おはようございます。『プログレス学習教室』の坂田です。
「国語のテストで古文が出てきた瞬間、頭が真っ白になる」
「単語や文法を必死に覚えたのに、長文になると何が書いてあるかさっぱり分からない」
教室で生徒たちのノートを見ていると、古文に対してそんなため息交じりの声をよく耳にします。
同じ日本語のはずなのに、まるで外国語の暗号でも解読しているような気分になって、読むのが嫌になってしまうのも無理はありません。
なぜ古文は「暗号」に見えてしまうのか?
古文に強い苦手意識を持っている子の多くは、現代文と同じ感覚で「目だけでじっと黙読」しようとしています。
実は、ここが大きな落とし穴です。
昔の文章は、文字を目で追うこと以上に、声に出して「耳で楽しむ」ことを前提に作られていました。そこには、日本語特有の心地よいリズムや五七調のテンポが自然と織り込まれています。
それを頭の中だけで一文字ずつ分解し、現代語のルールに無理やり当てはめようとするから、言葉の自然なつながりが見えなくなってしまうのです。
一番の近道は「教科書の冒頭」を丸ごと暗誦すること
この壁を軽やかに飛び越えるために一番おすすめしたいのが、教科書に載っている有名作品の冒頭を「声に出して丸ごと覚えてしまうこと」です。
たとえば、こんなフレーズです:
- 『枕草子』:「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは……」
- 『平家物語』:「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり……」
一度は授業やテレビで耳にしたことがあるフレーズで構いません。
細かい文法や品詞分解のことはいったん横に置いて、好きな歌のサビを口ずさむような気楽な気持ちで、まずは教科書を開いて声に出してみます。
「手で隠して唱える」を繰り返す
何回か音読して口が滑らかに動くようになってきたら、教科書を手やノートでサッと隠してしまいましょう。
文字を見ずに、頭に残った音の余韻だけを頼りに、自分の口からブツブツと唱えてみます。
途中で詰まったら、チラッとカンニングしてまた隠す。
すらすらと何も見ずに言えるようになるまで、自分の耳に自分の声を届けるつもりで繰り返していきます。
体に「古文のリズム」が宿ると、初見の文章も読めるようになる
短い冒頭文をひとつ完全に暗誦できると、頭の中に古文独特の「リズムの物差し(呼吸)」が出来上がります。
リズムが身につくと自然にわかること:
- 言葉がどこで自然に区切れるのか
- どんなテンポで文が流れていくのか
これらが理屈ではなく、感覚として体に染み込んでいきます。
このリズム感さえ身についてしまえば、テストで初めて見る文章に出くわしたときでも、不思議とすんなり読めるようになります。「あ、ここで話の調子が変わったな」「ここが大事な場面だな」という勘どころが、自然と手にとるようにつかめるようになっていくからです。
机にかじりついて文法書と格闘する前に、まずは昔の人が使っていた生きた言葉の響きをそのまま楽しんでみてください。
今夜テキストを開いたら、お気に入りの作品の最初の数行を、お部屋の中に響かせるように声に出してみませんか。
自分の口からこぼれた美しい日本語のリズムが、苦手を抜け出す一番確実な第一歩になります。
