「患者よ、癌と戦うな」の御著者、近藤誠先生(元慶応大学医学部放射線科講師)は癌に対する現在の標準治療を徹底して否定。それに関する書籍は大型書店にあふれています。
あらゆる部位の癌に対して、「本当の癌なら治療すると体力を消耗さすだけ。しかし大半は放置しても問題ない『がん もどき』」だから癌の治療は無用という考えです。そして近藤先生の影響で癌が発見されても標準治療を受けないで放置するヒトも居るようです。
この事はしばしば話題になります。癌患者でなくても、近藤先生説に興味を持っているヒトが多いようです。私自身も講義内容が「口腔悪性腫瘍」の時、学生さんから近藤先生の御著書について質問を受ける事があります。
正直、『がんもどき』という概念は私には理解し難いです。なぜなら現時点において病理学的に説明がつかないわけですから。
『がん もどき』の組織は前癌病変に過ぎないのか?それなら経過観察で良い場合と処置が必要な場合があるはずです。『がん もどき』は慢性炎症のような状態なのか?それなら画像診断や病理組織診断が誤診という事になってしまいます。
癌治療の専門家でも何でもない、基礎系研究職の歯科医が近藤先生のお考えを否定するのも気が引けました。ですから学生さんから質問を受けた場合非常に困ったのです
ところが、最近近藤先生の理論を否定する癌治療の専門家が現れました。このN先生は頭から否定されるのではなく、実に公正に客観的に近藤理論の問題点を指摘されます。
私は常に自分のアタマで物事を考えます。専門家の意見であっても鵜呑みにはしません。しかし近藤理論を理解できない(受け入れられない)疑問点について実にわかりやすく解説されているのです。十分参考にはなります
否定本が出版されたからといって、私自身の結論(もし、自分が癌になった場合の選択)は出ませんが色々考える手助けになりそうです。
大型書店の健康コーナーにあふれる書籍にどれほど信用性があるのか、見極めるのは読者自身なのです。嘘や誇張した「とんでも本」、売れれば何でも良いよいうような投げやり的な書き方の物もあります
健康関連の書籍ついて考えた場合、私は夏井先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」に出会った事は仕合せでした。そして幕内氏の「世にも恐ろしい糖質制限食ダイエット」は受け入れられない内容でした。どんな時にも、先ずは信用するのではなく、疑いから入る方が失敗しないと考えます