きもの着付とお料理教室wayoriの順子です。
少し前のことですが修了生3名に付下げのお見立てをいたしました。
修了生のお見立ては有料です。呉服屋さんはご本人希望の店舗へ参りますので、バッグ
マージン等はありませんのでご安心ください
お見立ての流れは、事前に希望を伺います。
何のために何が欲しいのか具体的に聞くことでご本人の中でも明確に見えてくるものが
あると思います。
そして、お手持ちの着物や帯のお写真を送っていただき、手持ちのどれに合わせたいのか、
または別の雰囲気が希望なのか、など細かく確認します。
時間があれば、店舗へ下見に行き、お店の方には「今日は下見であること、近日中に再訪
すること」などを話しておくとよいです。とお伝えします。
きちんと話しておけば、無理な営業はされません。
私も時間があればこっそり下見に行ったり、親しい呉服屋さんの場合は担当者に一報を
入れたりしておきます。
今回は3名でしたがお買い物を希望されていたのは1名です。
付下げと長襦袢、ご予算、手持ちの着物や帯、用途など先に伺いました。
他の1名はお子さまの祝いの席(現時点では予定なし)での装いとして色留袖をちょっと
見ておきたい。もう1名は見学して学びたい。ということでした。
ところが、見学の方も欲しいものがイメージ出来てきたようで数日前にご相談メールが
届きました。
「着物の催事があるから行ってみよう」とか「来場プレゼントにつられて行く」とか
「ふらっと立ち寄る」とか、それはそれでもよいのですが・・・。
それでは「ネギ鴨」になってしまうかも・・・
このようなときにありがちなのが「欲しいと思ていなかったけどつい買ってしまった」。
これも別によいのですが、考えなしで行って買てしまったときは「今、必要なものではない」
今じゃなくてよかったものは箪笥の肥やしになりがちです。
或いは、同じようなものが箪笥にあった―と後から気づき、「まぁ、いいか~」と気づか
なかったことにする・・・。
手持ちがたくさんあって、着る機会が多い場合はそれはそれで活躍するから気にする
ことはありませんが、そうでない場合は何十万円も払って、いつ着るかわからない着物や
帯を流れに任せて買ってしまうのはもったいないし、愛情のわき方も違います。
着物は着るだけが楽しみではありません。
私は呉服屋さんで選んでいるときからずーっとその着物が大好き、帯が大好きになって
います。
着る度に、締める度に呉服屋さんとのやりとりを思い出して、クスっと笑ったりします。
皆さんにもそのような自分だけの思い出を着物や帯に込めて欲しいと思っています
当日の流れや食事の場所はお任せしたのですが、結局、全部ひっくり返してしまいました
たくさん見て欲しいし、迷って欲しい。だから時間が掛かります。
集中力も必要だし、冷静さも必要です。熱くなったり、投げやりになってはダメ。
10代から呉服屋さん行き、数百枚の着物・帯・襦袢・コートを作ったものとしての経験です。
待合せは某百貨店の呉服売り場に10:30。
先ずは下見を60分。
希望の種類の反物を見せていただきながら、さりげなくご本人の反応を見ております。
実は初見で「これ」と私の中では決まっていたのですが敢えて違うものもピックアップします。
身体に合わせてもらって顔写りや客観的にどう見えるかを確認しておきます。
予約はしていませんが予定通りの時間にランチへ向かいます。
敢えて一旦、別の建物に移動します。
ずっと百貨店の中にいると近くのモノばかり見ているので目が疲れたり、肩が凝ったりします。
少し歩いて、違う空気を吸って、リフレッシュが必要です。
歩きながら見学予定だった方の希望を再確認しました。
ランチ中は皆さんが反物を見た感想をさりげなくチェックしてから、作戦会議。
また呉服売り場に戻って、合わせ比べをします。
同じような地色でも柄によって雰囲気が変わるし、帯でも変わります。
私は最初からお勧めしたい着物も帯も決まっていましたが皆さんには勉強のため比べて
見て感じていただきました。
長襦袢は今じゃなくても良いので帯をいろいろ合わせていただきました。
![アップ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/173.gif)
![アップ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/173.gif)
![音譜](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)
