昨年11月のブログ更新より、3ヶ月が経過してしまいました。
当ブログは都合により、今期の渓流釣りシーズン中に記事掲載ができずにおり、来期までのオフシーズン内に全ての釣行記の記事更新を目指しておりましたが・・・、年末年始から現時点に於いても公私共に忙しく、ブログに手を付ける余裕が生まれたのも2月に入ってからでした。
こうした状況を踏まえて、秋田県の渓流解禁日3/21(土)まで残り1ヶ月であり、平成31年/令和元年の全ての釣行記を更新するのは、極めて困難との判断に至りました。
ただし、貯めていた記事が幾つかありますので、数を減らして、来月の解禁日までに更新を目指して参ります。
何卒、御容赦願いたく存じます。
この記事は昨年の平成31年4月20日(土)のことです。
パートナーズの忠さん(佐藤 忠雄さん)が主宰する『山女魚乃忠学校』に於ける登校として、忠さんとAgiさん(佐々木 明さん)と3人で、馬場目川水系へ釣行致しました。
この週の中盤に忠さんから「もう再来週には馬場目川の大会につき、下見をするなら次の土日しかないので馬場目川へ行かないか」とのお誘いを頂き、同じ考えでおりましたので、4/20(土)の釣行が決まりました。
ここまでの天候は概ね曇り時々晴れで、雪代次第の状況でした。
釣行前日にAgiさんも参加できることとなり、私の家に集合して、私の車1台で行くことにしました。
朝一の保呂瀬の堰堤です。
雪代色に見えますが、発電所の放水が少ないのか、そんなに水量が多くはなさそうでした。
来週の大会を踏まえて、先ずは各ポイントの水況と道路状況を下見しました。
上流も雪代は多くない感じで、暖冬につき積雪は少ないのですが、林道には転石や倒木があったりなかったりと様々です。
上流域では、エサ釣りの方の姿が見えました。
諸々の条件から判断して、朝一の沢を選択して、いろいろありつつで入渓点に到着しました。
ここまでの道中に車輪の跡はなく、"我々が一番乗りだろう"と、意気揚々と入渓しました。
4/20(土) 五城目町 馬場目川水系
天候くもり時々晴れ、気温7℃、水温6℃、水位 平水で濁りなし
入渓点に魚の反応が見られませんでした。
そして、何の反応が見られないまま、暫く進みました。
"はて・・・?"
やがて、林道の橋が見えてきました。
魚影の薄さから退渓の判断もありうる状況でしたが、更に先に進むことになりました。
橋より先の沢の地形は、極端に沢幅の狭いトオラズとなっており、通行の是非は、流木の流れ着き具合と水量次第でして、不安を覚えつつ後ろを付いていきました。
何とか岸壁伝いにここまで来ましたが、目の前に大きな段差が現れました。
忠さんとAgiさんは、この写真撮影位置から飛び跳ねて、無事に着地しており、忠さんが笑顔で「跳ねるしかないよ」と仰いました。
しかし、御二人と違って私の体重は重く、それを支える足腰に不安がありますので、仰るとおりにはいきません。
なるべく着地点へ近づき、膝を曲げて腰を降ろし、着地の衝撃が弱まる様にして飛び降り、幸い、足首・膝・腰に衝撃なく着地できました。
水平・垂直共に約1.5mくらいの1:1の落差で、どうしても斜めに飛び降りる格好であり、垂直に降りるのに比べて不安定要素が大きくなります。
身体を痛めて動けなくなる可能性を考えると、その場合は脱出は不可能な地形にて、一人なら即回避の状況でした。
無事に降りられて安堵したのも束の間、眼前は大場所です。
Agiさんのキャストに期待が高まりました。
過去の釣行では、必ずと言って良いほどに8寸以上のイワナらしきチェイスがあります。
そうして繰り出されたAgiさんの1投目でしたが・・・、反応なしです。
2投目以降も同様で、ここまで足跡らしきは見られなかったのですが。単に魚が低活性なのか、釣り人が入っていたのか、いよいよ判らなくなってきました。
次もトオラズですので、また岸壁を渡らなければなりません。
三者三様を御覧下さい。
忠さんの身体能力は御見事で、片手にロッドを持ちながら、危なげも無く渡っております。
私は樫の杖で川底を探りながら進みましたが、幸いにも比較的浅いところを見つけることができて、比較的安全に渡ることができました。
ここまで辿り着ければ、あとは何とか進むことができます。
大会の参加者であれば、一度は目にされたであろう、激戦区の幻想的な光景です。
その先の大場所でも無反応・・・
滝の上へ進みますが、ここでも無反応・・・
更に先に進もうと、Agiさんが川を横断していると、上流を見上げて指を指しました。
「おや、人が居だ!」
見るとエサ釣りの方でした。
振り返ると、ここまでの地形は岩盤主体で足跡が付きにくく、この先行者の方の存在に、全く気付くことができませんでした。
これを以て我々は退渓となりました。
