神対応のガソリンスタンドのスタッフ:ミルテンベルク | それでも旅に行きますか?

それでも旅に行きますか?

旅行での失敗談、体験談そして、感じたことを綴ってます。海外でも、日本でも「暮らすように旅をしたい」と願ってます。その土地の人とのふれあい、感じた思いを共有できたらなっと思っています。

英語が通じないガソリンスタンドのスタッフ。私は、もう何も考えられない。連れは、「バーを探そう」っとガソリンスタンドを出ようとしていた。

 

すると、奥のレジで対応を終えた、もう一人の女性店員さんが、私と対応しているスタッフに声をかけた。するとその女性は、「どうしたの?」っと私に英語で話しかけてくれた。

 

よかった、英語が話せる人がいた。私は、気を取直して、彼女に、再度、英語で説明。タクシーを至急呼んでほしいとお願いした。

 

ここからの彼女の対応の早いこと、早いこと。

 

すぐ、どこかに電話をかけてくれた。彼女の電話している後ろ姿を見ていると、声は聞こえないけど、その様子は、「急いでいるのよ!!」って言ってくれているような気がする。

 

そして、電話が終わると「今すぐタクシーが来るから、」っと彼女は言った。

 

ありがたい。

 

でも、今までの経験上、ドイツの「今すぐ」は、どのくらいの時間を指すのだろう。日本の「今すぐ」と一緒なのだろうか。それとも、他のヨーロッパ諸国のローカルタイムと一緒なのだろうか。

 

っと今(2020年)は、こう思うけど、その時は、彼女の「今すぐ」を信じた。

 

そして、「信じるものは救われる。」とはまさしくこの事。

 

本当にすぐタクシーが来た。うろ覚えだが、多分、5分も待っていないと思う。

 

日本の「今すぐ」よりよっぽど早かった。参照:連れ、後日談③

 

やってきたタクシーの運転手に、彼女はえらく激しい身振り手振りをつけて、話している。タクシーの運転手は、彼女に「わかったよ」みたいな態度だ。

 

早く、タクシーに乗らなきゃ!!

 

でも、私も日本代表、旅人のはしくれ!!!

「受けた恩は忘れずに!」がモットーだ。お礼は確実にするよ。

 

このバタバタの中、車に乗る時、私は、彼女に5ユーロを手に握らせた。真心には、真心で!!って思うけど、この状況で、感謝を表すのに、現金以外思いつかない。そして、ぎゅっと手を握った。

 

ガソリンスタンドから、タクシーが発車。連れと私は、「はぁ~」っとタクシーの中で、ため息をついた。なんとかなりそうだ。

 

さて、サブマネージャーに連絡しなくちゃっと思ったら、その瞬間、サブマネージャーからメッセージが届いた。

 

サブマネージャー:「今、どのような状況だ」

       私:「タクシーの中」

サブマネージャー:「本当か?」

 

~ 間・間・間 ~

 

サブマネージャー:「僕たちは、君たちの到着を待つことに決めた。」

(メッセージエンド。)

 

このメッセージを見て、私は、やっと安堵した。私は連れに「待っていてくれるって」っと伝えた。

 

乗り遅れは回避したが、次にタクシー運賃の心配をした。

 

連れと私は、観光地ではあまり現金を持ち歩かない。ほぼ、カードで済ませてしまう。そのため、「フロイデンベルグ」まで、持ち合わせの金額で足りるか心配だった。だって、どの場所か、見当もつかないからね、フロイデンベルグって。

 

事実、サブマネージャーに「タクシーで来い」と言われた時、私はつかさず「現金が足りるかわからない」っと言ったぐらいだ。そのため、マネージャーは、「現金はこちらでも用意する」と約束してくれたけど、莫大な金額かかったら嫌だしなぁ・・・。

 

実際、ミルテンベルクからフロイデンベルグまでは、タクシーで15分程度。料金は30ユーロぐらいだったと思う。

 

車は、緑の多い舗装道路を滑らかに走る。そして、公園の入り口のようなところに入っていた。ゆっくりタクシーが前に進む。

 

「あっ、船があった」っと私が日本語で言うと、タクシーは、スーッと船に近寄って止まった。

 

サブマネージャーが言う通り、「フロイデンベルグ」と伝えただけで、タクシーはきちんと船の停泊場所に私たちを連れてきてくれた。観光地では、船の停泊場所は、決まっているのだろうね。

 

サブマネージャーは、笑顔で私たちを出迎えてくれた。「タクシー代は、足りた?」っと声をかけてくれたのだ、「大丈夫だった。ありがとう」と私も笑顔で答えた。

 

乗船し、乗客は誰もいないレセプションの前を通り過ぎる。ただ一人、レセプションの女性が仕事をしていた。私が「遅れてごめんね」っと言うと、「問題ないわ」っと言ってくれた。

 

乗船時刻は、17時28分。

 

いつも時間など確認しないのだが、レセプションの女性の後ろに、時計が飾ってあった。

 

過ぎてしまえば、何のことはないが、怒涛の30分だった。

 

では。