見学予定だった方にお勧めした着物も私の中では一択で決まっていました。
しかし、この着物の良さがわかるのは通です。
ご本人も最初は迷っていたと思いますし、合わせる帯も手持ちの中ではどうだろう
帯まで買うのは考えていないし・・・っていう感じではなかったでしょうか。
特選コーナーに通好みの洒落袋が10cmくらい見えていて、即「あ、コレだわ」と私は
思ったのですがハードル高いかなでも、いつかこの素敵さがわかって欲しいとの思いで
合せるだけ合わせて見てもらいました。
その帯は私の記憶にあるその方の手持ちの着物にも合うわーと想像が出来ていました。
![!!](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
![雪の結晶](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/124.gif)
![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
「色留袖を見て勉強しておきたい」という方は、なぜ色留袖なのか改めて考えます。
色留袖は紋や仕立てで格が変わります。
結婚式は黒留袖を想定しているので、では、色留袖はいつ、どこで
両家お顔合わせの食事会では格が高過ぎかも。では、結納
私の結納では母は色留袖、私は中振袖でした。場所の格としては県内一くらいだし、
昔ながらの結納です。
一式揃え、進行する方がいたり、専属カメラマンがいたりという感じでした。
兄のときは母は紋付の江戸小紋でした。
結納という形ではなくて兄妹も含めてお食事会スタイルだったためです。
このような話しもした上で色留袖はやめて、超お勧めの格調高い古典柄の付下げが
1反あったので見ていただきました。
これは下見の段階で丸まった状態の地色と地紋をちらっと見た時点で私は決めていました。
柄は見えていませんでしたがあの地色と地紋だったらこういう柄付けのはずというのが
経験上、想像がつくのでその方にはたくさん見た後にじっくり見ていただきたいと思って
いました。
それぞれが全く雰囲気や用途が異なる付下げを選ばれました
付下げはお見立ての中で一番時間が掛かります。必ず、上前と衽を合わせて確認して
欲しいのです。
全然、見え方が違ってきます。
付下げと長襦袢希望の方はほぼ予算内で付下げと万能な袋帯。
色留袖の予習の方は格調高い付下げ。
見学予定の方は趣味性の高い上品で通好みの付下げ。帯は見送りました。
ところが、あの帯は「ジワる」のです。
数日たって、「あの帯をやっぱり買います」とご連絡がありました。
あの付下げにはやっぱりあの帯がぴったり合うし、自分だったら選べなかったし、手持ちの
着物たちにも合いそうだし・・・とじわじわきたのですって~。
こういう帯は大活躍すると思います。
きものまわりのい・ろ・はクラスでお勉強した万能色の帯揚げと万能色の帯締めを合わせたら
もう完璧ですよ
反物が決まってもまだまだやることがあります。
寸法や八掛選びです。
ちゃんとここまで責任を持って見立てます。
八掛の色は呉服屋さんの都合で妥協させられないようにしてください。
紬だったらまだよいけど付下げは想像力と経験が必要です。
格調高い付下げに合うと思える八掛が無くて、なかなかOKが出せずにいたら、同額で染め
くださるとのことそうこなくっちゃ~呉服屋さん
10:30-11:30 下見
11:30-13:00 移動とランンチ、作戦会議
13:00-15:40 あれこれ合わせてみて選ぶ
15:40-17:00 移動とティータイム
17:00-18:30 冷静になったところで再度考え、決まったらお帳場へ
仕立て上がったら皆さんでお披露目お食事会の予定。
「先生のことご招待します。でも、着物は初おろしで~」と言われたので私も新調しました
お高い買い物をした後に「あーやっちゃった~。まぁいいか。お仕事、頑張ろう」って思った
ことはありませんか
それはそれでもよいのですが着物や帯はそのような思いで買わないで欲しいです。
3人とも帰りは頬が紅潮し、足取りが軽い(疲れているのは私だけ)様子でした
しばらくこの日の余韻が残っていたと思うのです。
楽しかったね、たくさん発見があったね、勉強になったね、良いお買い物ができたね・・・と
よい氣で心が満たされていたと思うのです。
そして、呉服屋さんや着付講師のプロの目、プロの知識を面白がってくださっていたら
嬉しいです
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