あるシンガポール人の心境の変化 | シンガポール~熱帯先進国から見る世界

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とある、シンガポール人の話

彼女は夫婦で会社を経営しています。
昨年、シンガポールで約15坪のオフィスを購入しました
それまでは自社オフィス用として、長らく家賃を
払っていましたが、家賃がもったいないと考えて
買うことにしたそうです。

日本円で約8000万円、30年ローン。
月々の支払いが約25万円。
それでも家賃とあまり変わらないため、購入を決断したそうです。

しばらくすると、彼女は愚痴をこぼすようになりました。
「オフィスを買ったのは良かったが、これから毎月
ローンをずっと払い続けないといけない。
仕事が無くなったら、もしものことがあったら、
どうしよう。最近は不安で夜も眠れない…。
元々夫が買いたいと言ったから買ったのに」

私はいかにも日本人らしくアドバイスしました。
「人生はリスクは少ない方が良いよ。しかも家でなく
オフィスなんて、需要が限られる可能性がある。
いざという時に住むこともできない。
最近、シンガポールの不動産価格はピークを越えたと言われている。売れるうちに売った方が賢明では?」

彼女は暗い顔で
「そうかなあ、もし困ったらおたくの会社で雇ってね…」
私「いやいや、貴方は給与高すぎるから、笑」

そんな会話をしていました。

1か月後…
私「どう?オフィスは売りに出したの?」
「うん、今、1人買ってもいいという客がいるの。
とても迷っている。売るべきかな?売らないべきかな?」
私「それはわからないけど、日本人に聞いたら、
皆売るべきって言うよ、笑」

そしてその2週間後…
私「オフィスはけっきょく売れた?」
「ああ、売るのはやめた!あれから3人も買いたいという
人が現れて、よく考えたら売ってもローン返済があるから
手元に2000万円しか残らないし、また家賃を払い続ける
のなんてバカらしいわ。hahaha...」

変わるの早っ!えっと思いました。
しかし、こういったことの積み重ねが
シンガポールの現状であり
長らく不景気に慣らされてきた日本人との違いかなと
思った出来事でした。