というのは歯科用語では抜歯(ばっし)の事です。抜糸と同じ発音ですから、抜歯の事を「エキスト」、抜糸の事を「ばついと」と私は言います。おそらく多くの歯科関係者は私と同じでしょう。
非常勤先で朝から「今日はエキスト入ってます」といきなり言われると私の血圧は上がります。未だに緊張してしまうからです。そして少し腹立たしくも思います。抜歯をするか否かは私が決める事であり患者やスタッフが決めることではありません。もっとも病棟主治医からの依頼箋があればその限りでもないのですが。がしかし最終決定をするのは術者である私なのです。
つべこべ言い訳をすると自身に自信がないのを見抜かれてしまいます。ですから無言で頷くのが精一杯。いったい卒後何年目なのか、と言われそうです。しかし抜歯には良い思いがありません。途中で麻酔が切れて大騒ぎになったり、単純な抜歯だと思ったのに抜けなかったり、出血がひどく止血に苦慮したり・・・。出来る事ならしたくない。ましてや基礎疾患があり多くの薬剤を服用しているような患者の抜歯は嫌。
もっと嫌なのは顔面外傷や急性歯性感染症(顔がバンバンに腫れる)の対応。がしかしこのようなヒトって年に数回ですから頻度は低いのです。それに対し抜歯は隔週くらいにあり、下手すると1日に3件ある事も。(続く時には続く)もっとも解剖学的な理由から上顎なら気は少し楽です。先日も抜歯が続きました。緊張の連続でした。ブロ愚には本音を書きますが、職場では当然顔に出しません。こんな時にはマスクって便利だな・・・と思いました。診療終了時に私は小さく笑ったのです。