オーストラリアの心肺蘇生・ファーストエイドを調べていると、よく出てくる言葉にDRABCDというのがあります。

ABCDは日本でもおなじみ

A:Airway(気道・気道確保)
B:Breath(呼吸・人工呼吸)
C:Circulation(循環・胸骨圧迫)
D:Defibrillation(除細動・AED)

ですが、DとRが追加されています。なにかというと:

D:Danger(危険・安全確保)
R:Response(反応確認・応援要請)

読み方はDr ABCD(ドクターABCD)って言うみたいです。

ちょっと前にCPRを習ったことがあると言う人に、じゃ、復習でやってみましょうか?
なーんて、実際にやってもらうと、ABCD以前が怪しかったりします。

ABCDの部分は大事ですし、繰り返し練習します。
それにABCDなんて簡単に覚えられるキーワードまであるので、呼吸の確認以降はスムーズにできるんですが、
えーと、その前なにやるんだっけ?って意外とおおいです。

とくに多いのが、安全の確認と応援を呼ぶこと。

そういう意味では、ABCDの前にDRをつけて覚えさせるというのは良いアイディアだなあと思いました。

キーワードで覚えるって結構アリですね。

オーストラリアのテキスト欲しくなりました。  また出費が・・・・。
先日、オーストラリアから講師が来てライフセービング競技のコーチングセミナーをやっていたので、
受講してきました。

さすが、本場オーストラリア。コーチって政府認定(だと思う)の資格なんですね。
日本でスポーツのコーチ業をするのにコーチ資格っていらないですよね。

今回のコーチングセミナーは、オーストラリアの資格が取得できるというもの。
日本にいながらオーストラリアの資格が取れるというのはすごいことです。
関係者の皆さんはめちゃくちゃ苦労したみたいで、感謝感謝でございます。

さて、そんなオーストラリアのライフセービング業界について調べていると教育にものすごく力を入れてることを発見。(本当は今回使ったDVDが欲しくてサイトを物色していたのですが)

その中でも、FAとか心肺蘇生関連がかなり充実していてびっくり。
州ごとにカリキュラムが違うようですが、西オーストラリア州の場合は下記のようにこんなにたくさんあります。

* ベーシックファーストエイド(基礎応急処置)
* シニアファーストエイド(上級応急処置)
* シニアファーストエイド(上級応急処置) self paced
* 遠隔地応急処置
* 西オーストラリア州規定職務応急処置コース
* 心肺蘇生資格コース
* 上級心肺蘇生資格コース
* 酸素心肺蘇生コース
* 除細動
* 脊椎管理
* 基礎エマージェンシーケア
* ホームライフセーバー
* サーフレスキュー資格コース

なかでも西オーストラリア州っぽいのが遠隔地応急処置コースじゃないでしょうか?

      上級応急処置コースレビュー
      遠隔地へ出かける際の準備
      通信手段
      上級緊急時ケア
      限られた資源を使用しての応急手当
      傷病者の移動
      固定
      栄養学
      高外気温
      薬品およびファーストエイドキット
      記録およびレポート
      避難
      アウトドアシナリオ

なんてことをやるようですね。
西オーストラリアの職業安全基準を満たすための資格もここでとれるようです。

オーストラリアのライフセービング業界が社会に果たしている役割って大きいですね。

クラブのオリジナルコースの参考にしたいと思います。
ちょっとハードル高いですけどね。
先日、意を決して「水難救助ハンドブック」という本を購入しました。

水難救助ハンドブック/著者不明

¥23,100
Amazon.co.jp

超高価なんですが水難救助を研究しまとめられた本、そしてライフセービングのあり方について
細かく記述された本としてはとても貴重な本で、いつかは買わなくちゃと思っていたのですが、
心肺蘇生用の本の購入を優先していたのもあり、時間がたってしまってました。
先日やっと、2010年の最初の買い物として購入。

中身は500ページ以上のハードカバーになっています。

原題が「Handbook on Drowning」というだけあって、救助方法のテキストということではなく、

1.溺水はいかにして起こるか?
2.防止するにはどうすればよいか?
3.救助する者のスキルはどんなことが必要か?
4.蘇生方法は?

といったトピックについて、AHAのガイドラインとまではいかなくともエビデンスを駆使しながら提言するというスタイルになっています。

その中でも、いくつかこのブログで触れた部分が明確に記述してあったのでちょっとだけご紹介します。

前回ACLSでの薬物については有効であるというエビデンスがないということを書きました。

やっぱりBLSが大事

このハンドブックはもう少し突っ込んだ提言をしていて気持ちがいいんですよね。

まずは、通常の心臓突然死の場合は除細動がないと助かる確率が非常に低いため、心肺蘇生手技そのものは時間稼として受け止められている。ところが溺水事故においては、除細動はまれにしか必要にならない場合が多く、ALSが有効であるという根拠も薄いとしたうえで、

「溺水事故における基礎的心肺蘇生手技の役割は、決定的治療法であるのか、ALSにつなげる時間稼ぎの手技であるのか、再定義されるべきである」と書いています。

いまのところ、溺水に関する蘇生のエビデンスは非常に少ないのが現状。
AHAのガイドライン2005でも溺水の項目は2ページちょっとで、参照した論文も25のみです。

とにかく、情報を集めるという作業が必要ですがそれは置いておいて・・。

ライフセーバーとしては溺水が起きた現場で最高の蘇生をするということが、即蘇生率の向上につながるということは言えそうです。

そうなると、やっぱりライフセーバーへの心肺蘇生教育のベースが「一般市民向け」なのはとっかかりとしては良いとして、最高の蘇生を目指した教育もあってもいいはず。

あと、一つやっかいな問題としては、酸素の投与が医療従事者以外にはできないこと。
決定的な治療が早い段階で施されていれば、蘇生率が向上するはずなのですが、現行の法律では実施できません。ダイビング業界ではある特定の条件下で可能になっているのでライフセービング業界も何らかのアクションが出来たらいいなと思います。

分厚い本をぺらぺらとめくりながら今年はやることいっぱいあるなあ、と感じるのでした。