[ 47) この病気を周りに説明するには 2 ] の続きとなります。テーマは 「ブルガダ症候群」です。

 

 

ダイヤオレンジ 誰かにこの病気について伝えなくてはならない時にどういう風に説明すれば理解してもらえるのか?

 

ダイヤオレンジ ブルガダ症候群で起きる心室細動って原因が分かれば自分で注意をすることが出来るのか?

 

ダイヤオレンジ 失神既往やLP陽性・EPS陽性は受け入れたとしても、普段まったく元気な私が何でデバイスなんか積まなくてはならないのか?

 

ダイヤオレンジ 会社での就労制限や電磁電気作用への注意はまだしも、未成熟の運用制度(政令通達)に基ずく自動車免許制限と一生つきあって行かなくてはならない・・・・・なんで?

 

 ダイヤオレンジそして遺伝のこと・・・・・ど~すりゃいいの?

 

 

 

この病気の面倒くささを無理矢理にでも受け入れるために難解な医学情報を私自身の解釈で「学習ノート」として記しています。こうでもしないと、高級車なみの乾電池を埋めて、障害者認定を受けて、さまざまな制限の下での生活に対する根拠を自分の中で甘受させることができませんでした。

 

たびたびではございますが以下の記事も全ては私の「私見」となります。どうか正確な情報は先生なり文献などでご入手ください。ご参考程度としてください。

 

 

それと相変わらず長いんでかいつまんで

・・・・・・下さい。

 

 

 

今回は

 

心室細動 起きちゃう時

 

 

 

目次 ****************

 

1) 学習ノート 期外収縮

   電気刺激のバックアップ機能

   取り残された電気の 『いたずら』

2) 学習ノート 心室細動

   『いたずら』のタイミング

   T は心臓が休みたがっている時

   ひとたび”ドックん”したら心臓は最強

3)  検査で状況は判明する
   状況が分かれば最悪を防げる

   現代医学がなんとかしてくれるさ

 

 

********************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ずはこのお話・・・

 

 

1)  期 外 収 縮 

 

 

心臓を動かすための洞結節からの電気刺激を何らかの原因で捉えられなかった時に、別の場所が 『臨時の電気刺激』 を発するというバックアップ機能が心臓には備わっているそうです。

 

しかしこれはあくまでも洞結節からの通常刺激を感知できなかった時のお話。感知出来ているのにさまざまな理由でこの 『臨時の電気刺激』 を発してしまって、結果としてそれが正常な電気の流れに 『いたずら』 をしてしまうことがあるそうです。これらの 『予期せぬ電気刺激』 が起きることを

 

 『期外収縮(PVC)』  と言うそうです。

 

しかしこれは健康な人でも普通に起きていることで、私の場合もいずれのホルター検査でも2~5回の単発 『期外収縮(刺激)』 が記録されてます。

 

単発はこれ自体なんの問題もない出来事。

ちょっとした子供のいたずらのようなもの。

 

じゃあこれの何が問題なのかと言うと

 

『いたずら』 のタイミング。 

 

 

そこでこのお話・・・・・

 

 

2)  心 室 細 動 

 

この 『いたずら』 が

通常の P を感知する前ならば、

「あれっ、ちょっと早い?」 となるが

「でも次の一拍で元に戻ろう」 となり

問題は起きない。

またそれよりもう少し前、つまり

一回前の T のあたりになされた時も、

ちょっと不安定な時期ではあるが

“健康な心臓”の場合は

「しゃーねーな・・今回だけだからな。」

と職人魂でなんとかうまく処理してくれる。

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

あくまで

・・・・・・

健康な心臓ならば

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・です。

 

 

 

しかし

 

 

 

コーブド型の T の時期は

・・・・・・

 『早期再分極』『脱分極異常』 からくる処理しきれない電気による 『混乱』 の真っ最中。そんな折にこの予期せぬ電気刺激が加わわるもんだからそこの作業員たちはたまったもんじゃないダッシュダッシュダッシュ

 

「まだやること残ってんだっつ~のピリピリ

「余計な仕事なんか出来るかっつ~のハッ

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

しかし自分のとこではもう処理しきれないのは分かっているからお隣の細胞にも助けを求めるんだけど

・・・・・・

お隣さんも事情は同じで

・・・・・・

その向こうのお隣さんも・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

その次も・・・・・・

 

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

 

で・・・ついに

 

あ~~もう無理や ガーン

処理出来んもやもやもやもやもやもや

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ごめんやで~ガーン

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

終わりや~」」」」」

 

パックパックパック

。。。。。

』』』』

・・・

::

 

炎

炎

炎

 オーバーヒート

炎炎炎ダッシュ

や~~~

ガーン

!!!

