90年以上の議論に決着 「反物質」は重力で落ちる? 浮く? | メインウェーブ日記

メインウェーブ日記

気になるニュースやスポーツ、さらにお小遣いサイトやアフィリエイトなどのネットビジネスと大相撲、競馬、ビートルズなど中心

姿形は「物質」とうり二つだが、電気的な性質などが正反対の「反物質」は、重力によって落ちるのか、浮くのか――
科学者らの間で90年以上続く議論に、日本人も参加する国際研究チームが終止符を打った

反物質は、私たちの身の回りにある物質と対をなす双子だ
ひとたび二つが出合うと、エネルギーを放ち、互いに消滅してしまう
まるでSFのようだが、身近な例だと病院でがんを調べる陽電子放射断層撮影(PET)に使われている

1928年に英国の物理学者ディラックが存在を予言
32年に米国の物理学者アンダーソンが、電子の反物質「陽電子」を初めて見つけた

以来、物質とあべこべな性質をもつ反物質への重力の影響は、多くの推測がなされてきた

アインシュタインが重力理論の一般相対性理論をつくった1915年ごろ、反物質は未知の存在だった
物質と出合えばすぐに消滅する反物質の性質を調べることは、至難の業だったからだ

多くの科学者は、反物質も地球に向かって落ちるだろうと考えてきた
しかし、一部には、浮くような「反重力」がはたらくと仮定し、宇宙論への影響を考える科学者もいる

リンゴが木から落ちるように、「反リンゴ」も落ちるのか
はたまた浮くのか
この議論に実験的検証で決着をつけたのが、今回の成果だ

カナダや米国、英国などからなる国際研究チーム・ALPHA(アルファ)によるもので、反リンゴの代わりに、水素の反物質「反水素」で実験をした

水素はプラスの電気を帯びた「陽子」とマイナスの「電子」でできている。一方、反水素は、マイナスの「反陽子」とプラスの「陽電子」からなる

チームは反水素を人工的につくり、1回あたりおよそ100個を、真空にした縦長の円筒領域(直径4.4センチ、長さ25.6センチ)に閉じ込めた
領域の上下は、磁場による障壁で「ふた」がしてある
磁場を弱めていくと、ふたが少しずつずれるように反水素が外に漏れ出すしくみだ

領域外に漏れ出した反水素は、物質である円筒の壁に当たると消滅してエネルギーを出す
それを高精度に検出し、反水素の数をカウントすることを、条件を変えて100回程度繰り返した

その結果、上と下で正確に釣り合わせて磁場を弱めると、約8割の反水素が下で消滅するのを確認したという

チームは「反水素が重力で落下することを初めて直接、観測し、一部で議論されている反重力は存在しないことが証明できた」と説明する

論文が、科学誌ネイチャー(https://www.nature.com/articles/s41586-023-06527-1)に載る

(この記事は、朝日新聞DIGTALの記事で作りました)

宇宙ではほとんど物質が残り、反物質だけがほとんど消滅したのかは謎だが、反物質が重力で落ちるのか?反重力で浮くのかは90年以上議論されてきた

今回、反物質が重力で落下することを確認したという

 


宇宙に物質だけが残り、反物質だけが消えたのかの謎を考える
(ほとんど)