-本田圭佑さんの言葉が、60代の私の心にも響いたー
「負けた……」その瞬間、胸がいっぱいになった
2026年ワールドカップ、決勝トーナメント。
日本代表は、優勝候補とまで言われていたブラジルを相手に、最後まで堂々と戦い抜きました。
結果は1対2。
試合終了の笛が鳴った瞬間、テレビの前で思わず肩を落としてしまいました。「あと少しだったのに」という悔しさが込み上げてきたのです。
きっと同じ気持ちで画面を見つめていた方が、日本中にたくさんいらっしゃったのではないでしょうか。
世界最強クラスと言われるブラジルを相手に、日本は決してひるみませんでした。何度もチャンスを作り、守備でも粘り強く食らいついていました。
だからこそ、「惜しかった」という思いで胸がいっぱいになったのです。
その試合をNHK BSで解説していたのが、本田圭佑さんでした。
試合中は「ワオ!」「マルキーニョス、うざいって!」といった、本田さんらしい飾らない言葉が次々と飛び出して、思わず笑ってしまった方も多かったと思います。
でも、私が本当に心を動かされたのは、試合が終わったあとに語られた言葉でした。
思わず笑ってしまう「本田語録」
その話に入る前に、少しだけ本田さんの解説そのものについて触れさせてください。
今回のブラジル戦では、本田さんらしい言葉がたくさん飛び出しました。
「1にワオ、2にワオ、3にワオ。」
「マルキーニョス、うざいって!」
「血圧が上がってるかもしれないです。」
テレビの前で、思わずクスッと笑ってしまった方もいるのではないでしょうか。
でも、これはただ面白いだけの言葉ではないと思うのです。
たとえば「マルキーニョス、うざいって!」という一言。これは決して相手選手を悪く言っているわけではありません。それほど守備がうまく、攻撃する側からすれば本当にやりにくい、嫌な存在だということを、本田さんらしい言葉で伝えていたのだと思います。
難しい専門用語をたくさん並べられるよりも、こういう言葉の方が、ずっと心にすっと入ってきます。サッカーに詳しくない私のような者でも、「なるほど、それほどすごい選手なんだ」と、自然に理解できるのです。
専門的な知識を持ちながら、誰にでもわかる言葉で語れる。それも、本田さんの大きな魅力なのだと感じています。
「負けたから全部ダメ」ではない
そして、試合後の解説です。
本田さんは、まずこう話しました。
「負けは負け。結果がすべて」
勝負の世界ですから、それは紛れもない事実です。本田さん自身、現役時代に世界の舞台で、勝つ喜びも負ける悔しさも経験してきた方です。だからこそ、結果を軽んじるようなことは言いません。
でも、そのあとに続けた言葉が、私の心に深く残りました。
「負けたからダメだった、という話だけではない。感情的にならず、冷静に分析したい」
この言葉を聞いたとき、思わず「そうだよなあ」と、一人で頷いてしまいました。
私たちは、何かに失敗すると、つい、その一回だけで自分のすべてを否定してしまいがちです。
仕事でもそうです。
面接に落ちれば、「自分はもう必要とされていないんだ」と思ってしまう。
挑戦して結果が出なければ、「やっぱり自分には無理だったんだ」と決めつけてしまう。
でも、本当にそうでしょうか。
今回の日本代表は、長い時間をかけて、安定した戦いができるチームへと成長してきました。強豪国と互角に渡り合える力を、コツコツと積み上げてきたからこそ、あのブラジルをあそこまで苦しめることができたのです。
その積み重ねまで、「負けたから全部ダメだった」と切り捨ててしまうのは、あまりにもったいないことだと思いました。
選手は誰よりも一番悔しい
試合が終わると、私たち見ている側は、つい「あそこでシュートが決まっていれば」「あの失点さえなければ」と言いたくなってしまいます。
でも、そんなことは、選手自身が誰よりもよくわかっているはずです。
ピッチに立って、全力を尽くしていたのは選手たちです。誰よりも悔しい思いをしているのは、紛れもなく彼ら自身です。
だからこそ、本田さんは「感情ではなく、冷静に見てほしい」と語りかけたのだと思います。
もちろん、反省すべき点はあるでしょう。改善すべき課題もあるはずです。
でも、それと同じくらい、ここまで成長してきたことも、ちゃんと認めてあげたい。
ブラジルを相手に、ここまで戦い抜けたこと自体が、日本サッカーにとって決して小さな成果ではないはずです。
応援する私たちの方にも、結果だけでなく「成長を見つける目」が必要なのかもしれない。
そんなふうに思いました。
私も就職活動で何度も落ち込んできました
実は、本田さんのこの言葉を聞きながら、私は自分自身の仕事探しのことを思い出していました。
60代になってから仕事を探すというのは、決して簡単なことではありません。
応募しても、返事が来ないことがあります。
書類選考で、あっさり落ちてしまうこともあります。
面接まで進んでも、その先の採用には至らないことも、何度もありました。
そういう経験を重ねるたびに、「もう年齢のせいなのかな」「自分はもう必要とされていないのかもしれない」と、気持ちが沈んでいく日が正直何度もありました。