 

 

 

 

心臓の特質のひとつとして、一つの “ドックん!”の形を隣の心筋に伝播させる仕組みがあるそうで、一つの所でこの「オーバーヒート」が起きてしまうとその形のまま伝播して行き心臓全体がその状態になってしまうとのこと。

 

 

別な表現をすると

 

 

休憩時間始まりのチャイムが

今まさに鳴っているのに

 

「こっちの仕事もしとけや!」

「休んでんじゃね~ぞ!」

と上司からパワハラを受けて

ドンッ

 

「自分の仕事だってたまってるのに

やってられッか!畜生~!」

ドンッ

 

とぶち切れたあげくに

ドンッ

周りの皆を集めて

 

 

爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾

 

ストライキだ~

 

爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾爆弾

!

 

 

 

 

 

 

 

 

ということ

 

・・・・・・・かな。。。。

 

 

 

 

 

あくまでも私の解釈です。

 

 

 

 

 

通常時の心電図 ---------------------------------------------------

組は側の、組は側の心筋の収縮活動)

 

 

 

 

 

 

コーブド型の心電図 --------------------------------------------

 

 

 

 

 

 

コーブド型に期外刺激が加わると ----------------------

 

 

 

 

そしてもうひとつの心臓の特質、これはサドルバック型がブルガダ症候群と診断されない理由となることですが、電気刺激により一度動くように指令をうけた心臓はその “ドックん!”の最中( P~Tの前まで )は、他のどんな電気刺激も絶対に受け付けないということ。この時期のことを心臓の 「不応期」 と言うそうです。

 

心臓は一度“ドックん!”が始まると最強の防衛ラインをはるそうです。

 

 

と言う事は逆にそれが終わると全ての刺激を受け付ける時間(T~次のPまで) ということ。

ここにブルガダ症候群の問題が存在しているようです。

 

 

この時期のコーブド型は「早期再分極」からくる大きな電位差による不安定な状態が「脱分極異常」のために長引いている時。つまり長引いている分、心室細動の引き金となる期外収縮(期外刺激)を受けやすくなっているからその発生の危険性を格段に高めていると言う事。

 

これがコーブド型がダメだよと言われる正体のようです。

 

 

 

ちなみに心室細動を発生させてしまうタイミングの期外収縮のことを 「トリガー不整脈(引き金となる不整脈)」 という表現をしている文献もあります。(…文献1 文献2 等)
 
 
 
 
 
 
 
そしてサドルバック型のこと。
 
サドルバック型は「脱分極異常」は無いので T の部分は正常。「早期再分極」によるおおきな電位差はありますが、その時期はこのあらゆる電気刺激をはじき返す時(不応期)なので、期外収縮が襲ってきても心室細動の引き金とはなりえない。これがサドルバック型がブルガダ症候群との診断にならない根拠です。

 

 
 

 

あくまでも全て私の解釈です。

 

 

 

 

 
 

 

 

 

3)  検査で状況は判明する

 

私の 「失神と思われる」 症状に対する

原因究明の結果

ブルガダ症候群に対して

全てが陽性となってしまったので

「心原性意識喪失」 の認定となり

「ICDの適応」 となりました。

 

今まで私が

 

「失神と 思われる 」

 

と記しているのは

 

その出来事の記憶と感覚が私には一切なく

前後の体調不良も全くなかったので

 

  ”失神” 

 

などと認識することなど

当然無かったからです。

 

全ては周りの人からの伝聞。

 

EPS検査の時

心室細動からの回復後に先生から

「以前の時と似ていませんか」

と聞かれても

 

その心室細動自体の記憶も感覚も

 

”何も無い”

 

瞬時に場面が変化していること以外

「何も無い」 としか言いようがない。

「何も無い」 のはその前後も含めて・・・

 

このEPS検査時の心室細動についても

先生から言われてはじめて

 

そうだったんだ

 

と事後認識したに過ぎない。

 

もし仮に先生が私に何も話してくれなかったら

心室細動が起きたことすら

私は一生知ることは無かったでしょう。

 

