家や塾でワークを解いているとき、「なんとなく答えはこれっぽいな」とか「解説を読んだら分かった気がする」と思うことはありませんか。 でも、いざテスト本番になって同じような問題に出会うと、「あれ、どうやって解くんだっけ……」と手が止まってしまう。そんな悔しい経験をしたことがある人も少なくないはずです。 一生懸命に机に向かっているのに、なぜテストで実力が発揮できないのでしょうか。
実は、その原因は「分かったつもり」という脳の勘違いにあります。人間の脳は、目で見て「なるほど」と感じただけの情報は、すぐに忘れてしまうようにできています。まだ自分のものではない、他人の知識のままだからです。 これを、自分の力でいつでも引き出せる「本当の学力」に変えるために、ものすごく大切なステップがあります。それが、自分の頭の中にあるものを「言葉にする」ということです。
言葉にする、と言っても難しいことではありません。今日からの勉強で、すぐに試せるおすすめのやり方があります。
1つ目は、間違えた問題の横に「なぜ間違えたのか」を一言だけメモすることです。 ただ赤ペンでバツをつけて正しい答えを写すだけでは、脳はあまり動いていません。そうではなく、「プラスとマイナスを逆にした」「問題文の『2倍』という文字を読み落とした」という風に、ミスの理由を自分の言葉でハッキリと書いてみるのです。自分の弱点を言葉にすることで、脳に「次はここを気をつけよう」という強い警戒スイッチが入ります。
2つ目は、解き終わった問題を「誰かに説明するように、声に出してみる」ことです。 自分の部屋で、目の前に友達や小さな子が座っていると想像して、「この問題は、この公式を使って、ここに数字を代入するから……」と実況中継のように呟いてみてください。 不思議なことに、言葉に詰まってしまう場所こそが、あなたが「実はまだちゃんと分かっていないところ」です。逆に、スラスラと言葉にできた問題は、テスト本番でも絶対に迷わず解くことができます。
勉強は、ただノートを文字で埋めるだけの作業ではありません。 自分の頭の中で起きていることや、つまずいている部分と一つひとつ丁寧に向き合って、言葉にしていく。その地道な繰り返しが、誰かに言われてやる勉強から、自分で自分の実力をコントロールしていく「自立学習」への一番の近道になります。
今日の夜の家庭学習で、ほんの一言、自分の言葉をノートに書き添えてみませんか。その小さな習慣が、次のテストであなたを支える揺るぎない自信に変わっていくはずです。