シャープが液晶工場を一部閉鎖し、380人の派遣社員を削減するという。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200812120041.html
そういえば、今年の10月、関西の製造業に取材に行ったときに、同行していただいたコンサルタントの方が、
「あれだけ好景気だった液晶が、秋になってからぱたっと売れなくなってきて大変な状況になっている」と言っていたのを思い出した。
派遣社員の方には本当に気の毒だが、
会社としては、ラインが動いていないのに人だけ置いておくわけにはやはりいかない。
クビを切られるほうもつらいけれど、切るほうは切るほうでつらいだろう。
不況なのは製造業だけではない。
小売業では、イトーヨーカ堂が現金キャッシュバックしたりジャスコが半額セールしたりの捨て身の集客作戦に出ている。儲けを減らしてでも客が来ないよりはまし、ということなのだろう。
身近な例でいえば、あるIT企業の社員の方は、「この頃めっきり仕事が減って、やることないんですよ。いつリストラされるかひやひやで」と言っていた。
また、不動産業界のある知人は、入社したばかりの会社が業績が急激に悪化たため、退社してフリーになったそうだ。
ある中堅ファンド会社は、給料が出ておらずカウントダウンだという噂も流れている。
しかしみんなが不況かというと、一方で、景気のいいところはすごくいい。
たとえば同じ製造業でも、先日取材をした京都のメーカーは、環境がらみの製品で、規制ができたことで製造が追いつかくなり工場も増設した。
ニーズのあるニッチな産業で、独自の技術があるところはだいたいそんな感じである。
そういうところはだいたい会社の規模が小さく機動力があるので不況に強い。
「ニーズ」「ニッチ」「技術」「機動力」
このあたりが、「不況に強い会社」のキーワードなのではないかと私は思っている。
だから逆に言えば、
このキーワードさえ押さえれば、この不況は逆にチャンスだと思っている。
おかげさまで弊社は弱小ではありますが、
あまり不況の影響を受けずに売上は右肩上がりだ。
お客様事例制作は、ニーズがあって、かなりニッチ。
これまで100以上作っているので、
技術のナレッジは相当たまっているし、機動力、ああ任せてください、という感じ(笑)。
機動力について言えば、
気をつけていることは、固定費を最小限に抑えること。
固定費が多いと、どんどん会社の動きが重くなり、新しい挑戦はしにくくなる。
だから、長い目で見て、
今固定費を抑えることが、今後会社を強くしていくためのポイントだと思うので、
現在、事例ライター、Web制作、すべて在宅ワーカーにお願いし、人件費を固定費にせず「変動費」にしている。
昨日も非常に優秀な事務仕事のSOHOワーカーと契約した。
「子供を産んだ女性は仕事をするな」と言わんばかりの日本のアホな制度と職場の不寛容のせいで、
優秀な女性がごろごろ家庭に埋まっている。
家庭は、実は「宝の山」なのだ。
彼女たちを発掘していい仕事をしてもらうこと。
これが、うちのような小さな会社にとっての大事な「人材戦略」だと思っている。