サルの脳に「足し算、引き算細胞」発見 言語を持たない霊長類でも計算できる可能性 | メインウェーブ日記

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東北大大学院医学系チームは28日までに、サルを用いた実験で、脳に足し算、引き算を実行する際に強く反応する細胞があることを世界で初めて発見した
計算に特化した細胞が脳にあるわけではなく、手の運動を制御する細胞を再利用(リサイクル)することで計算を可能にしていることを示唆するものだという
今後は、脳機能から見た数学の学習法などへの応用が期待される。

■足し算は右手、引き算は左手

東北大学大学院医学系研究科生体システム生理学分野の虫明元(はじめ)教授らのチームによると、発見された細胞の大半は左右の手の運動にも強く関与しており、足し算細胞は右手の運動と、引き算細胞は左手の運動と関連していた

計算をする際、大脳の手の運動を調節する細胞を再利用しているとみられ、言語を持たない霊長類でも基本的な足し算、引き算が可能であることを示唆しているという

簡単な足し算、引き算を反映した行動はサルやチンパンジー、オランウータンなど人間以外の哺乳類で確認されている
これらのことから、計算には言葉は不要で、種を超えた計算を可能にする脳細胞の存在が示唆されてきた
だが、それらの活動は脳細胞レベルで発見されていなかった

チームは、足し算や引き算などの数操作課題を訓練したサルが足し算、引き算を実行している瞬間の脳の神経活動を調べた結果、足し算や引き算に強く反応する神経細胞が多数見つかった

これらの細胞は、左右の手の動きにも関連していることがわかり、足し算細胞は右手の動作に、引き算細胞は左手の動作に呼応するように細胞の表現している情報が変化していることが明らかになった

■霊長類にもともと備わった能力か

計算を実施するのに特別な細胞があるのではなく、元々手の動作に関連した細胞群を再利用して、計算を可能にしているとみられる
指で数えたり、そろばんを使ったり、計算と運動の密接な関係性は脳機能から説明できるといえる

人は無意識に数字を数直線に並べて考えていることが分かっており、「メンタルナンバーライン」と呼ばれる
メンタルナンバーラインは最近、足し算、引き算にも存在することが明らかにされている

われわれの身の回りでは、音楽プレーヤーで音量を上げるときには右側につまみを回すこと、車のスピードを上げるときには右のアクセルペダルを踏むこと、電気をつけるにはスイッチの右側を押すことなど、数量を加えるときには右側、減らすときには左側という関係が見られる

霊長類の脳から同様の表現が得られたことから、メンタルナンバーラインは人間の文化や教育によるものではなく、元々、霊長類の脳に備わっていた可能性が示唆される
今後、脳機能に基づいた数学教育など教育分野への応用の可能性があるという

虫明教授は「数学は一般的に、文字などの文化的背景のもとで、数字があり、さらに演算も規則を学習することで獲得すると考えられる」としたうえで、「数字のないサルでも加算、減算、数の大小などを身体や視覚運動機能を使って行えることから、非言語的な段階で対象の数を感覚的・身体的に操作する面を駆使することで、後に数字や規則を用いる学習の準備ができる」と話す。

さらに「脳の障害で演算が難しくなったときには身体的な操作に戻ってみることで、演算の身体感覚を呼び起こすことができると考えられる。このような脳の働きの身体基盤がわかると、もっと数学でも身体感覚を使って学ぶということが大切になると考えられる」と述べた

この論文は28日(日本時間)、「Scientific Reports」オンライン版に掲載された。(菊池昭光)

(この記事は、産経新聞の記事で作りました)

サルの脳に「足し算、引き算細胞」発見

これは言語を持たない霊長類でも計算できる可能性

脳細胞に計算脳があるのではなく、右手が足し算、左手が引き算と関係しているという

音量ボリュームを右にひねるとアップ、スイッチの右を押すと点灯などが元々霊長類には備わっているようだ

数字も身体感覚を使って学ぶことも大切かも

 

 


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