映画「サリュート7」2016年ロシア | オヤジのブログ

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映画「サリュート7」2016ロシア

 


----あらすじ----

1985年、ソビエトの宇宙ステーション・サリュート7号が宇宙塵と衝突、音信が途絶え、コントロール不能となった。

 

当時サリュートは無人運用となっており、人を送り修理するにしても、電源を失い不規則に回転しているサリュートへのドッキングは手動で行わなければならず大きな危険を伴うため、関係者はみな躊躇する。

しかしこのままでは地球に落下衝突の危険があるのに加え、この時アメリカからスペースシャトル、チャレンジャーの打ち上げが発表されていた。

チャレンジャーの貨物室の大きさはサリュート7号がすっぽり収まるサイズ、しかも、チャレンジャーに予定されているパイロットはかつてサリュートにも乗ったことのある人物。

偶然とは思えないこの符号にソビエト政府は最新宇宙技術がアメリカの手に渡ることを危惧し、サリュートを奪われる前に海に落とすか、さもなければすぐに乗組員を送り、機能回復を行うよう関係者に迫る。

なんとか宇宙ステーションを失うことは避けたいと考えた責任者のヴァレリーは、宇宙ステーションを修理することを決意する。
クルーの一人には、サリュート7の開発当初から携わっている技術者、ビクトル・ザビヌイフが選ばれる。


問題はパイロットだが、宇宙船を手動で宇宙ステーションへドッキングさせた経験のある飛行士は限られていた。

何人かの候補が選ばれ、何度もミュレーターで訓練を行うが誰も成功させることができない。

チャレンジャーの打ち上げも迫っている。
もう撃墜して海に落とすしか方法はないのだろうか。
実はヴァレリーにはもう一人パイロットに心当たりがあった。
それは、ヴァレリーが一番最初に候補から外した人物、ウラジミール・ジャベニコフ。

ウラジミールは既に軍を退役していたが、宇宙船の操縦経験が長く、手動によるドッキング経験も抱負で、サリュート7への搭乗経験もあるベテランだった。
しかし、彼は前回のサリュート7でのEVA(船外活動)で他のクルーの生命を危機にさらす事件を起こしていた。

この事故が退役理由のひとつでもあり、この一点でヴァレリーはウラジミールを採用しなかったのだ。
しかし今は彼しかいない、いやむしろ彼に頼るしかないのだった。
ウラジミールを呼び戻すヴァレリー。
打ち上げ間際、ビクトルは出産間近な妻へ、ウラジミールは幼い娘と妻へ、それぞれ思いを残しながら宇宙へ旅立つ。

サリュート7の動かなくなった原因はなんだったのか、そして彼らは手動でのドッキングを無事成功させ、宇宙ステーションを再び動かす事ができるのか。


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冒頭の、ウラジミールがEVAで訳の分からないモノを見て気を取られ、同僚を殺しかけるシーンから、宇宙物のSFホラーか何かだと思って見始めた。
それにしてもサリュート?ソリュート?聞いたことあるなとは思ってた。
物語の中盤近くになって、これホラーではないなと気づき、改めて調べたら本当にあった話だった。
1985年、ソビエトの宇宙ステーションサリュート7号は太陽光センサーの不具合で太陽光パネルが動かなくなりコントロール不能に陥ったところを、実際に宇宙船ソユーズT-13で修復、みごと復旧したのだという。

そのころ宇宙関連のニュースといえばNASAのスペースシャトルの陰に隠れて共産圏の宇宙開発のニュースはそれほど聞かれなかった気がするが、そういえばそんな話をニュースで見た気もするなあ。

 

映画は、話を盛り上げるためにだいぶ脚色や創作が入り、事実に基づいた話、というよりは、事実を下敷きにしたSFといった所のようだが、とはいえ、事実に基づいたという点で話の信憑性が俄然違ってくるし、ウラジミールもビク>トルも実在の人物となればリアリティも増してくるというものだ。
ただ、ネタバレになるけど、映画の中での最大かつ最悪の危機である船内火災は起きていない。

現実にそんなことが起きたら、後は落っことすだけだとはいっても、あれに乗って帰るのはちょっと安全性に問題がありそうだ。
センサー修理もあれほど絶妙のタイミングでうまく事が運ぶのは出来すぎな気もする。

ちなみに実際には、ソユーズで押して、ステーションごと向きを変え、太陽電池パネルを太陽の方に向けて電源回復をはかったらしい。
(それもすごい話だけど、それだと映画としてはちょっと地味になってしまうのかもなあ)


最後にウラジミールたちが見たのはなんだったのか。ヘルメットにちょっと映っているようだが、見えそうで見えなかった。

ということで、こりゃやっぱりSFだった。
結構前にみてて感想を書いたままにして温めてたら、今確認した所、Amazonプライムでは4月末に見放題が終了してた。
DVD借りてまで見た方がいいかどうかは人によるが結構面白かった。
思わぬ拾い物だった。

 

※流れをわかりやすくするため、シーンとは違う写真を貼っている場合もあるのであしからず。