一週間の最後はラテン語で終わる。この一カ月でできたいわば習慣だ。
 今日は羅和辞典という特殊なものは装備していたが、肝心な教科書を忘れてしまった。おかげで授業の価値は三分の一になってしまった。
 どの語学も練習問題や例文等でその言葉や国の文化が出るのが非常におもしろい。モンゴル語では羊肉を食ったなど非常に遊牧民的な例文があったし、ロシア語は極寒やら同志やら出てきた。
 ラテン語は訳す問題の言葉が格言みたいなのもまたおもしろい。何たらするなら何たらしろ、など非常に文語的だ。
 ようやく一週間終わって非常にホッとしているが、少しでも追いつく姿勢を見せないとどんどん引き離される。
 同時進行させ過ぎたことは頭への良い刺激になるが、若干刺激的過ぎる。身につけるというよりは見渡しに来たという方が正しい。だが決して冷やかしに来たわけではない。
 来週からはコンタクトという神器を手に入れて視界を回復する。考えただけではしゃぎたくなる。課外活動のことも視野に入れつつ、より一層来週アクティブになろうと思う。
 
 トイレについてアツく語ってしまった。夏の課題論文でのことである。おかげでクラスでのプレゼンがやりにくくて仕方がない。排泄やらお尻やらNGワードを大勢の前で連呼しなければならない。
 だから今週はレジュメを作成しなかったのだ。おかげで来月末まで話が延びた。嬉しいやら悲しいやら。
 何だかんだで皆真面目な内容ばかりだったため恐縮した。だが安心した。これでもイケる、多分。
 サンスクリット語は蒸し暑い教室の中、クーラーの冷たすぎて埃を含む清々しい風のせいで鼻が嗚咽した。
 シャーリープットラーという赤の他人が何度も出てきて戸惑った。まだメアドも聞いてない。
 続いてロシア語。遂に次回から最前列での聴講を宣告されてしまった。やれやれ。 帰ってからはぐだぐだしつつも明日のラティーノに備えた。だが、辞書の使用のみではとても文章に太刀打ちできないことを当然ながら知った。
 その前にフランス語がある。火曜日は夢の世界への旅立ちが個人的なテーマになってしまった。気づいたら11時というようなことは今後は無しだ。
 今期の語学マニアっぷりは新たな道を開拓しつつあるみたいだ。仏文、独文そして露文だ。どういう手段で侵入できるかはまだ知らないが可能性が出てきたことに喜びたい。
 
 嵐のような第3週目。火曜日は朝6時まで眠れなかった。だが結局夢の世界に旅立ってしまった。一限は9時スタートで90分。起床は11時に。見事にフランス語を玉砕してしまった。起きたときには授業も終わっていたためむしろ気分が良かった。
 翌日はモンゴル語。補習授業も含めて凡そ20時に終了。その後は地下に潜行し、阿弥陀教を求めた。これぞ三蔵法師。質が悪いと言えば、この三蔵法師、自筆の写経ではなく、コピー機という超ハイテクなものを使用した点だ。その上ギリシャ語の入門書も全てコピーした。
 ふとコピー機そばの壁を見ると、一部分のコピーでないと、著作権法違反いわば犯罪だと書かれていた。人通りも多いし、係の方に声でも掛けられはしないかと内心ビクビクしながら、クールでスピーディーにコピーを重ねた。全てはコピーしていない。大部分をコピーしただけだ。グレーゾーンではあるが、黒ではない。
 一週間も後半戦に入り、魔の木曜日がやってきた。アラビア語3週目も初めてのボス戦に挑んだピカチュウ並みに無力だった。
 ギリシャ語は相変わらず意味不明だ。アオリストの意味が未だに分からない。ギリシャ語は死の均衡に保たれている。一時間ごとに死刑が開始されるかもしれない。
 夕闇から夜への直線上にあるのがアイルランド語だ。これでようやく一日が終わる。一番気楽な時間である。もし何か語学を極めるならアイルランド語も悪くないと思う。日常生活にはほぼ使えないけど…
 木曜、金曜はスペースワールドでいうタイタンの一番高いところ、及び落下開始地点である。スタート地点に戻るにはもう少し時間が必要そうだ。絶叫しても構わないから着実に生きてゆきたい。