きもの着付とお料理教室wayoriの順子です。
早いものでひと月以上前のことですが義父の葬儀でした。
着物を自分で着られる方で弔事ても必ず着物をお召しになる方は何割くらいかしら
今日はご参考になれば・・・と思いまして、弔事の和装について書こうと思います。
先日着用した袷の喪服です。黒の一色染、染抜き日向五つ紋の着物のことです。
私は洋装は持っていませんので喪服は袷の他に単衣、薄物も持っています。
帯は、袷用の九寸と京袋、薄物用の九寸、八寸、京袋を持っています。
略喪、色喪の用意もあります。
寒色系・紋付の色無地や江戸小紋などの袷・単衣・薄物を。
帯揚げも袷用・夏用、帯締めは平組、丸組、丸ぐけ、レース組など。
黒以外にも薄グレーや紫の帯揚げ、帯締めも。(光沢がなく、無地のもの)
長襦袢は白無地の胴抜き無双仕立て、単衣仕立て、絽、紋紗。麻は白や濃紺、グレーなど。
麻はお墓参りや御焼香などの用途でカジュアルな夏の着物用に。身体が楽です。
草履は黒のつや消し、バッグは布地の黒一色のものをいくつか持っています。
他にも喪服に合わせた雨傘や日傘。
羽織物は普段と兼用になりますが、真冬用には黒のカシミヤコート、黒の雨ゴート、
塵除けは対丈の黒のオーガンジーの道行、他に寒色系の道行きや羽織があります。
他にも食事用のひざ掛け、手拭き用のハンカチ、お数珠入れ、お扇子とお扇子袋、
サブバッグなど弔事の席に相応しい色目の小物を常に用意しております。
見えないところですが長襦袢には白い着付小物、喪服には黒い着付小物を使って
います。(ここまでしなくて大丈夫ですよ~)
そして、喪服扇。
実際に葬儀で挿している方を見たことがないのですが喪服扇というものがあります。
喪服一式をセットで購入された場合に入っていないことが多いので知らない方もいらっしゃると
思います。
挿さなくてもマナー違反ではないと思いますのでお気になさらずに。
お母様やお姑さん、ご親族に倣うとよいと思います。
喪服扇は、留袖の末広や茶事の茶扇と同じように結界の意味があります。
大きく異なる点は、喪服扇の場合は「使い切り」となります。
地方によっては屋根に向かって投げ捨てるそうですが都内のマンション暮らしでは出来ませ
んので私は紙に包んで燃えるゴミに出しました。
しかし、使ったのは義父の葬儀が初めてでした。
持ってはいても他の和装の方が挿していない場合は控えていました。
今回は施主(喪主)の妻という立場でしたので挿しました。
余談ですが・・・なんとなく、母のときは結界を作りたくなくて挿しませんでした。
母が私を連れて行きたいならそれでいいと思ったのです。
でも、母は強い人だからそんなことはしないと思っていました。
私のことを連れていきませんでしたが・・・逆に今でも傍にいるような気がします。
私の隣りの義妹は喪服扇を挿していません。
(手持ちのものは私が渡した紙袋です。柄もののバッグ?と誤解のないように)
納棺式の日の夜に主人が妹に「着物、着てみたら
」と言ったら「うん、着てみようかな」と
言ってくれまして、翌朝、早速、私が貸衣装を手配しました。
(納棺式の日の私の着物姿が「素敵~」と思ってくれたみたいでとても嬉しかったです)
わざわざ貸衣装だなんて「もったいない」と思う方もいらっしゃるのでは
びっくりしたのですがレンタル代と着付け料を合わせて2万円でおつりがきます。
足袋・裾除け・肌襦袢は自分で用意するか買い取りになります。
買い取った場合、これらを含めても合計で3万円以下です。
レンタルには草履もバッグももちろん含まれます。喪服扇はなかったみたいです。
着付けの場所は斎場でも自宅でも別途出張料金が掛かりません。
返却もお店に持参してもよし、自宅でも斎場でも取りに来てくださるそう。
1回きりで2万円弱は高いと思うかもしれませんが、3シーズン分のお誂え、保管、お手入れ
等を考えると喪服は買わずに必要なときに借りた方が賢いかもと思ってしまいました・・・。
私のように洋服を持っていなくて、普段から着物を着ていて、保管場所もあり、お手入れも
慣れている場合は別ですが着物を滅多に着ない方は喪服はレンタルで充分かも。
嫁入り支度に喪服を持たせてくれる親御さんも多いと思いますが着物を着られない、着物を
しまうスペースがないという方には急いで誂える必要はないように思いました。
カビちゃうし・・・
。
近いうちに喪服を洗いに出す予定ですが、洗い賃はレンタル料くらい掛かります
。
(お手入れ代がお安いところもありますが喪服は特に丁寧に洗ってくださる所にお願いします)
レンタルなら脱いだものをそのままお返しすればよいのです。楽ちん。
もし、誂えるなら羽二重ではなくて縮緬がお勧めです。私は縮緬です。
羽二重は白っちゃけて見えます。(私だけ)
真っ黒に染めるのは大変な技術を要します。
喪服姿が並ぶと染めの違いが顕著です・・・。
せっかく良いお品物でも羽二重はちょっと損なような気がします。
これは、個人的な好みです・・・。
この日の羽織物は袷の変わり衿の道行きです。
第一礼装なので道中着や無紋の羽織よりも道行の方がお勧めです。
でも、手持ちの道行きが明るいお色目でしたら形よりも色でお選びいただいても良いと思います。
公共の乗り物を利用される際は通年通して帯付けのままは控えた方が無難です。
私はこの日は車でしたがサービスエリアによることを考えて、羽織物は長めのグレーにして、
草履やバッグも喪服用でないものも持っていき、一見、喪服と気付かれないようにしました。
気づかれても問題ないですが、洋装でも喪服(全身真っ黒)って人の目を惹くので目立たない
ように装いたかったのです。
きもの着付エレガンスクラスのお稽古では毎年2月に喪服に特化した講義と実技をしています。
私物をこのように並べて見ていただきます。
実技は喪服をお持ちでない方は私手製の紋シールを貼って、五つ紋の位置を意識
しながら着用します。
(写真は去年投稿したものです)
喪服をお持ちの方は喪服でお稽古します。
思いがけない気づきが必ずあります。
喪服が最も着付の技術が現れると思います。
義妹の着付は見た瞬間「大丈夫だわ」と思いました。
(本当にお上手でした~)
不謹慎と叱られそうですが私は喪服を着る時間がとても好きです。
着付けの時間は誰にも邪魔をされないので故人を偲び、対話をするような気持ちになり、
身に纏っていきます。
この時間が尊いのです。
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