てっきり俺は、UFOかアジト的な地下シェルターに連れ込まれると思ったが、そんなことはない。
今俺がいる場所は鉄のレール上を鉄の車輪で走る、電車の中だ。



「…エリオネットってのも、宇宙人なのか?」

俺は先程の話を続けた。

「そうです。エリオネットという資源にとても恵まれた惑星に住む人達です。」

資源にとても恵まれた、か。
某国が聞いたら飛びつきそうだな。

「そいつらの爆弾をほったらかしにしても大丈夫なのか?」

「いえ。爆弾処理班を手配させましたから。」

なら安心だ。
あんなボロアパートでも大事な我が家だからな。

「…で、アヤミちゃん達はなんていう惑星から来たの?」

「はい。コリン星です。」

「……………。」

ふざけてんのか?

「安心してください。テレビに出てるあの方はれっきとした地球人です。」

いや、
そうじゃなくて…。

「知ってました?あの方、不思議ちゃんキャラで我々視聴者を偽ってるのですよ!どうしてエルスの人達は嘘ばかりつくのですか?」

俺が質問されちゃったよ。
まぁいいや。

「君たちは嘘をつかないのか?」

質問を質問で返してやろう。

「はい。あたし達コリンは絶対嘘は言いません。アキトさん、あなたも昨日あたし達に嘘をつきましたよね?」

え?
ついたっけ?

「自覚がないのですか!?ホント、エルスって恐いわ…。」

彼女は軽蔑の眼差しで俺を見る。

「アキトさん、あなたまだ18歳でしょ?」

あっ!
思い出した!

「俺、昨日電話注文で23歳だって偽ったわ。」

「ホンっト最低です。」

だって君らのお店、20歳からだもの…

「でもな」

俺は彼女の薄いブルー色の瞳を見て言った。

「人間、時には嘘をつかなきゃいけない場面だってあるんだよ。」

18年しか生きていない世間知らずの若造の言うことだが、これは確かなことだ。

それを聞いた彼女は

「デリヘル呼ぶことが嘘をつかなきゃいけない場面だと言うの?」

いいえ
スミマセンでした