【歯科の話】で今朝はセルフケアについて書きました。これは多くのヒトに即実践していただきたかったからです。今後の流れとしては先ず歯科医になるまでに受ける教育内容と問題点について書いていきます。それが終了した時点で、【歯科の話・診療】を書く予定です。
歯学部は医学部や獣医学部同様に6年制です。旧帝大では最初に2年間を教養課程として歯科や一般医学に関係無い科目ばかりです。最近では1年後期から専門課程に入り、教養科目と平行して行う大学もあります。
私の出身校では1年半で教養科目と語学(英語、ドイツ語)を終わられ、2年後期から専門課程が開講されました。系統解剖学、ミクロ解剖学、生理学、生化学とはじまります。教養課程でしっかり生物学、化学を勉強していないと講義についていけません。いきなり分厚い専門書で未知の用語がでてきます。教養と専門課程の差を埋めるのは自分で勉強するしかありません。講義では日本語と同時に専門用語には英語でてきます。
3年生になると人体解剖実習がはじまります。歯学部であっても全身解剖をします。週に1回、午後1時半から長い時には20時頃まで続きます。教授以下教室員総出での指導です。ひとつのご遺体を6人で役割分担しながら続けます。はじめは相当精神的にまいりますが、数回で慣れます。解剖学実習のテキスト片手に臓器を剖出すていくのです。人体構造の神秘を感じる瞬間です。
歯学部ですから頭頚部の解剖の指導を特に念入りに受けるのです。血管や神経の走行を頭に叩きこむのですが、すぐに忘れてしまいます。中には数ヶ月たっても解剖に対して拒絶反応を示すヒトも居ます。しかし全体的に解剖実習は和やかに進められていきます。
解剖学実習の他にも、採血したり心電図を取ったりという実習も生理学であります。はじめて注射を持って隣の席のヒトの採血をする時には手が震えました。逆に私がされる場面では怖くて頻脈になっているのがわかります。採血した血液を用いて赤血球や白血球の数をカウントしたり、咀嚼力を測定したりと実習内容も広範囲となっていました。
同時に病理学、薬理学、微生物学、公衆衛生学、といった歯科と直接関係無い科目の講義と実習が出てきます。これは後期からです。これらの知識はどれも歯科医になってから必要なのですが、解剖学、生理学、生化学といった知識がないと満足に理解できないのです。しかも全体の内容に加えて口腔病理学、口腔衛生学といった歯科に特化した講義、実習も続きます。毎日9時半から5時まで講義と実習があり、帰るとレポートの山。試験は厳しく1教科でも落とすと留年で、又1から全部履修のやりなおしなのです。
さらに歯科理工学という医療というよりも工学系の講座も入ってきます。これが当時は相当厳しかったです。今となっては懐かしく、逆に工学系を専門とされる方とも話しができるので貴重な学びだったと思えます。又歯形彫刻という実習がありました。これには全く興味が持てず苦痛以外の何物でもありませんでした。これだけは今でも全く無駄な内容だったと考えています。
そしていよいよ4年生。歯科医になる事を実感するような講義と実習が始まります。さらに内容の濃い生活に突入です。続きは又金曜日の夜に書きます