認知症、精神疾患や重度の精神発達遅滞といった場合に口腔ケアを介助者に頼まないと自身でできないヒトも居ます。このような場合、口腔内が相当不潔になります。口臭が酷いケースも多いのです、
歯牙がボロボロであったり歯周疾患が酷く、歯が抜けている事も多い。(歯周疾患では歯牙を支える歯槽骨を破壊する。だから歯が抜けるのです)。自身でケアできないわけですから仕方ありません。がしかし、できない、で済ますわけにもいきません。汚い口腔内であれば誤嚥性肺炎をはじめ、重篤な全身症状を引き起こす場合があります。易感染(風邪等の感染症に罹患しやすい)のリスクを回避する意味でも対策が必要なのです。
例外として総入れ歯のヒト。この場合、食事時以外に入れ歯をはずしていれば口腔ケアが不十分でも口腔内は比較的綺麗です。唾液もたくさん分泌されます。
自分で口腔ケアが出来ない場合にはできる限り介助者が完璧に近いケアをする必要があります。形だけの口腔ケアでは清潔を保てません。ですから、舌や歯肉をガーゼ等で拭いてからフロスや歯ブラシを用いるべきなのです。これでも不十分な場合がほとんどです。ですから洗口剤を用いるのも方法の1つでしょう。うがい薬を綿棒で歯肉や舌に塗布すると一時的に唾液の分泌がよくなります。
いずれにしても、根本的な解決にはなりません。しかし不完全なケアを放置するよりはよほどマシなのです。認知症のヒトに対して食後や就寝時に入れ歯を病棟の看護師が管理する施設では、口腔内のケアが自身でできないヒトにあっても口腔内の状態が良好な場合が多いです。