2日間じっくり箱根駅伝を観戦。
今年は例年にも増して面白かったですね。
東洋大、ダークホース的な存在でしたが、見事な初優勝。
見所たくさんありました。
まず、往路ではやはり、
5区の山登り、スーパールーキー柏原君の胸をすくようなぶっちぎり快走。
しかし、この時には、
今年たまたまいい選手が入ったことによる、ラッキーの往路優勝だろう、
きっと復路は早稲田にやられるだろう、と正直思っていました。
ところが、東洋大をなめていましたね。すばらしいチームでした。
特に9区の巧妙な駆け引きは秀逸で、解説の瀬古さんも舌を巻いていました。
9区はトップで襷がわたっていましたが、数十秒後には早稲田が迫っているという状況。
普通なら最初から飛ばして引き離しをかけなくてはならない。
ところが、
東洋大の大津君の入りはスローペースで、一時は早稲田に5秒差まで追いつかれる。
この時、私はこの選手は力が足りないのかと思っていました。
瀬古さんも「何かアクシデントがあったのでしょうか。遅すぎます」とコメント。
しかし、これは巧妙な作戦でした。
わざと相手に追わせて疲れさせたところで、登りを利用して引き離し。
追いつかせてまた引き離すという心理的はプレッシャーも与え、
10区に渡すときには差は1分半になっていて、
9区で逆転を考えていた早稲田は、ここで構想が崩れ、二度と追いつくことはありませんでした。
なんてクレバーな、そして大胆な作戦。
ここでこの箱根駅伝復路の勝負が決まりました。
今年最後の出場となるオリンピック選手を擁し、昨年果たせなかった総合優勝をねらって万全の体制を立ててきた強豪早稲田。
かたや優勝経験一度もなし、特に実績ある選手もなし、そして昨年の不祥事で12月に監督辞任という土壇場の東洋大。
「持てるもの」が早稲田とすれば、東洋大はまさに「持たざるもの」。
今回の東洋大には、「持たざるものの強さ」を教えてもらいました。
来年、ディフェンディングチャンピオンとなる東洋大がどんな走りをしてくれるのか、
もう今から楽しみです。
■今日の一福
金融不況の今は、「持たざるもの」にチャンスがある時代。箱根駅伝の東洋大のように。