に祈って下さい。
A. キリストの約束に相応しい者となる事。
お祈りしましょう。
信仰を広める熱意と殉教の手のひらで聖ニコラスを讃えた神よ、私たちが神の模範と執成しに従い、貴方の戒めの道を歩み、永遠の命の報いを得る事ができる様に祈ります。私たちの主キリストを通して。アーメン。