乳歯奥歯(乳臼歯)のカタチは永久歯(大臼歯)と似ています。学童期、乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期は苦労します。何がか、と申しますと学校検診です。
学校検診(に限らず歯科検診)では用紙に口腔内の状況を記載する方法が丁寧に書かれています。ですから、私のように診療経験が乏しい者でも記載する事は容易です。(良く変更がありますから、記入例が無いと不安)
ところが、いちばんはじめに生え変わる永久歯の奥歯と、生え変わる直前まで残る乳歯の奥歯のカタチが良く似ているのです。これが困ります
乳歯の形態を卒業してからほとんど診る機会がない私にとって、(学校検診に限らず)「乳歯」を間違って「永久歯」と判断してしまう事は恐怖です。
もし歯識に「永久歯」と記録された歯が、次回「乳歯」と判断されれば明らかに私のミスが公になるわけです。永久歯→乳歯のなる事はありえないからです。私自身、(他人の)このようなミスに遭遇した事もありますが追及する事はできませんでした。(明日はわが身ですから)
歯の生え変わる学童の歯を診る事が難しい、というと若い歯科医に笑われそうです。私の時代には卒後研修がなかったので仕方ない・・・と独り言い訳をしています。私のような歯科医が多く居るからこそ、歯科医にも卒後研修が義務化されたのかもしれません。
普段から、私は歯科医の大きな職務は「虫歯治療」よりも「歯周病の予防と治療」だと考えています。しかし乳歯は例外です。乳歯の虫歯は進行がとても早いのです。歯が脆いからです。そして下顎乳前歯を含めて全顎に虫歯がある場合には慎重な対応が必要となるのです。
(普段考える機会の少ない乳歯について考えたのは、先ほどの放射能汚染の記事を書いたからです。)