20代男性。突然の歯肉出血を主訴に飛び込んでこられた事がありました。どんどん出てきて診療台が血の海です。口に当てたハンカチも真っ赤。全顎にわたって歯と歯肉の間から持続的に出血がみられます。
即、止血剤を用いて(塗布して)止血しました。応急処置です。画像診断で原因追究はできません。
歯肉出血の9割以上が原因は歯周疾患(歯槽膿漏)です。これは原因となった歯~歯肉の間からのみ出血がみられます。全体から持続的に出る事はありません。歯周疾患で出血が見られても止血剤を用いるような事もありません。
そして歯周疾患の究極の治療法はセルフケア(歯間ブラシ、歯ブラシによる歯肉マッサージ)です。主治医は患者本人なのです。歯科衛生士に正しいケア方法を聞いて続ける事が大切なのです。怠ると治りません。又高度な歯科医療(手術)をすすめる歯科医院もありますが、余程の不自由が無い限りセルフケアの継続で十分対応できるはずです。
ところで、この症例では外傷の既往もないのに激しい出血があります。眼瞼結膜を診ると明らかに貧血である事は確かでした。血液疾患が疑われたため内科に紹介状を書きました。
歯槽膿漏由来の歯肉出血と全身疾患が疑われる歯肉出血とでは明らかに違うのです。又歯を抜いた後に血が止まらない、という相談を受ける事があります。この場合、ガーゼ等を強く噛むとほとんどの場合止まります。部位に限らず出血には圧迫止血がセオリーなのです