チェーン日記とは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の日記機能で、特定の内容の日記が利用者間で連鎖的に繰り返し投稿され、広まっていく現象。また、そのようにして投稿された日記。


 2006年6月、国内大手SNS「mixi」の日記上で、「『○○』というタイトルの日記にコメントすると個人情報が漏洩する、友人に注意を促してください」といった事実と異なる内容の日記が掲載された。この日記を見たユーザが善意で自分の日記に同様の内容を掲載し、それを見たユーザがさらに自分の日記に同じ内容を投稿し…というサイクルを繰り返して、一日と経たずに数千件の連鎖投稿が発生するという事件が起きた。


 チェーン日記は古くから電子メールによるコミュニケーションで問題となってきた「チェーンメール」(chain mail)のSNS日記版とも言える現象で、特徴の多くが共通している。


 チェーン日記の発端となる人は、悪意を持って虚偽の内容を掲載し、広まっていく様子を愉快犯的に楽しむ場合もあるが、何かで困っている人や団体への援助の呼びかけなど、まったくの善意で真実の内容を掲載し、それが広まっていく場合もある。


 いずれにせよ、いったん連鎖反応的に広まり始めると、途中で内容がずれていって事実と異なる状態のまま一人歩きしたり、内容に関連する人物や団体への問い合わせが殺到して迷惑するといった悪影響が出る恐れがある。このため、たとえ(元の)内容が真実・善意に基づいたものであっても、不特定多数へ連鎖反応的に呼びかけるようなやり方は取るべきではない。

 短縮URLとは、長いURLを短く表記できるよう、そのURLにアクセスが転送される短いURLを提供するサービス。また、そのようなサービスで作られた短いURL。


 短縮URLは書き込みに字数制限のある掲示板やブログなどのサービスで長いURLを含む文章を投稿したいときなどに使う。元のURLを短縮URLサービスに登録すると、20文字程度の短いURLが生成される。そのURLにアクセスすると元の長いURLに転送される。

 タブブラウザとは、複数のWebページをタブを使用して切り替え、1つのウィンドウで複数のWebページを見ることができるWebブラウザ。


 一般的なWebブラウザでは、新しくページを開く際に画面上に新しいウィンドウが作成され、ページを開く回数が増えてくると、画面上にブラウザウィンドウがあふれ返り、操作が面倒になってしまう。


 これに対し、タブブラウザではウィンドウは常に1つしかなく、新しいページを開く際にはウィンドウ内にタブでの切り替えが可能なページを順次作成する。このため、タブブラウザでは画面上にWebブラウザのウィンドウが大量に生成されることはなく、他のアプリケーションのウィンドウとWebブラウザのウィンドウが重なって操作がしにくくなるといった問題は起きない。


 主なタブブラウザとしては、Opera Software社のOperaが以前から知られているが、Mozilla.orgが開発しているMozillaにもタブブラウザとして使用できる機能が搭載され、Mozillaベースで開発が行われているNetscape 7にも同様の機能が搭載されている。このほか、Internet Explorerのブラウザ機能をベースにしたタブブラウザが、Windows用のオンラインソフトとして公開されている。

 タグクラウドとは、コンテンツやURLなどをタグと呼ばれる単語や短いフレーズで分類しているサービスやサイトにおいて、利用されているタグを一覧表示したもの。また、そのような表示方法や、表示するためのツールなどのこと。


 クラウド(cloud)とは「雲」「大群」などを意味する英単語で、多数のタグが集まった様子を言い表している。


 タグは利用者が自由にいくつでも付けられるようになっている場合が多いが、タグクラウドは様々な項目に付けられたタグを抽出した一覧である。人気の高いタグや利用頻度の高いタグは大きなフォントや太字、色付けなどで段階的に強調表示するようになっているものが多い。


 人気のサービスではサービス全体のタグクラウドはタグの数が多すぎてすべてリストするのは現実的でないことがあるため、利用頻度が一定以上のものだけを表示するように制限していることが多い。

 タギングとは、ファイルや情報にタグ(tag)と呼ばれる短い単語やフレーズを付けて整理する手法。検索や一覧を行なう際の手がかりとする目的で用いられ、「アノテーション」(annotation)とも呼ばれる。また、HTMLやXMLなどのマークアップ言語を用いて文書内に段落やレイアウトなどを示す情報を埋め込むこともタギングと呼ぶこともあるが、この用法は稀である。


 テキスト(文字)主体の情報は、コンピュータで全文検索を行なったり、ある程度意味に応じて分類を行なうことは容易だが、画像や動画、音声などを含む様々な情報を効率よく検索したり分類したりすることは難しい。こうした雑多な種類のデータやファイルに、人の手を介して効率的に検索・分類のための情報を付加するのがタギングの手法である。


 タギングを用いる場合、ある情報を見た人がその内容に関連する情報を短い単語やフレーズとして付け加えることで、検索や分類の手助けとする。たとえば、ある動画に「スポーツ」「世界水泳」「2007年」などのタグが付加されていれば、検索キーワードが「スポーツ」でも「世界水泳」でも「2007年」でも見つけ出すことができる。


 音声ファイルの一形式であるMP3ファイルでは、「ID3タグ」という形でタギングが行なわれており、曲名やアーティスト名など様々な情報から曲を分類したり検索したりできるようになっている。


 近年では、インターネットで公開されている膨大な情報に対して、大勢のユーザが集まってタギングを行ない、その情報を共有することで、迅速かつ効率的に情報を分類・検索する手法が注目を集めている。こうした、Webサイトなどで大勢のユーザがそれぞれ付けたタグを共有する手法を「ソーシャルタギング」という。ソーシャルタギングは、動画投稿サイトで動画の内容を表すために付けたり、ソーシャルブックマークサイトでURLの分類に用いられたりしている。

