5月6日に廃止予定だったJR北海道のローカル線の一部区間が既に廃止になっていました。驚きです。鉄道ファン歴40年の私にも信じられない異例の事だったのです。前倒し廃止という前例を見ない異常事態が生じた原因は(ヒトが集まり)新型コロナウイルス感染の拡大を抑えるため、と公式発表しているようですが本当にそれだけの理由なのか疑わしい。
廃止されたのは札幌から新十津川を結ぶ札沼線(さっしょうせん)のうち末端部の北海道医療大学から新十津川までの47,6キロ。この区間は超閑散路線で、末端の浦臼(うらうす)から新十津川までは1日1往復でした。私も何度か乗車しましたがヒトの動きがほとんどない静かでのどかは路線で、乗り鉄向きだと感じていたのです。同じ趣味のヒトと乗る時にはサッポロ・クラシック(北海道内限定販売ビール)持参したのが懐かしい。(石狩月形の温泉に行く目的で)
前倒し廃止の異常さを端的に示しているのが廃止決定から廃止日までなんと1日半しかなかったという事実。4月15日の夜に「札沼線の北海道医療大学から新十津川までの区間を予定を早めて廃止する。最終列車は17日の午前の便」と発表されたそうです。(1日1往復の区間でも廃止間際という事で臨時に午後にも1往復走っていた)
これでは首都圏や関西の鉄道マニアにとって寝耳に水でしょう。仕事をしていないヒト(大学生は春休み)でもそんなに急では現地に飛べません。せめて3日前の発表なら何とかなっていたはず。しかしこれがJRの手だと思ったのです。JRは廃止日(間際も)にマニアが現地を訪れ大騒ぎする事を嫌います。マニアの中にはマナーが非常に悪い輩も確か居る・・。
しかしこの繰り上げ廃止、新型コロナウイルスを盾にしての酷い騙し討ちだと思ってしまいました。これはマニアだけでなく沿線住民に対しても裏切り行為だと感じるのです。途中、石狩当別駅では約半世紀前に発売されていた駅弁販売を復活させ5月6日までホームで立ち売りする予定だったとのこと。企画が水の泡でしょう。公にならない事ででも沿線住民と戸惑いと失望は相当大きかったものと推測されます。
30年以上も乗り歩きし、いくつかの廃止ローカル線最終日にも私は立ち会いました。そこには独特の空気が流れ、お祭り騒ぎの中にも厳粛な雰囲気が感じられました。ところが最近のマニア気質は全然異なり、ガードマンまで出て乗客の整理をするそうです。その点にはJR側に同情します。しかし新型コロナウイルスを理由にせず正々堂々と前倒し廃止した方がすっきりしたようにも思うのですが。