タギングとは、ファイルや情報にタグ(tag)と呼ばれる短い単語やフレーズを付けて整理する手法。検索や一覧を行なう際の手がかりとする目的で用いられ、「アノテーション」(annotation)とも呼ばれる。また、HTMLやXMLなどのマークアップ言語を用いて文書内に段落やレイアウトなどを示す情報を埋め込むこともタギングと呼ぶこともあるが、この用法は稀である。
テキスト(文字)主体の情報は、コンピュータで全文検索を行なったり、ある程度意味に応じて分類を行なうことは容易だが、画像や動画、音声などを含む様々な情報を効率よく検索したり分類したりすることは難しい。こうした雑多な種類のデータやファイルに、人の手を介して効率的に検索・分類のための情報を付加するのがタギングの手法である。
タギングを用いる場合、ある情報を見た人がその内容に関連する情報を短い単語やフレーズとして付け加えることで、検索や分類の手助けとする。たとえば、ある動画に「スポーツ」「世界水泳」「2007年」などのタグが付加されていれば、検索キーワードが「スポーツ」でも「世界水泳」でも「2007年」でも見つけ出すことができる。
音声ファイルの一形式であるMP3ファイルでは、「ID3タグ」という形でタギングが行なわれており、曲名やアーティスト名など様々な情報から曲を分類したり検索したりできるようになっている。
近年では、インターネットで公開されている膨大な情報に対して、大勢のユーザが集まってタギングを行ない、その情報を共有することで、迅速かつ効率的に情報を分類・検索する手法が注目を集めている。こうした、Webサイトなどで大勢のユーザがそれぞれ付けたタグを共有する手法を「ソーシャルタギング」という。ソーシャルタギングは、動画投稿サイトで動画の内容を表すために付けたり、ソーシャルブックマークサイトでURLの分類に用いられたりしている。