 ソーシャルブックマークとは、よく使うサイトのアドレスを登録しておく「ブックマーク」「お気に入り」をネットワーク上に保存し、他のユーザと共有するサービス。


 Webブラウザのブックマーク機能とは別に提供されるが、ユーザはツールバーなどを使って通常のブックマークと同じ感覚でサイトを登録することができる。ブラウザのブックマークはそのコンピュータでしか見られないが、ブックマークサービスに登録した自分のブックマークはインターネットにつながっていればどのコンピュータからでも閲覧できる。


 ソーシャルブックマークは単純なオンラインブックマークサービスとは異なり、多くのユーザでブックマークを共有し、分類や人気度、コメント、解説などの情報を付加していくことに主眼が置かれる。特に、最近のサービスでは分類に従来のWebディレクトリのような固定的・階層的な分類法ではなく、ユーザが自由に設定できる「タグ」と呼ばれる単語やフレーズを利用しているものが多い。ユーザは登録時に一つのアドレスに複数の任意のタグをつけることができ、また、複数のユーザが一つのアドレスにタグをつけることができる。これにより、自分と同じ感心を持つユーザのブックマークを閲覧したり、自分の思いつかなかった切り口の共通点により新しいサイトを発見することができる。

 ソーシャルタギングとは、公開のWebサイトなどで、集積された一つ一つの情報に対して個々のユーザが短いフレーズや単語(タグと呼ばれる)を付加して整理することにより、効率よく分類や検索が行なえるようにする手法のこと。動画投稿サイトで動画の内容を表すために付けたり、ソーシャルブックマークサイトでURLの分類に用いられたりしている。


 ファイルや情報にタグ(tag)と呼ばれる短い単語やフレーズを付けて整理する手法は「タギング」と呼ばれ、様々な種類の情報やファイルが混在している場合などに、検索や一覧を行なう際の手がかりとする目的で用いられる。


 ソーシャルタギングはユーザ投稿型のWebサイトなどで用いられ、集積された一つ一つの情報に大勢のユーザがタギングを行ない、結果をすべてのユーザで共有する。一人一人のユーザによるタギングの結果が集積されるため、サービスの運営側や特定のユーザが多大な労力を払うことなく情報の分類が行なえ、それを利用した検索が可能になる。また、多くの人の見方を組み合わせることにより、検索や分類が迅速かつ柔軟に行なえるようになる。


 たとえば、動画投稿サイトに投稿されたある動画に、あるユーザが「スポーツ」、別のユーザが「世界水泳」、また別のユーザが「2007年」といったタグを付加すれば、あとから動画を検索するユーザは、検索キーワードを「スポーツ」にしても「世界水泳」にしても「2007年」にしても、その動画を見つけ出すことができる。


 ソーシャルタギングは、Web上の情報に対してメタデータを付加する行為といえる。メタデータによる検索という概念は古くから存在したが、Web上にコンテンツを公開しているユーザの協力が必要な点が問題となり、普及の障害となっていた。ソーシャルタギングは、個々のユーザが行なうタギングを集めることで、この問題に対処している。


 ソーシャルタギングでは、タギングを行なうことでそのコンテンツを他のユーザに紹介するという側面もあるため、Web上にコミュニティを形作る一種のソーシャルネットワーキング的なサービスとも言える。趣味嗜好が似ているユーザを「お気に入り」に指定し、そのユーザのタギングを追いかけるといったサービスも行なわれている。

 全文検索とは、文書に含まれるテキスト全体を対象とする検索のこと。


 データベースやWebページの検索では、見出しや著者など文書に含まれる特定の要素のみを対象に検索する場合と、文書に含まれるすべての情報を対象に検索する場合がある。後者を全文検索と言う。検索範囲としては最も広く、最も「漏れ」の少ない検索方法であるが、逆に細かい条件を指定しにくく絞り込みにくい方法でもある。

 セマンティックWebとは、Webページおよびその中に記述された内容について、それが何を意味するかを表す情報(メタデータ)を一定の規則に従って付加することで、コンピュータが効率よく情報を収集・解釈できるようにする構想。インターネットを単なるデータの集合から知識のデータベースに進化させようという試みがセマンティックWebである。


 現在のWebページはHTMLなどを用いて記述されており、ページやその中に記された個々の情報について、それが何を意味するのかコンピュータが自動的に検知する術がほとんど無く、情報の検索や活用がごく原始的・単純なレベルに留まっている。セマンティックWebでは、情報を記述する際に必ずそれが何を意味するかを表すデータを付与することで、より複雑で精度の高い検索を可能にしたり、特定の種類の情報を収集して活用することができるようになる。


 セマンティックWebの世界では、WebページはXML(HTMLをXML標準に対応させたXHTMLを含む)によって記述され、その中にRDFというメタデータの記述言語を用いて情報の意味を埋め込んでいく。メタデータで使われる語彙や分類体系、言葉の相互の関連などの構造はOWLという言語で記述する。これらの技術はWWWに関する技術の標準化を行なうW3Cによって標準化の作業が進められている。

 セッションとは、WWWにおけるアクセス数の単位の一つ。「ビジット」とも呼ばれる。Webサイトを訪れたユーザがサイト内で行なう一連の行動をまとめて1セッションという。同一のユーザが短時間の間に何ページ読み込もうと、セッションは1である。同一のユーザでも、ある程度間隔が開いた場合は、新しいセッションとしてカウントする。どのくらい開いたら新しい訪問とみなすかについてはいろいろな基準があるが、Web測定の代表的な企業であるInternet Profiles社が採用している30分が、事実上の業界標準となっている。