林道に戻っても車や車輪の跡はなく、我々の林道一番乗りは間違いありません。
車までの道中で三人で考えたのですが、実はこの地点より3㎞ほど離れたところに、五城目町営の宿泊施設「盆城庵」があるのですが、そこに関西方面のナンバーの車が駐車されていたので、"この時期に、遠路はるばる、わざわざここに泊まったとすれば、釣り人だろうな・・・"と話をしておりました。
仮にそうだとすれば、行きは延々と川を釣り上り、帰りは林道を登り降りしながら、数時間掛けて、歩いて帰ってこなければなりません
実際のところは判りませんが、熊も冬眠を終えている時期ですので、凄い気力と体力を要することなのですが、馬場目川には、それだけの魅力があると言えるのかもしれません。
車に戻って、次の手を考えました。
○○と△△が通行止めで、□□のあとに向かうとなれば、残るは◎◎しかありません。
その◎◎も林道に入ってから先がどうなっているのかは、行ってみなければ判らないのですが、最後の選択肢でしたので、道路状況を慎重に見極めながら車を進めました。
何とか辿り着いた林道入口に積雪は無く、乗り上げればパンク確定の転石や窪みを交わしつつで、沢の近くの林道が少し広くなった駐車帯まで辿り着きました。
しかし、林道脇の沢が道を浸食して深い溝になっており、通行を断念して、そこに駐車しました。
時刻は11時半、午後の区間をこの先とするのか、別の沢とするのかの判断のため、駐車地点から下見に入りました。
打合せなく、入渓点から忠さんは下流へ、Agiさんは上流へ向かいました。
忠さんの脚が速く、どちらに着いていこうか迷っているときに、すぐ上流にいたAgiさんから"ヒット~!"の声が挙がりました。
慌てて近づいてみると、7寸のヤマメでした。
右側に見える流れ込みの深みからヒットされたとのことで、またしても登校一発目の釣果は、Agiさんにより挙がりました。
御見事!
私から忠さんへ、Agiさんのヒットを大声で伝えたので、間もなく忠さんが戻ってきました。
下流には反応が無かったとのことでした。
少し上流のこのポイントでも、小さい1尾ながらもチェイスがあり、これにて忠食として、午後はこの先へ向かうことになりました。
正午、車に戻ってカップラパーティー&ベトナム産コーヒーによる忠食にしました。
午前中もいろいろありましたし、川の状況や、それを踏まえての大会に向けての戦略、そして仲間内のことや地元話などなど、いつもの忠食どおり、大いに盛り上がりました。
13時過ぎ、Agiさんのヒットポイントより、少し上流から入渓しました。
最初のポイントで私の1投目に反応はなく、2投目は上流からダウンで攻めようとしましたが見えない枝に掛けてしまい、忠さんに代わってもらいましたが無反応でした。
ここで忠さんのキャストに、ようやく反応が見えました。
河原に積雪が残っておりました。
忠さんに2回目の反応がありました。
気温・水温共に低く、魚の低活性の様です。
川の中央の岩山により、川が二又に分かれて、緩流帯のある深みが縦に二つ連なるポイントです。
忠さんの指示で、私がこの写真のポイントで、Agiさんは、この上流のポイントに別れて、共にダウンでキャストすることになりました。
岩山を登ってキャストしようと構えたところで、上流のAgiさんから「ヒット~!」の声が挙がりました。
私のキャストに反応はなく、Agiさんのところへ駆け寄ると、ヒットしたのは5寸のヤマメでした。
下流から深い筋を通そうとした1投目の、着水後すぐにヒットしたとのことです。
その後、しばらく反応がないまま釣り上り、やっと反応が見られた次のポイントで・・・、
忠さんのダウンクロスの一投目に、6寸ヤマメがヒットしました。
その後は私が先攻で進み、徐々に5~6寸くらいのチェイスが見られたのですがヒットできません。
忠さんから私へ「ここは流れと平行して対岸際が最も深い筋なので、クロスの位置からレンジキープドリフトさせてごらん」との指示です。
しかし、ロッド操作とラインスラッグが適性を欠き、ドリフトさせられませんでした。
見かねた忠さんが「ロッドを貸してごらん」と、私のロッドでパートナーズDVDと同じ動きのレンジキープドリフトをキャストして頂きました。
直後に私が再挑戦するも、同じように操作できず、忠さんが「ここでアギ-の登場だ。上級生としての手本を見せてくれ」と指示されました。
照れくさそうにAgiさんがキャストすると、ロッドの操作が忠さんと全く異なるのですが、ルアーの動きが忠さんのレンジキープドリフトと全く同じでした。
忠さんが「さすがはアギ-だ!」と嬉しそうに仰いました。
ロッド操作が違うことに驚いたことを伝えると、忠さんは「重要なのはルアーの動き」と仰り、Agiさんは、またも照れくさそうに「・・・まあ、この場合はロッドを立てた方が操作し易いなや」とのことです。
