あんたは払うよ、権藤さん。の真意 -3ページ目

あんたは払うよ、権藤さん。の真意

ご来場いただきまして誠にありがとうございます。「その1」などと付してある記事は続き物になっていますので、数字の若い順にご一読いただけると幸いです、としていたのですが、最近、数字入れ忘れてました。ごめんなさい。では、そろそろ開演です。Oh, yeah! Play it loud!

お手合わせした結果を最初に書くと、もし試合だったら、X氏の判定勝ちという内容であった。

X氏が遙かに手数で私を上回った。

また、そして正直に、私よりX氏の方が上手かった。

 

とにかく接近して、なりふり構わず連打してくる、という、私が以前見たマスと全く同じであった。

パンチもほとんどフル・ショットで、

「おいおい、まともに当たっちゃうでしょう~」

という感じであった。

 

トレーナーには申し訳ないが、左ですべて止められる、というわけにはいかず、額や腹には数発もらってしまった。

顎とテンプル(こめかみ)にはもらわなかったが...

 

キレたかって?

キレてないすよ~

 

1、2ラウンドやって、

「あ~この人はマイク・タイソンみたいにやりたいのかな」

と思った。

やたら接近してきて、身体を沈めてくる。

ヘッドギヤをしてないので、バッティング(頭と顎とかがぶつかる)のは困る。

 

キレたかって?

キレてないすよ~

 

しかし、少々うっとうしくなってきたのは事実である。

それは私には通用しない、ということを示さねばならない。

<続く>

 

H氏とM氏のスパーリングが終わり、X氏と私の番となった。

 

言い忘れたが、マス・ボクシングは「当てない」という前提だからヘッドギヤとかは付けない。

しかし、念のため、私はマウスピースをした。

 

ゴングの前に、トレーナーが真剣な顔で私につぶやいた。

古い読者ならご存じであろう、あのワンインチ・パンチを打つ男である。

「気をつけて。確実に当ててくる人だから。まあ、権藤さんなら左(ジャブ)ですべて止められると思うけど。熱くならないで冷静に」

「心配すんなよ~俺がそう簡単にキレるわけないじゃん」

当てない、という単なる練習なのに、気分は完全に矢吹丈である。

まあ、ここら辺が面白いところなのだ。はは。

 

ゴングがなる前に私がX氏に、

「何ラウンドやりますか?」

と確認したところ、

「3、4ラウンドやりたいんですけど」

との回答だった。

え!?あんな調子で攻撃続けて4ラウンドもスタミナ持つ?

スタミナについては私も同じだが...

まあ、いいでしょう、いいでしょう。

 

それにしても、私のグローブ(14オンスのソフトタイプ)と比べて随分小さいのをしてるな。

まあいいや。

少年院のボクシング大会での力石徹もそうであったではないか。

 

私はトレーナーに、

「3、4ラウンドやるつもりらしいけど、どっちかがマズイと思ったら、止めて」

と言った。

 

ここまでで読者の方は既にX氏に悪い印象をお持ちかもしれないが、それは私の文才の至らぬところで、それは違う。

X氏はコスチュームこそ奇抜であるものの、いかにも悪そうな中高年、といった感じは全くない。

至って普通の方である。

 

ゴングが鳴った。

お互いに、よろしくお願いしま~す、と挨拶して、さあ、始まりだ。

 

<続く>

 

 

 

H氏とX氏のマス・ボクシングは以下の様なものだった。

・X氏は至近距離からなりふり構わず攻撃を続ける。

・H氏は後退しながら防御する。

・X氏はパンチを直接当てる。当たっても、また当てる(わざとやっているのか、その意思は不明)。

・H氏は当然だが、決まり通り、当てない。

 

私はH氏とマスをやったことはある。

もし当たってしまったらすぐさま謝る人である。

当然、私もそうだ。

そもそも素人だから、避けたつもりがそこにパンチが来た、ということも残念ながらあるのだ。

しかしX氏は違う。

 

H氏とX氏のマスは、素人ながら、酷いな~と思える内容であった。

同時に、ああ、こんな一方的な人とはやりたくないな~とも思った。

その反面、一方的に攻め続ける、というのは、練習にはならないが、試合では反則では無いのだから、もし手合わせした場合、私は対応できるのか?という興味もあった。

 

時間は元に戻る。

X氏が姿を見せてから10分ほどたった後、ジムの会長から私に声がかかった。

「権藤さん、ちょっとこの人とマスやってくれる~?」

この人、とはX氏である。

 

数十分後に判明したことであるが、会長はいつもX氏の相手をH氏にさせていたが、この日はH氏はM氏とスパーリングをやることになっていたので、私にお鉢が回ってきた、ということだった。

 

え?いやだな~と正直に思った。

しかしながら、「いつ、何時、誰の挑戦でも受ける」というのは、私を形成する要因のひとつである。

断っておくが、挑戦を受けていつも勝つ、というのではない。

負けることもある。

またそして、古くからの読者の方はご存じであろう、私の目指すものは「拳を遮る道」なのだ。

断る理由などあるまい?

