口内炎→口腔癌は嘘? | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

「口内炎を放置すると癌になりますか」という質問を時々受けます。結論は「ならない」。即答できるのです。病態が全然違うのですから。がしかし、口内炎と診断された口腔粘膜病変が口腔悪性腫瘍だった症例も時々あります

 

これは矛盾している、という指摘あるかもしれません。しかし事実です。詳しく申し上げると、口腔悪性腫瘍自体には痛みや腫れがありません。しかし悪性腫瘍の進行に伴って炎症症状(痛みや腫れ)が出る場合があるのです(=随伴症状=ずいはんしょうじょう)。

 

これが口内炎=放置して癌になったという誤解の原因です。もっとも口内炎というのは慢性的に持続的な刺激が加わる故、癌の原因の1つだ・・・という事をいう「専門医」も居ます。しかし嘘と私は断言できるのです。なぜなら口内炎の一般的な病態を考えると見えてきます

 

 

口内炎は通常2週間以内に治癒します。何ら治療しなくても、人体には唾液という強力な治癒物質があるのです。そして短期間で治癒する炎症が慢性機械的刺激(=まんせいきかいてきしげき)、つまり癌を誘発する因子になりえません。口内炎と口腔癌は発生機序から考えてまったく別物なわけです。

 

以上のような理由から、口内炎は前癌病変でも前癌状態でもない、と断言できるのです。もっともこれは口腔内に限った事です(炎症が癌の要因にならないという)。胃や肝臓ではその限りでないでしょう。

 

数か月前、有名人女性が口腔悪性腫瘍と診断され、口腔癌への関心が高まったのは良い事なのか?それとも必要以上に神経質になったヒトが増えたのか?(よろしくない)。私に質問されたヒトには丁寧に返答します。

 

視診だけでなく病変部の触診も非常に重要だと考えます。「癌は硬い」。病変部を触診し同部だけが硬いと癌の疑いも出てきます。一般的に言う「しこり」。

 

どのような疾病でも神経質になる事がマイナスです。何かで読みましたが、胃潰瘍のヒトが癌と思い込み恐怖と不安な日々を送って本当に癌になった・・・・。(いつの時代にどのような経過でなったのか不明)不安と恐怖による、強烈な交感神経支配の状態が持続すると胃潰瘍でなくても癌が発症する因子になるでしょうね