口腔内を視診すると喫煙者である事は容易にわかります。臭いや歯牙の色素沈着だけでなく、歯肉の状態が非常に悪いのです。歯周疾患は喫煙により悪化するのです。喫煙が歯周組織の免疫能を低下させ、創傷の治癒を抑制さすことが歯周疾患を進行さす要因だと考えます。
重症歯周病の7割が喫煙者と言うデータもあります。しかし喫煙者の大半がニコチン依存症です。有害性を自覚してもなかなか止められません。喫煙習慣が歯周病だけでなく、癌、心疾患、脳血管障害の発症とも深く関与しています。
喫煙者の口腔内を診る時には口腔癌にも注意しています。喫煙者の口腔癌による死亡率は吸わないヒトの3倍とされています。口腔癌(舌癌、歯肉癌等)にあっては見てわかるので検診が容易なわけです
禁煙の方法として、禁煙補助薬が有効とされています。内服薬もあり、脳内のニコチン受容体に結合し少量のドーパミンを放出さすことでニコチン様作用を発現。これによって禁煙による離脱症状を無くし無理なく禁煙できるというのです。成功率の程、存じ上げませんが。ニコチンガム、ニコチンパッチ(貼付剤)もあり、同様の作用で効果が期待できるとされています
ニコチンガムを長く使用すると再発性口内炎の原因になる場合があります。原因物質は全く違うのですが、スリランカで使用されている「噛むタバコ」では口腔悪性腫瘍の原因として問題視されています(スリランカの口腔癌患者、日本の10倍以上)。口内炎があればニコチンガム、止めざるを得ません。
喫煙者でも長生きのヒトも多い、タバコと健康に因果関係は無いという喫煙者も居ます。しかし、喫煙が様々な疾病の原因となるデータがあるわけです。喫煙者でも長生きのヒトが居るという主観的な感覚で発言に惑わされては駄目だと思います