あるアイテム数の超多い商品の販促ポータルサイト構築プロジェクト | 結構実用的なwebプロデューサーのブログ

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Webプロデュース進行中です!先方担当との苦いやり取りや、こんなの納得いかないよ、ってことを書いちゃいます(笑)

こんばんは。


今日はクライアントの案件ではなく、数社と共同で進めているプロジェクトの定例会で、増上寺大門のすぐ近くのA社まででかけてきました。


プロジェクトの詳細については、まあたいしたことはないのですが、あるカスタムメイド商品のC向け販売ポータルサイトの構築運用です。このサイトにはメーカーがスポンサーとして多く協賛していますが、これまでと違うのは売上からコミッションを取るのではなく、広告掲載料だけで運営する点にあります。

よってサイトコンテンツはもちろん、利用者ひとり一人に合った商品を提案する「コンシェルサービス」など、様々な工夫とアイディアで利用者を各メーカーの販売サイトへ誘導します。


もともとこのプロジェクトは、業界で旧タイプのポータルサイトを運営していたA社の社長が、トップメーカーのマーケティング部の部長であり、現在生産者団体でシニアコンサルタントとして業界に影響力の大きいM氏に、サイトの建て直しを依頼したことからはじまりました。

私達はかつてM氏のメーカーサイトのWeb構築のお手伝いをした経緯があり、今回、IT開発のオブザーバーのような立場で参画するよう声をかけていただいたわけです。実際の作りこみはA社のスタッフが行いますので、私達は口先でいいたいことを言っていればいい立場です(笑)


定例会のメンバーは、A社が40代後半のIT関連風の社長と30代のかなりおっちょこちょいな女性制作ディレクター、小太りのSE、それになぜかA社の関連会社の人間でITに強いらしい相談役のような男性が1人。コンサル会社はM氏のみ。わが社は私とSEの2人。いつも5~6人です。


本日の議題は、「商品の検索機能を設けるかどうか」でした。う~ん、今さら。。という感じですが。

これまで検索機能はなく、「マッチング診断」という切り口で、利用者にアンケート形式の設問に答えていただき、合致した商品を案内していました。商品は有象無象あり、利用者は能動的に「探す」行為に及ばないという仮説を立てていたのです。変な仮説ですが。。

しかし、トップページに陳列した売れ筋や新着商品のアクセスはまずまずなのに、「マッチング診断」の利用が予想より全然少ないという、まあ当たり前といえば当たり前の結果になってしまいました。診断の中身や、ユーザビリティの問題もありますが、そもそも利用者がサイト側の「提案」を受けたいと思ってるのかどうか根本的な問題に回帰しました。「コンシェル」がサイトの目玉なのに、利用者にスルーされているという事態です。


コンサルのM氏は、利用者は素人だから、プロが商品を推薦するのがベストバイを発生させるという信念があります。そのロジックをシステムで実現したいという、理想です。これはある意味正しいと思います。

しかし、ユーザビリティの他にも、サイトの認知度、信頼性、訪問した利用者の検討段階(モチベーション)などいろんな要因が重なって、そういったコミュニケーションツールが利用者を振り向かせないのが実際のようです。


ある醤油メーカーがmixiでレシピ投稿に絡めた販促イベントを企画したところ反響がふるわず、Facebookではレシピに関する情報提供はしないことを決めた、などと最近ある情報サイトに掲載されてました。食品メーカーといえばレシピは王道ですが、今後それをしないぞということで、取り上げられていました。

適当なことはいえませんが、醤油を知らない人はいないとしましょう。でも醤油を出発点に献立を決めたりあれこれとレシピを探索するでしょうか。しょうゆが残ったから、「明日はおでんか魚の煮物にしよう」とは思わないでしょう。

レシピサイトといえば「味の素」のようにステータスになっている場合を除けば、調味料それ自体を食べたいという発想は当たり前の話ないし、私達はそこにそれほどのこだわりはありません。ただ、料理を引き立てるという点で重要だと考える人は多いでしょうから、レシピが検索されたとき、「薄口醤油」とか「体にいいしょうゆ」など一緒に上位に上げ、サイトに誘導する施索は有効でしょう。


ですから、訪問した利用者に、「あなたに合ったのはこれです」とか「こう使いなさい」、もいいですが、お客様のモチベーションをもう少し考えていろんな切り口で商品を見せるよう考えたほうがよかったんだと思います。私達のプロジェクトの話ですが。


で、何がいいたいかというと。。


検索機能は設けることになりました。

A社の社長とコンサルM氏の議論が要件定義にいたるまで約3時間に及び、A社の30代の女性ディレクターは花粉症なんでしょうか。小さい顔にでかいマスクをしていたんで気が付かなかったんですが、ずいぶん長いこと居眠りしてました。社長はそれに気づいていたのであとで怒られたかもしれませんが。。