それほどに私には

 

「何も無い」

 

 

EPS検査の時の記事

 


私の若いころの

数秒から数十秒の意識喪失は

周りの人からしたら

「いきなり白目になって突っ伏したけど

元に戻ったらケロッとしている」。

 

そんなとこらしい。

 

「胸が痛い」

「めまいがする」

「吐き気がする」

「フラフラする」

そんな前駆症状や後遺症状など何も無く

悪いことにその症状が出るのはかならず

椅子(車を含めて)や床に座っている時とか

ソファーに寝転んでくつろいでいる時とか

 

周りの人からしたら

 

「何グダグダしてんだよ笑い

 

となってしまうのも当たり前かな。

 

 

 

当時妻からは

妻の話を聞いている時に

いきなり私が意識がなくなるもんだから

 

「なんでそこで寝る!!!」

「今話してたじゃん!!!」

「失礼にもほどがあるわよドンッ

 

と何度か言われたことが・・・・


でも私には

 

突然切れだした妻の様子を

理解するだけの根拠が何もなかった

 

本当に瞬時に妻がそうなったことが

理解できなかった・・・・・

 

私からすると

「今ちゃんと聞いてたじゃん」

なっッ・・・何で・・・何???

 

・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・

 

先生がおっしゃられるには、

 

「(心臓起因の)失神とはそういうものです。

失神ですから・・・・」

 

(勿論、前症状や後遺症状がある心臓起因の失神はあります。むしろそっちの方が多いんでしょう。)

 

 

病名は違いますが、やはり意識喪失の原因が判明して、PM処置にて最悪の事態を回避出来たとの記事を読ませていただいたことがあります。しかし私にとってこの記事が印象的だったのは、その方の意識喪失時の経緯が私が経験したものととても近いものだったので、昔のおかしな感覚を抱いた私の過去のわだかまりが数十年たった今ようやく解けた気がしました。
 

 

 

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

 

 

『 ブルガダ症候群 』

 

 

心臓自体にも冠動脈にも

全く問題なし

普段はいたって元気で

前振りの症状も何もない。

 

 

でも心臓止まってしまう

。。。。。。

 

しかも

寝てる間に・・・

ご飯食べてる時に・・・

お酒飲んだ後に・・・

のんびりした時に・・・

 

常に泳いでないとダメな回遊魚のように

休むんじゃないよ

 

とでも言いたいのかと

ひねくれてしまうほど

ほんとにふざけた病気

.........。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれっ?て思う程度の症状でも

お心当たりの方

どうか検査受けてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

周りの方で

おかしいぞと思う方には

検査を勧めて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

状況さえ分かれば

最悪の事態を防ぐことが

可能になるものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現代医学がなんとかしてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうすれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生どうとでも楽しめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎回長い記事にお付き合いいただき

本当にありがとうございます。

 

 

 

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たびたびですが全ての記事は私の「私見」ですのでご参考程度にとどめてください。正確な情報は先生や文献・データなどよりご取得ください。

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参考にした文献・サイト

 

日本循環器学会 ガイドライン

日本不整脈心電学会

国立循環器病研究センター

慶応大学医学部

岡山大学循環器内科

関東学院大学学院保健センター

防衛医科大学

東海大学医学部 「日内・日差変動」

東海大学医学部 「心室遅延電位の活用」

東邦大学医学部 「心臓突然死のリスク層別化」

旭川医科大学 「遺伝性不整脈症候群」

EM Alliance 「28歳男性の失神症例」

J-Stage 「12誘導ホルター心電図の有用性」

徳島県 森医院

日本心臓財団 「心電図用語集」

心電図マイスターチャンネル 「早期再分極症候群」

心電図マイスターチャンネル 「ブルガダ症候群」

米山喜平先生 「不整脈のいろいろ」

米山喜平先生 「心内心電図 EPS検査」

日本集中治療医学会 「発熱を契機とした心室細動の例」

埼玉不整脈ペーシング研究会 「発熱時のブルガダ様心電図変化」

日本人間ドック学会「心電図」

******************************
 

ハート先生の心電図教室「心室期外収縮」

トーアエイヨー 「やさしい心電図の見方」

メディカルノート「房室ブロック」

心臓性急死研究会「RonT型PVC誘発の心室細動」

トーアエイヨー「RonTからの心室細動」