BSで「ドアーズ」の特集を見ていた時でした。
「ライト・マイ・ファイアー(ハートに火をつけて)」を唄う、「ホセ・フェリシアーノ」の最近の画像が流れました。
涙ちょちょ切れのシーンでした。
「ホセ・フェリシアーノ」は、1945年、カリブの島国、プエルトリコで生まれた天才ギタリスト&シンガーです。
彼は、先天的緑内障のため、生まれた時から両目が不自由でした。
その代わりに、耳(音)に対する感性が並外れて素晴らしかったのです。
3才の頃から音楽に目覚め、9才の頃には、ギターはもちろん、マンドリン、バンジョー、ベース、キーボード、アコーディオンを弾きこなすほどになっていました。(もちろん、全て独学です。)
初めて買ったギターは、当時で10ドルだったそうです。
そして、毎日14~5時間もギターを弾き続けたといいます。(学校はどうしたのかなあ?)
21才の時、アルゼンチンのミュージック・フェスティバルに出場、そこで演奏を聴いていたRCAのレコード・プロデューサーの目に留まり、契約を結びました。
1968年、「ドアーズ」の曲、「ハートに火をつけて」をカバーしないかと、プロデューサーから勧められます。
ドアーズのこの曲、1965年にヒットしましたが、オリジナルは「ロック」なんですね。
それを、彼は、アコースティックギターとコンガ、ベース、ストリングスのみの演奏でカバーしたのです。(ドラムは入っていませんでした。)
発表するや、全米チャートの第3位となる大ヒットを記録しました。
ちなみに、この時ベースを弾いていたのが、彼のギターにぞっこんだったジャズ界の大物、「レイ・ブラウン」でした。
この曲、その年のグラミー賞の「最優秀男性歌手」と「最優秀新人歌手」の2部門を獲得しています。
カバー曲の多いフェリシアーノですが、彼の凄いところは、カバー・バージョンが、オリジナルを超えてしまうところにあります。
例えば、レイ・チャールスのカバー「アイ・ゴッド・ア・ウーマン」、これってフェリシアーノのオリジナル?って思ってしまうほど、レイ・チャールス色が消えています。
それから、ママス&パパスの「カリフォルニア・ドリーミン」、
「ニューヨーク・ハーレムの暗い寒い場所に居ると、明るいカリフォルニアへ行ってみたいって思うよねえ」
と、フェリシアーノがスペイン語で唄っています。
彼は貧しい少年時代を過ごしてきたので、これって本心だったのでしょうね。
すっかり自分の作品にしてしまっています。(この曲、本当は、暗いイメージの内容だったのですね。)
彼は、カバーばかりでなく、オリジナルも唄っています。
この雨の時期、よくラジオから流れてくる「雨のささやき」、大好きですねえ。
彼のギターのテクニックはというと、それは凄まじいものがあります。
クラシックの名曲「熊蜂は飛ぶ」をギターで弾いていますが、その迫力にぶっとんでしまうでしょう。
それから、「ママ・ドント・アラウ・イット(だったかな?)」、
マンドリン、ハワイアン・ギター、ベース・ギター、エレキ・ギター、そして、ドラムスとパーカッションを、アコースティックギター1本でそっくりな音色で奏でてくれます。
まるでギターのマジック・ショーを見ているようで、目が点になりますね。
「ホセ・フェリシアーノ」は、今年65才になって、ちょっぴり太目になったようですが、今でも精力的に活動を続けています。
卓越したギター・テクニックと、圧倒的な歌唱力は、今なお健在です。
つづく