電車は俺を地元駅から13区間先の見知らぬ土地へと運んだ。
駅に降り立った瞬間、森林の香りがした。
つまり田舎町って訳だ。
見渡す限り緑、緑、緑…
目の保養になるな。
「あたし達のお店この辺りにあるから。」
改札を抜け、駅の外へ出た。
夏の陽射しが暑い。
帽子持ってこればよかった…。
「あ、でも部屋に入ってたら爆発してたんだよな…?」
「え?何か言った?」
「いや、独り言。」
地元ではまだ羽化していない蝉が、ここでは盛大に雑音ハーモニーを奏でている。
畦道をしばらく歩き、彼女は立ち止まり
「ここよ。」
と指差すその先にあったのは、…なんていうか、“いかにも”って言葉が似つかわしい建物だった。
“エンジェルランド☆イキイキヘブン”
と夜になると恐らく光り輝くであろう看板を掲げるピンク一色の建物。
田舎町にナンセンスな彩色だ。
「入って。」
彼女は自動で開く、スモークされたドアをスタスタとくぐり抜けた。
とても入りづらいが…
「おじゃましま~す…」
控え目に来店した俺に、エアコンの冷たい空気が出迎えてくれた。
駅に降り立った瞬間、森林の香りがした。
つまり田舎町って訳だ。
見渡す限り緑、緑、緑…
目の保養になるな。
「あたし達のお店この辺りにあるから。」
改札を抜け、駅の外へ出た。
夏の陽射しが暑い。
帽子持ってこればよかった…。
「あ、でも部屋に入ってたら爆発してたんだよな…?」
「え?何か言った?」
「いや、独り言。」
地元ではまだ羽化していない蝉が、ここでは盛大に雑音ハーモニーを奏でている。
畦道をしばらく歩き、彼女は立ち止まり
「ここよ。」
と指差すその先にあったのは、…なんていうか、“いかにも”って言葉が似つかわしい建物だった。
“エンジェルランド☆イキイキヘブン”
と夜になると恐らく光り輝くであろう看板を掲げるピンク一色の建物。
田舎町にナンセンスな彩色だ。
「入って。」
彼女は自動で開く、スモークされたドアをスタスタとくぐり抜けた。
とても入りづらいが…
「おじゃましま~す…」
控え目に来店した俺に、エアコンの冷たい空気が出迎えてくれた。