ワサビとニオが出始めておりました。
杉が数本まとめて流された感じの大場所が現れました。
複雑なICと根やら枝やらで難しい地形でしたが、果敢にAgiさんがキャストすると7~8寸の反応が見えました。
しからばとアングルを変えて2投目を繰り出しますが、押しの強い流れによりルアーが根に引っかかり、私が腰まで浸かってルアーリターンで回収を試みましたが、途中でラインが切れて断念しました。
先週の釣行で初使用だったパールホワイトのDeepKissでしたが、仕方がありません。
その後もチェイスがありましたが、このくらいの深さでも追いが鈍い感じでした。
15時20分、入渓点から約1.3㎞を釣り歩き、川が林道に近づいておりました。
そして忠さんが「ここで上がるか」と仰りました。
最後の大場所につき、この撮影位置より下流から私がアップとアップクロスで2投したのですが無反応でした。
忠さんは私が届かなかった写真右側の流れ込みをチェックしてから、Agiさんと一緒に対岸へ渡りました。
歩速の遅さで御二人と離れた私は、御二人がこの写真のアングルからダウンでキャストしていないことに気付き、この立ち位置より少し右側から対岸へキャストしました。
すると間もなく、ロッドが撓って力強い引きがあり、やがて黄色い大きな腹が水面を割りました。
「よし、尺イワナか!」
暴れるイワナと逆流に対して必死に足下まで引き寄せようとしましたが、途中からテンションが弱まり、やがて視界に川面から枝が現れて、その枝にラインが引っかかっているのが見えました・・・
「何だこれは!?」と分析する余裕もなく、魚まで2mもなかったので「ロッドにテンションが掛からない=網ですくうしかない」との咄嗟の判断で、慌ててネットを手にして捨て身の体勢で魚をすくおうとしました。
しかし、何とか枠内に入ったものの、フックへのテンションも緩んだために直前でフックが外れてしまい、表層の水流の強さもあって、網から溢れるように魚は下流へ逃れていきました。
足場が斜面にて、私はそのまま体勢を崩して転倒してしまい、対岸の深みへ流されてしまいました。
20mほど先へ進んでいた御二人が、私が転倒した音を聞いて血相を変えて駆けつけてくれました。
頭が少し浸かる形で2mほど流されましたが、首からの浸水量は僅かで、腰に差していた杖を使って、何とか自力で立ち上がることができました。
寒さによる重装備のおかげですが、仮に単独行&夏場の軽装という状況でしたなら、ウェーダーへの浸水により深刻な事態に至る可能性がありました。
御二人に経緯を説明したところ、忠さんが「その魚は9寸とか尺というレベルではなく、2尺もあるモンスターイワナだったから引きずり込まれたのではないか(笑)」と仰り、一同大笑いとなりました。
まぁ、御二人からは遠目に、川に半身浸かって流されそうな私が、その様に見えたのでしょうな。
原因となった小枝は、バラシのあとでも流されることなく、見事に水面からそびえ立っておりました。
私の宿命です。
これにて納竿となりました。
道路端の名を知らぬ草ですが、若芽が実にキレイでした。
杉沢集落の桜を見ると、咲きかけのつぼみがありました。
この日は一日中肌寒く、この時点の外気は11℃です。
昨年の大会では咲いてくれた杉沢のソメイヨシノですが、果たして来週の大会までに咲いてくれるのか・・・
こうして、来週の大会に向けた下見ができました。
大会間近の馬場目川の水況や林道の積雪は毎年一定とはならず、その年ごとの降雪量と4月の寒暖によりますので、実際に来てみないと判りません。
下にある大会ポスターに記載されておりますが、この大会は時間の制約がありますので、その成果を大きく左右するのが、各林道の積雪・転石・倒木・崩落により、どこまでの範囲で釣りが可能なのか、且つ、定刻までに帰ってこられるか、に掛かっております。
成魚放流が全く無い天然魚のみを相手に、エサ・ルアー・フライの釣種を問わず、雪代が読めない早春に開催されているところが、この大会の難しさであり、面白さかと存じております。
今期は無釣果のままで大会を迎えることになりました。
その意味では、この日の最後に大イワナをバラした感触を得たのは有り難いことでした。
そして、この下見を以て、今大会に於ける、己なりの戦略の軸が、ある程度は定まりました。
あとは、大会まで残り一週間の、天候の変化を捉えるのみです。
毎年の参加しておりますので、近年は、あまり気負いとか緊張感を覚えなくなっておりますが、前年からの実績の成果を試す場となりますので、体調を崩すことがないように、備えて参りたいと存じております。
・・・として結んだ釣行記でした。
以上です。