「ローリング・ストーンズのメンバーで一番好きなのは誰ですか?」と35歳くらいの女性に聞かれました。
「キース・リチャーズ」と即答しましたが、「でも、本当に一番好きなのは?と聞かれたら、ミック・ジャガーって答えちゃうかもしれない。」と続けました。その理由は自分でもよくわかりませんが。
すると、彼女は「あっ!わかります。私もスマップのメンバーで一番好きなのは?と聞かれたら、キムタクって言うけど、本当に一番好きなのは?って言われたらナカイくん、っていうと思います!」だって。
なるほど。
「ローリング・ストーンズのメンバーで一番好きなのは誰ですか?」と35歳くらいの女性に聞かれました。
「キース・リチャーズ」と即答しましたが、「でも、本当に一番好きなのは?と聞かれたら、ミック・ジャガーって答えちゃうかもしれない。」と続けました。その理由は自分でもよくわかりませんが。
すると、彼女は「あっ!わかります。私もスマップのメンバーで一番好きなのは?と聞かれたら、キムタクって言うけど、本当に一番好きなのは?って言われたらナカイくん、っていうと思います!」だって。
なるほど。
会議はなかなかまとまらなかった。
年長と年中で1位、2位が違っていた。
年長は、1位「白夜行」、2位「容疑者Xの献身」。
年中の順位はその逆。
年少は自分の順位を発表したものの、その意見はほぼ無視された。また、自ら参加を拒んでいる様子でもあった。
年長は「直木賞取るなら、容疑者Xじゃなくて、白夜行だろ~が!?深さが違うね。」
年中は「白夜行は、あの二人がどうやって連絡取ってたのか...ケータイやパソコンなんか無い時代なんですよ。ありえないでしょ!」
二人が連絡を取っていた方法は、私も知りたかったことだった。
しかし、ありえない?誰がそれを証明した?
何れにせよ、両方とも既に読んでしまった作品だ。非論理的なランキングに興味はない。申し訳ないが、私はこの二人に用がなくなった。
帰路につくために生味園を出た。
階段を降りて外に出たところで気が変わった。
目の前に本屋がある。中島書店はまだ開いていた。
私は東野圭吾の「赤い指」を買った。
それが年少の第1位だった。
【この三人にはもう会えないと思うので、後日これを買いました。】
私は二杯目の注文を生ビールではなくウーロン・ハイにした。
「東野圭吾は最初から読んでるんだけどさ...」と年長が切り出した。
こういう類の会合は初めてではないらしく、時には外の作家の作品も交えながら熱く会話は進んだ。
年長と年中は非常に多数にわたる分野の書物を読んでいた。年少は読破数に劣る感じで発言も少なかった。それでも私を凌駕していることは間違いなかったが。
年長は、年少の好きな作品、若しくはその作品の感想について、「それは浅いな」と発言することが多かった。一方、自分については「深いだろ?」だった。
私は少々苛立ってきた。作品若しくはその感想について浅い、深いとはそもそも論理的ではない。それにその深度はどうやって計測するのか?その単位は?やはりメートル法?
さっさと自分の一番好きな作品を述べてもらいたい。ネタバレになりそうになったら帰るから。
年長が言った。「じゃあ、そろそろベスト・スリーを決めるか?」
そうそう、深度についてはもう十分だ。
誰だって長い会議は嫌いだろ?
私が五目焼きそばに箸をつけたとき、中華料理店「生味園」に三人の男が入ってきた。
私と同い年を「年長」とすれば、その他はそれぞれ3、4歳間隔で「年中」、「年少」といったところだった。
その男たちが私の隣のテーブルに座った途端、私には彼らの会話の主題がすぐにわかった。何故なら年長がこう言ったから。
「さて、今日の話は東野圭吾だったな。」
東野圭吾?これは面白くなりそうだ。私は東野圭吾氏は「白夜行」とガリレオが出てくる奴しか読んだことはない。ガリレオは文庫になったのは全部と、古本屋にあった「聖女の救済」だけ。テレビのガリレオは本を読んでからDVDを借りて観た。彼らの話は次に読む作品を決める際の参考になるだろう。
それに、最早立派な中年の男三人が何にせよ前もって話題を決め、中華料理屋に来ているのだ。
面白い、実に面白い。