<続く>

「口は禍の門」という言い方もあるらしい。

恥ずかしながら今知ったが。

 

さて、これは先週の出来事である。

話せば数分で終わる話だが、少々長くなる。

辛抱していただくしか無い。

ボクシングのジムでの話だ。

 

同じ中高年ではあるが私よりは確実に若いH氏とM氏は既に来ていた。

私が練習を始めて30分たった頃か、また別の中高年が来た。

この方の名前は知らないので、X氏としておこう。

謎の人物はXとなるのが恒例だ。

 

X氏はここ半年~1年の間に2、3回見かけた人物であった。

いや1、2度かもしれない。

もっとも私がジムに行くのは週1~3回なので、単に私と時間帯が合っていないだけなのかもしれない。

年齢は私より上だと思うが、この程度劣化した同級生もいるので、ひょっとすると同じくらいかな?

年下だとしたら、かなりの劣化だと思うけれど、その可能性も否定できない。

つまり、年齢はわからない、ということだ。

しかし太ってはいない。痩せている。

背丈は私より5cm超高い。

 

数回しか見かけていないのに、何故覚えているかと言えば、彼の練習着が印象的だったからである。

半袖Tシャツと半ズボンで、それはいいのだが、両方とも無地で完全な同一色、つまりセット、なのだ。

赤とか青とか、あえて色は書かない。

想像してくれたまえ。

イマジンだよ、イマジン。

1CDで十分な。

 

もし私がこんな格好で練習していることが娘たちにばれたら、

「ダサい、キモい、あり得ない!!」

などと罵倒されることは必至である。

 

まず、このコスチュームが強烈だったので、私はX氏のことを覚えていたのだ。

 

「まず」としたのは、彼が私の記憶に残っていた理由が、もうひとつあるからである。

それは、H氏とX氏が行ったマス・ボクシング(お互いに当てない、という条件で行う練習、寸止めのボクシング)を見たことがあったから、である。

 

<続く>

 

 

 

 

ストレスがあれば何でもできることが判明した数日後、レス・ポール(エレキギターです)を弾く古い友人と久しぶりに飲酒する機会があった。

 

彼のストレスも大きいことを私は知っていた。

勤める会社が厳しい状態なので。

 

彼はおもむろに自分のスマートフォンを取り出し、画面に自分の部屋の書棚の写真を表示させて私に見せた。

「いや~ほんと、CDばっかり買っちゃってさ~これ、この後ろにもう一列あるんだよね~」

!!!

壁の上から下までCDで覆われている。

それも一面ではない。

 

「例えばさ~これがレッド・ツェッペリンのところなんだけど...」

彼によると、こうやってアーチスト毎に写真を撮っておかないと、いざCDを買う際に、それを持っていたのどうかわからなくなるからだそうである。

 

「ビートルズはこの棚なんだけどさ、実はビートルズは一式、引っ越した時の箱に入ったままなんだ。出すのが面倒だから、その後、同じのを中古で見つけると買ってるんだよね」

 

凄い量である。

とてもiPhoneに入る量では無い。

 

「【永遠の詩(レッド・ツェッペリンのアルバムです)】なんかさ、いろんなのが出てるから5、6枚(6、7枚だったか?)あるんだ...」

 

いや~でも買うかどうかは別として、【永遠の詩】がそんなに手を替え品を替え発売されていたとは、私は全く知らなかった。

相応にインターネットは見てるんだけど、どこで情報取ってるの?

「そりゃ、現場を当たらなきゃ。CDは現場にあるんだよ。俺なんか、毎日会社の帰りにTレコードとDユニオン行ってるもん」

 

しかし、彼が聴いている装置は小さなCDラジカセなのだ。

 

「こんなので聴いてるんじゃ、確かにジョージ・マーティンだって音の違いなんかわからないと思うけどさ...まあ、今はこれだけど、いつかはね...」

 

「まあ、でもラジカセは便利なんだぞ。昔のバンドで録ったカセットテープを聴けるんだ」

と、まあ以降、話はそれるが、それにしても凄い。

ストレスがあればこんなにCDが買えるのだ...