「この世」の終わりである三途の川を渡ろうとしたら、「あの世」にいる人から「まだ早いよ」と言われて引き返した・・・
死に瀕したのちに、生還した人たちがこのようなことを語るのを聞いたことがないだろうか
こういった体験は、くだらないオカルトだろうか
医学の解明が進んだ現在、臨死体験はまったく信憑性がないともいえなくなった
もっとも、まだ全貌が解明されたわけではなく、死の直前の脳の異常活動によるものだと、臨死体験研究じたいを否定する人たちもいる
しかし、この臨死研究は、意外な「人間の意識についての哲学的な議論」につながっている
理解を進めるために、韓国でトリプルミリオンセラーとなった『全人類の教養大全』シリーズ著者のチェ・ソンホ氏の解説を見ていこう
■増加している臨死体験の経験者数
臨死体験は「Near Deathh Experience」の頭文字をとって「NDE」ともいう
医学的な定義は、死に瀕した人が特別な体験をして生還する現象のことをいう
中世の資料にも臨死体験に関する資料が残っているけれど、議論がはじまったのは最近だ
その背景にあるのは、医学の進歩だ
技術発展のおかげで、一度止まった心臓や呼吸をふたたび動かすことが可能になって、臨死体験をしたという人が増えたのだ
具体的な例として、自分の身体を外から眺める体外離脱、光のトンネルを通過する体験、穏やかな気持ち、知覚能力の拡大、耳鳴り、死んだ知人との遭遇、人生の記憶が一気によみがえる現象、「あの世」と「この世」の境界線での回帰などがある
このような体験の特徴は、おおむね文化圏・地域・人種・宗教には関係なく普遍的な構造を持つということだ
とくに、文化的な体験が少ない幼少時の臨死体験も、大人と同じパターンを示すのはとても興味深い
■なぜまったく違う人生を歩んできた人たちが
不思議なのは、ほとんどの臨死体験者が、彼らがもともと持っていた宗教的な信念と臨死体験を結びつけて考えないという点だ
もともと信仰していた宗教から離れて、より普遍的な考察に興味を持つようになったと報告されている
また、体験者たちは日常生活での変化を感じることもある
まわりの環境や人びとを配慮するようになったり、知識を増やしたいという欲求が強くなったりするといったことで、死に対する恐怖がなくなったケースもあるという
臨死体験の比較的詳細な記録としてあげられるのが、1991年のパム・レイノルズのケースだ
歌手兼作曲家だった彼女は、34歳のときに脳の病気を患った
彼女の主治医は、体温を15℃に下げて脳内の血液を抜いた状態で手術を行った
この手術は、当時の医療関係者や科学者たちの注目を集めた
脳の血液を抜いた状態で手術が行われるので、もし彼女が臨死体験をするなら、臨死体験は脳が機能を失ったあとに経験するものだという証拠になるからだ
手術中、彼女の脳波は1時間ほど止まっていたことが確認された
目をさましたパム・レイノルズは、自分が臨死体験をしたと主張し、隣で手術を見守っていたと言った
その根拠として彼女は、手術の過程と医者らの会話、手術用機器の形を正確に描写した
■脳波が停止した女性の手術の正確な記憶
このケースについては、現在も議論がつづいている
手術記録によると彼女の目には乾燥を防ぐためのテープが貼られていたし、聴覚保護のために耳には特殊な効果音が流れるイヤホンをつけていた
だから術中覚醒をしていたとしても、場面や会話を覚えることは不可能だろうといわれている
臨死体験に関する議論は、2つの哲学的な考え方にもとづいている
それは、精神や魂というものが物質とは別の独立的な存在なのかを認めるか、認めないかだ
精神を独立した存在として認める「物心二元論」では、臨死体験は身体の死後の精神的な経験だとみなす
記憶と認知活動は、脳という物だけでなく、それとは別の存在である精神によって行われることも可能だと考えるからだ
一方で、精神を物に還元して物の存在だけですべてを説明する「物心一元論」の観点から見ると、臨死体験は脳の異常そのものであって、脳の能力を超える記憶や認知活動は不可能なことだ
研究がはじまったのは比較的最近だから、これからさらに深い議論がされるのではないだろうか
また、臨死体験が実在するものだと考える側もそうでない側も、死の直前に脳が特殊な経験をするということは事実として認めている
臨死体験をした人は、第三者には理解できない主観的な経験をしているのだ
(この記事は東洋経済オンラインの記事で作りました)
臨死体験はおおむね文化圏・地域・人種・宗教には関係なく普遍的な構造を持つということだ
とくに、文化的な体験が少ない幼少時の臨死体験も、大人と同じパターンを示すのはとても興味深い
私は臨死体験が是か非かはわからないが、現在の科学を超えた「なにか」があるのかもしれない
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