先日、意を決して「水難救助ハンドブック」という本を購入しました。
水難救助ハンドブック/著者不明

¥23,100
Amazon.co.jp
超高価なんですが水難救助を研究しまとめられた本、そしてライフセービングのあり方について
細かく記述された本としてはとても貴重な本で、いつかは買わなくちゃと思っていたのですが、
心肺蘇生用の本の購入を優先していたのもあり、時間がたってしまってました。
先日やっと、2010年の最初の買い物として購入。
中身は500ページ以上のハードカバーになっています。
原題が「Handbook on Drowning」というだけあって、救助方法のテキストということではなく、
1.溺水はいかにして起こるか?
2.防止するにはどうすればよいか?
3.救助する者のスキルはどんなことが必要か?
4.蘇生方法は?
といったトピックについて、AHAのガイドラインとまではいかなくともエビデンスを駆使しながら提言するというスタイルになっています。
その中でも、いくつかこのブログで触れた部分が明確に記述してあったのでちょっとだけご紹介します。
前回ACLSでの薬物については有効であるというエビデンスがないということを書きました。
やっぱりBLSが大事
このハンドブックはもう少し突っ込んだ提言をしていて気持ちがいいんですよね。
まずは、通常の心臓突然死の場合は除細動がないと助かる確率が非常に低いため、心肺蘇生手技そのものは時間稼として受け止められている。ところが溺水事故においては、除細動はまれにしか必要にならない場合が多く、ALSが有効であるという根拠も薄いとしたうえで、
「溺水事故における基礎的心肺蘇生手技の役割は、決定的治療法であるのか、ALSにつなげる時間稼ぎの手技であるのか、再定義されるべきである」と書いています。
いまのところ、溺水に関する蘇生のエビデンスは非常に少ないのが現状。
AHAのガイドライン2005でも溺水の項目は2ページちょっとで、参照した論文も25のみです。
とにかく、情報を集めるという作業が必要ですがそれは置いておいて・・。
ライフセーバーとしては溺水が起きた現場で最高の蘇生をするということが、即蘇生率の向上につながるということは言えそうです。
そうなると、やっぱりライフセーバーへの心肺蘇生教育のベースが「一般市民向け」なのはとっかかりとしては良いとして、最高の蘇生を目指した教育もあってもいいはず。
あと、一つやっかいな問題としては、酸素の投与が医療従事者以外にはできないこと。
決定的な治療が早い段階で施されていれば、蘇生率が向上するはずなのですが、現行の法律では実施できません。ダイビング業界ではある特定の条件下で可能になっているのでライフセービング業界も何らかのアクションが出来たらいいなと思います。
分厚い本をぺらぺらとめくりながら今年はやることいっぱいあるなあ、と感じるのでした。
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超高価なんですが水難救助を研究しまとめられた本、そしてライフセービングのあり方について
細かく記述された本としてはとても貴重な本で、いつかは買わなくちゃと思っていたのですが、
心肺蘇生用の本の購入を優先していたのもあり、時間がたってしまってました。
先日やっと、2010年の最初の買い物として購入。
中身は500ページ以上のハードカバーになっています。
原題が「Handbook on Drowning」というだけあって、救助方法のテキストということではなく、
1.溺水はいかにして起こるか?
2.防止するにはどうすればよいか?
3.救助する者のスキルはどんなことが必要か?
4.蘇生方法は?
といったトピックについて、AHAのガイドラインとまではいかなくともエビデンスを駆使しながら提言するというスタイルになっています。
その中でも、いくつかこのブログで触れた部分が明確に記述してあったのでちょっとだけご紹介します。
前回ACLSでの薬物については有効であるというエビデンスがないということを書きました。
やっぱりBLSが大事
このハンドブックはもう少し突っ込んだ提言をしていて気持ちがいいんですよね。
まずは、通常の心臓突然死の場合は除細動がないと助かる確率が非常に低いため、心肺蘇生手技そのものは時間稼として受け止められている。ところが溺水事故においては、除細動はまれにしか必要にならない場合が多く、ALSが有効であるという根拠も薄いとしたうえで、
「溺水事故における基礎的心肺蘇生手技の役割は、決定的治療法であるのか、ALSにつなげる時間稼ぎの手技であるのか、再定義されるべきである」と書いています。
いまのところ、溺水に関する蘇生のエビデンスは非常に少ないのが現状。
AHAのガイドライン2005でも溺水の項目は2ページちょっとで、参照した論文も25のみです。
とにかく、情報を集めるという作業が必要ですがそれは置いておいて・・。
ライフセーバーとしては溺水が起きた現場で最高の蘇生をするということが、即蘇生率の向上につながるということは言えそうです。
そうなると、やっぱりライフセーバーへの心肺蘇生教育のベースが「一般市民向け」なのはとっかかりとしては良いとして、最高の蘇生を目指した教育もあってもいいはず。
あと、一つやっかいな問題としては、酸素の投与が医療従事者以外にはできないこと。
決定的な治療が早い段階で施されていれば、蘇生率が向上するはずなのですが、現行の法律では実施できません。ダイビング業界ではある特定の条件下で可能になっているのでライフセービング業界も何らかのアクションが出来たらいいなと思います。
分厚い本をぺらぺらとめくりながら今年はやることいっぱいあるなあ、と感じるのでした。