こんにちは!棟田です。

 

ゴールデンウィークもついに半分、ようやく峠を越えますね。

息もたえだえの方、私以外にもいらっしゃいます・・よね・・・??

「ねぇー見てー!」カウントが1日1000単位で増えていくので、私が口にする言葉の4割くらいが「ちょっと待って魂が抜ける

 

洗濯物をたたんで仕舞う、という単純な作業が、

仕分けするぐちゃぐちゃにされるたたむぐちゃぐちゃにされるしまう取り出されるおいかけるパンツもって逃げられるつかまえるまた逃げられる肩車したりベッドにおとしてこちょこちょしたり鬼ごっこしたりかくれんぼしたりオバケ

 

あれ?私は何をしていたんでしたっけ??

気付けばすごい体力をつかって、洗い終えた洗濯物が家中に散らばっただけというね。

休日でテンションの高い1歳と3歳を前に完敗です宇宙人くん

 

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ところで我が家は今日ついに加湿器をしまいました!

明らかに湿度が上がっていて、明らかに不要ですもんね(普通の方は3月くらいにしまうのでしょうか?)

子供たちの肌もあまり乾燥しなくなってきて、あぁ梅雨が近付いているんだな、と感じます。

 

皮膚科医の役得キラキラとして、

知り合いのお子さんの肌について相談されて、可愛い写真を送ってもらえるという点が挙げられます。いや、皆さん真剣に悩んで相談してくださるので、こんな感じ方は間違っているかもしれませんが、0歳児の首のシワを無理やり伸ばした写真や、0歳児の膝の裏など、第一声は「可愛いな!!」にならざるを得ません。

 

お子さんの皮膚症状にはドクターやナースさんなどの医療関係者でも悩まれる方が多いので、今日はそんな話を少し。

 

 

前回↑も書いたのですが、子供の肌はツルツルに見えてもバリアが弱く、荒れやすい。

水分は多いのに油分が少ないことが原因の一つです。

 

正式なデータではありませんが、おそらく生まれてからの1年間で一度も肌に何もできないお子さんはいらっしゃいません。

最初はお母さんからの女性ホルモンの移行があるので、ニキビができたり、脂漏性皮膚炎ができて頭や顔の皮がベリべりむけたり。

4か月過ぎたころから首などのシワにアセがたまって赤くなったり、

10か月過ぎると痒いと思ったところをかけるようになるので、引っかき傷が多くなったりします。

 

そこで皆さんが心配されるのは

「これはアトピーですか?」という点です。

 

申し訳ないのですが、私は「(まだ)わかりません」とお応えします。

 

なぜなら、皮膚に見える症状は[湿疹]で、アトピーというのは「[湿疹]ができやすい体質」を指す病名だからです。なので、経過を年単位でみていく必要があります。

0歳から湿疹で通院する方も、3-4歳で湿疹はだいぶ落ち着くかたが多いですし、小学校入学のころにはもっと割合がへります。

文献では、「1 歳未満で小児アレルギー 専門医によりアトピー性皮膚炎と診断された 169 人の 乳児を 4 年間追跡したところ,症状は 51%で改善, 34%で消失していた」

「自然寛解は 2~3 歳ごろから認められ,50%が 自然寛解に到達する年齢は 8~9 歳,16 歳を過ぎると 全体の約 90%が自然寛解すると報告した」とあります。

なので、あまり早くから、「あぁこの子はアトピーですね」と脅す必用もないですが、「ほっとけば治りますよ」と無責任にも言えません。

「わかりませんが、可能性はあります。だいたいのお子さんが症状のない状態でキープできるようになりますので、できることをやっていきましょうね」という中庸な感じ。

 

どんな状態にせよ、すべきことは一緒。

①スキンケア ②薬物療法 ③悪化要因の対策 の3本柱です。

 

①スキンケア

皮膚の清潔とうるおいを保つこと。

洗いすぎもよくありません。泡立てた石鹸で皮膚をこすらないように撫でるように洗いましょう!

保湿剤について↓

 

②薬物療法 

痒い、赤い、ガサガサしている=炎症があるということです。

炎症は文字通り「火」のようなもの。放っておいても収まらず、広がっていきます。

火には「水」=ステロイド軟こうやタクロリムス軟膏などをつかって、早期に炎症を抑えてあげましょう。

 

③悪化要因の対策

必用がある場合には採血でアレルギーの原因の検査をして、原因物質と触れないようにすることも大切な治療です。

 

コロナでオンライン処方の規制が緩和され、今後はオンライン処方が主流になるかもしれませんね。もちろん便利な文明の利器は利用すべきですが、お子さんの場合は症状が刻々と変わっていくので、できれば少なくとも3か月に一度は全身の症状をみて、処方などを調整できると良いと思います。

 

 

ブログでも何度か書かせていただいていますが、

ニキビにせよ、アトピーにせよ、生まれ持った体質の要素が大きいです。

残念ながら体質は変えられません。

 

昔から不思議なのですが、「目が悪い」という体質について、「化学物質のせいで悪くなる」と脅したり、「お母さんが妊娠中に○○するとよくない」などと酷いことを言ったり、「医療に頼りすぎるのはよくないから、自然に治そう」という論理が展開されることはないのに、

アトピー界隈には、必ず、そういう主張をされる方がいらっしゃいます。

おそらく、眼が悪いことには眼鏡やコンタクトで、日常生活における不都合がかなり改善されるという点と、患者数が多くて一般的だからでしょう。

アトピーについてはやはり治らないことが日常生活に大きな支障をきたすこと、治療が難渋した場合に医療不信につながり、自然派と呼ばれる方々の需要を生み出してしまっているのだと思います。

自然派が一概に悪だとは思っていません。

ただ、不安に付け込むような商売には賛成できません。

 

アトピーの治療法も日進月歩、かなり選択肢が増えています。

 

不安だったら、不安をぜひ教えてください。

上手くいってなかったら、どうしたらうまくいくか一緒に考えましょう。

 

体質を変えることはまだ現代医学ではできないけれど、

自分の体質と上手に付き合える方法を見つけられると良いなと思います。

 

また、お薬との上手な付き合い方などについては別途書いていきますね。

 

 

なんか毎回ブログが長くなりすぎてしまいます。

最後までお読みいただき本当にありがとうございます。

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(内装はほぼ完成しました!入口から院内を見たところラブラブ

 

 

 

 

患者様によりそった治療を目指す「私の皮膚科」は
2022年7月、外苑前に開業予定です