「なぜ、日本人は日米開戦を歓迎したのか。。。」 | 我ここに在りてここに無し

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青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。




絶対的排日移民法の成立が、日本の対米感情を一変させた。
すでにアメリカの排日運動は20年近く続いていたのだが
日本人の心には、どこかアメリカに対する期待や信頼があって、
この法律制定までは反米的な主張は少なかった。それが、
これ以来、アメリカに対する感情はまったく逆転する。
たとえば、三宅雪嶺は「日本人はヨーロッパよりもアメリカに
学ぶべきだ」と繰り返し主張していたほど、アメリカに好感を
持っていたが、そのような人でさえ、この排日法を見て
「アメリカは利害次第で何をやるか分らない国だ」と思うように
なってく。

まだ、財界の長老であった渋沢栄一は、「アメリカは正義の国、
人道を重んじる国であると、年来信じていたカリフォルニアで
排日運動が起こったときも、それは誤解に基づくものだと
思ったから、自分なりに日米親善に尽力したつもりである。
ところが、アメリカ人は絶対的排日法を作った。これを見て
私は何もかも嫌になった。今まで日米親善に尽力したのは、
何だったのか。『神も仏もないのか』という気分になってしまった」
というようなことを述べていた。

このとき感じた日本人の゛怨念゛が、そのまま日米開戦に繋がる
と言っても過言ではない。戦後出版された回顧録などには
「日米開戦を知って『これは大変なことになった』と思った」と
いうようなことが書かれてある。

その一方で当時の日本人が「これでスカッとした」という感情も
抱いたことを言わねば真実を語ったことにはならない。
開戦当時の新聞を見ればそれはすぐに理解できる。
このとき大新聞の紙面を埋めたのは「これで長年のモヤモヤが
晴れたような気分です」というコメントで一杯である。
こうした感情は誰もが感じていたものであり、シナ事変反対派の
岩波茂雄も日米開戦を歓迎し、長与善郎という白樺派の作家も
「痛快」と言っている。

なぜ日米開戦を知って、多くの日本人がそのような感情を抱いたかと
言えば、その淵源は大正13年の「絶対的排日移民法」にあると
言っても過言ではない。だか、ことの現在の親日、知日アメリカ人
でも理解していないような人が多い。現に日本人を一人も受け入れない
法律を作っていながら、ヨーロッパからは毎年何十万人もの移民を
受け入れていたのだから人種差別以外の何物でも無いのだ。

追い詰められた日本に対するイメージは、昭和の前期と後期では
180度違っている。戦前に日本人にとってのアメリカとは、
「日本人を侮辱する人種差別の国」であり、いってみれば少し前の
南アフリカ共和国のようなイメージであった。
しかもアメリカに日英同盟を解消させ、さらにはABCD包囲陣を作り
日本を経済的に封鎖し、鉄鉱石一つ、石油一滴入れないようにした。

言うまでもないが、石油や鉄が無ければ、二十世紀の国家は存続しない。
それをまったく封じてしまおうと言うのだから、これは日本に「死ね」
と言っているに等しい。これによって日本は瀕死の状態に陥った。

最初海軍は対米戦争をやる気がなかった。禁輸によって石油の備蓄を
食い潰すしかないという昭和16年になって、初めて開戦を決断する。
山本五十六でさえこの頃には「海水から石油が採れる」という詐欺師に
騙されたほど、追い込まれていた。

さらにアメリカは日本に追い撃ちをかけるように「ハル・ノート」を
突きつけてきた。これはそれまでの日米のプロセスを一切無視し、
日本政府が呑めるわけがない要求ばかりを書き連ね、実質的な最後通牒
と言ってもいい。

実際、後に東京裁判のパル裁判官はアメリカの現代史ノックを引用して、
ハル・ノートのような覚書を突きつけられたら「モナコ国王やルクセンブルグ
大公国でも、アメリカに対して戈(ほこ)を取って立ち上がるだろう」と
言っているが、まさにそのとおりである。

人間関係でも同じことだが、たとえ相手に非があったとしても、あまり
追い詰めるのはよくない。追い詰められれば、どんなに大人しい犬で
あろうとも、牙を剥き出して反撃してくるだろう。


排日移民法を作り、のちには石油を止めた。真珠湾には大艦隊を終結させた。
息が止まる寸前まで首を絞め、かつ、ナイフをちらつかせて脅したのと
まったくおなじことではないか。

いじめられた日本にも「ああした方がよかった。こうしなければよかった」と、
今に思えば、もっとうまくやる方法があったかもしれない。しかし、過剰な
日本叩き。日本がナイフを持ち出したのも無理はない。

戦争は独りで起こせないもの。

日本の指導者が愚劣で、闇雲に大戦を始めたというのは、東京裁判史観である。

日本の首脳が日米開戦を避けようと懸命の努力をしていたことに疑う余地はない。



著:渡辺昇一「かくて昭和史は甦る」

一部省略改変








戦争は起こしてはならぬもの。
今の日本人の感情を重ねるのは
間違いだろうか?

近隣諸国(二つ)よ。
あまり日本を追い詰めない方が
いい。壊となり意志を戈に
変えかねない。

平和が嫌なら、他でやってくれ。
過去が好きなら、現在に持ち出すな。
歴史の延長戦に生きる人間の
明日を奪おうと言うなら
まず、自らの思想、主義を顧み
自戒することから始めるべき。

一方的な幻想を吹聴する姿勢は
国内外ともに自粛して欲しい。