前癌状態 | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

ではないか、というヒトに相談を受けました。50代の喫煙者男性です。舌側縁部に違和感と痺れ(しびれ)があるとのことで診てみました、「ニコチン性口内炎」「白板症」・・・。前者では癌化することは稀ですが後者では前癌病変といい、経過観察が必要なのです

 

視診だけではよくわかりません。私は病変部と顎下リンパ節を念入りに触診します。病変部に硬結(こうけつ=しこり)はありません。病変と正常粘膜との境界も明瞭。(どこまでが正常な口腔粘膜で、どこからが病変部かわからない場合、増殖の速い癌という疑いを持ちます)

 

白くなって痺れるという部位も正常な粘膜と同様に柔らかい。これだけで、癌の疑いが無いとは言えませんが一応の安心にはなります。白板症では癌化する可能性も高いです。これは前癌状態よりもさらに危険な「前癌病変」で、組織学的に(顕微鏡で診ると)すでに癌化している場合もあるのです

 

もちろん、視診と触診だけで確定診断できません。他にだれか居れば相談できたのですが、あいにく誰も居ませんでした。「心配ない」と断言もできない。違和感はともかく、痺れという症状では悪性を示唆しますから。

 

タバコは絶対にいけません。仮に癌や白板症でなく、ニコチン性口内炎であっても駄目。これも前癌状態の一種です。そして喫煙は口腔癌の原因の1つなのです。喫煙者のすべてが口腔癌になるわけでは勿論ありません。しかし口腔癌患者の多くは喫煙者であるという事実。(喉頭癌ではさらに喫煙の危険が高い)

 

「タバコの他に強いアルコールも絶対避けて、来週,再々度診てみる」と返答したのです。お前に言われたくないわ・・というような顔をされたのは、私のほうこそ「強いアルコール」を呑むからでしょう。(最近避けています。癌だけでなく、強いアルコールは危険ですから)

 

このような状態であっても、タバコは止められないそうです。アルコールかタバコでは前者のほうが止めやすいと言われます。タバコ嫌いの私にはわかりません。タバコなんて命をかけて吸うものなのでしょうか?やはり依存症。糖尿病のヒトが御飯やパンを食べてしまうのと同様の現象なのだと言えます