不採用通知を受け取り、しばらく動けなくなったこともあります。
封筒を開けた瞬間、すべてを否定されたような気持ちになって、その日一日、何もする気が起きなくなることもありました。
でも、こうして振り返ってみると、私は何もしてこなかったわけでは、決してなかったのです。
履歴書を何度も書き直しました。
職務経歴書の表現を、自分なりに工夫し続けました。
パソコンのスキルを学び直しました。
これまで挑戦したことのない職種にも、思い切って応募してみました。
結果だけを見れば「不採用」が並んでいます。確かにそうです。
でも、その過程まで、まるごと失敗だったとは、私はどうしても思いたくないのです。
日本代表が積み重ねてきた、何年にも及ぶ努力と比べることはできません。スケールはまったく違います。
でも、「結果が出なくても、努力は次へとつながっている」という、その一点だけは、同じなのではないかと思うのです。
本田さんだからこそ、伝えられる言葉だった
本田圭佑さんは、誰よりもワールドカップという舞台を知っている方です。
選手として世界を相手に戦い、勝つ喜びも、負ける悔しさも、骨の髄まで経験してきました。だからこそ、感情だけで語ることをしないのだと思います。
試合前にも、本田さんはブラジルの強さを冷静に分析していました。「一つのミスが、すぐに失点につながる」「攻撃は最後までやり切ることが大切」と語っていたのを覚えています。実際、その分析どおりの、緊張感あふれる試合展開になりました。
経験を積み重ねてきた人の言葉には、確かな重みがあります。
だから私は、「結果だけで判断しない」という本田さんの言葉が、サッカーの世界だけにとどまらず、私たちの日常の生き方にも、そのまま通じるものだと感じたのです。
私たちも「結果だけ」で自分を評価していないか
私たちは、毎日のように何かしらの結果を求められています。
仕事の成果。家事の出来。人間関係がうまくいっているか。子育ての結果。
思うようにいかなかった日は、「今日の自分はダメだった」と、つい自分を責めてしまいます。
私自身、一人暮らしをしながら仕事を探していると、一日中誰とも話さず、求人サイトを眺めながらため息をつくだけの日があります。そんな日の夜は、決まって自己嫌悪に陥っていました。「今日も何も進まなかった」「私は何をやっているんだろう」と。
でも、一日だけで人生が決まるわけではありません。
一回の失敗だけで、その人の価値がすべてなくなるわけでもありません。
今日できなかったことが、明日できるようになるかもしれない。
日本代表が、長い年月をかけて少しずつ力をつけてきたように、人もまた、ゆっくりと、けれど確かに成長していくものなのだと思います。
だから私は、本田さんのこの言葉を、サッカーの話だけではないと思いました。
私たちの人生にも、そのまま当てはまる、大切な考え方だと思ったからです。
「結果」ではなく「積み重ね」を見る
私たちは、つい誰かと自分を比べてしまいます。
「あの人は、もう次の仕事が決まったらしい」
「あの人は、いつも前向きで、うまくいっているように見える」
そんなふうに思ってしまうことが、私にも何度もあります。
でも、その方がそこへたどり着くまでに、どれだけの努力を積み重ねてきたのかは、外からは見えません。
結果だけを見比べてしまうと、自分だけが取り残されているような、置いていかれているような気持ちになってしまいます。
けれど、本当に大切なのは、毎日の小さな積み重ねの方なのだと思うのです。
一歩でも前に進めたなら、それは立派な成長です。
すぐに結果が出なくても、続けていくことで、少しずつ景色は変わっていきます。
今回の日本代表の戦いは、そのことを、私たちに静かに教えてくれたような気がしています。
まとめ|負けても前へ進める人でありたい
ブラジル戦は負けました。
それでも日本代表は、世界の強豪と互角に渡り合えるところまで、確かに成長していました。それは紛れもない事実です。
本田圭佑さんは、敗戦の直後だったからこそ、「感情的にならず、冷静に見よう」と私たちに呼びかけました。
その言葉は、サッカーだけにとどまらず、私たちの日々の暮らしにも、そのまま当てはまるものだと感じています。
失敗した日があってもいい。
思うようにいかないことがあってもいい。
大切なのは、その経験から何を学び、それを次にどう活かしていくかです。
私も60代になり、「もう遅いのかもしれない」と思ってしまう瞬間が、正直あります。
それでも、小さな挑戦を続けています。
ブログを書き、求人に応募し、新しいことを少しずつ学んでいます。
結果がすぐに出なくても、その積み重ねは、きっと未来のどこかにつながっていると、今は信じています。
今回のブラジル戦は、日本代表だけでなく、一人暮らしで仕事を探し続ける、私自身の背中も、そっと押してくれた試合でした。
結果だけで、自分を責めない。
うまくいかない日があっても、立ち止まらず、少しずつ前へ進む。
そんな生き方を、これからも大切にしていきたいと思っています。
